30話 手作りサンドイッチ
「ありがとうみんな!これで神官様の病気が治せる!!!」
と、リーチェがファティナの株を大事そうに持ちながら言いました。
あの後、「流石セレス様!!ボスモンスターを食べ物で釣って花への被害をなくすとは!」と周りに感激されましたが、ショックすぎて反論する気にもなりませんでした。
あとでアリーシャにお弁当をダメにしたことを謝らないといけません。
長年病気に苦しんでいたリーチェの大好きな人を治す事ができるのですから、私の楽しみがダメになったのなど些細な事です。
「こんな大量のファティナが手に入るなんて前代未聞ですよ。
一度の討伐で二、三株無事でも奇跡なのに。
一体あのお弁当の何に引き寄せられたのでしょう?」
と、クライム君が言います。
確かにファティナの花は大量にとれました。
みんなで手分けして丁寧に株ごと掘りだし、アイテムボックスにしまいました。
たぶん200株はあるのではないのでしょうか。
後でみんなと分けないといけません。
でもそれよりも……。
私はからっぽになってしまったサンドイッチのバスケットを見ます。
中身は大地ごと割れ蛇に丸のみされてしまいました。三つあったバスケットのうち空っぽになったバスケットが一つ無事だっただけです。
浮かれてあんなところで広げてしまった私が悪いのです。
でもそれでも――やっぱりみんなで食べたかったです。
みんな美味しいっていってくれるかなと、一生懸命パンにはさみました。
初めて自分でちゃんと作れた食べ物だったのです。
「じゃあ、みんなでそろそろお弁当食べてみましょう。ね?セレスちゃん?」
と、アリーシャが私の肩をぽんっとしました。
「え?」
「セレスちゃんがバスケットを一つ忘れてたから私ももってるの」
と、アリーシャがアイテムボックスの布袋からお弁当を取り出しました。
そうでした!お弁当箱は全部で四つあったのに私は三つしかもっていませんでした。
「やったー、腹空いてたんだ!」
と、リカルド。
「わー、おいしそう。二人でつくったの?かわいいー」と、リーチェ。
「うん、そうだよ。朝からセレスちゃんと二人で作ったの」
と、アリーシャが微笑みました。
「セレス様の手作りですか」
「美味しそうですね」
と、ジャンとクライム君。
二人の護衛sが結界をはり、ビニールシートを引いてくれています。
「よかったですね」
セディスも私の肩に手を置いてくれました。
「はい!」
私は嬉しくてビニールシートに座ります。
「それじゃあみんなで食べようね。ね、セレスちゃん」
にっこり笑ってくれるアリーシャはやっぱり天使でした。











