14話 他視点★
「それではあのマークに嫌がらせをした女子2人辞めさせるのは失敗したと?」
「はっ。しかし生徒の24人の生徒が自主退学していきました。
6人しか残りませんでしたから、どうあがいても秋に行われる模擬戦では勝てないでしょう」
「そう、ならいいわ」
理事長室にて、理事長カディナに報告して、ファンドルは部屋を後にする。
……勝てない?そんなわけがあるか。とファンドルは脳内で悪態をついた。
生徒を脅かすために周りの魔力を集めてモンスターを呼ぶモンスターボールを使ってた所、なぜか召喚されたモンスターはレベル80だった。
モンスターのいる森ではない学園の裏庭であのモンスターが召喚できるわけがない。
あのボールは周りにいるもののレベルの平均値近辺のモンスターを召喚するものだ。
平均値より上だったり下だったり多少ランダム要素はあるが、あのメンバーで80レベルが呼ばれるなどということは考えられない。
考えられるのは
――セレスがレベルを偽造で実際はかなり強いということ。
わずかな魔力を吸い取ってモンスターを呼ぶはずのモンスターがレベル80だったのである。レベル200以上なのは確かだ。
やや離れたところにいたレベルの低い生徒が平均値に計算されず、セレスと一部の生徒だけの計算でモンスターが出たと考えれば辻褄があう。
その証拠に火の玉一つでレベル80のモンスターを倒してしまった。
この学園にいる教師全員がかかってもあのセレスとかいう少女には敵わないだろう。
下手をすればレベルが一番高い聖王国の精鋭部隊スペシャルナイトと互角の可能性すらある。
あの少女は化け物だ。レベルを15に偽装していることからもしかしたら年齢すら偽ったどこかの国の密偵なのかもしれない。
本来は報告しなければいけないのだろうが……報告すれば最後、この学園で不正を働いてるすべての罪をファンドルの独断となすりつけてくるかもしれない。理事長はそういう人物だ。
結局ファンドルのだした結論は、理事長に報告せず学園を辞めてとんずらを決めることだった。
■□■
(――これは驚いた――)
レベル80の敵を一瞬で倒したセレスを見ながらセディスはため息をつく。
教師が嫌がらせをするためにモンスターボールをつかったのを見て嫌な予感はした。
レベル280のセディスがあの場にいたため、モンスターボールでレベルが高いモンスターが生まれてしまった可能性もある。それに自分の他にも隠密で隠れて後をつけている者が複数いる。かなりの手練れが。おそらくCクラスの生徒の中にセレス以外にも護衛が付くほどの身分の高いものがいるのだろう。それにしてもあの一番弱いタイプのモンスターボールで召喚した魔物がレベル80は高すぎる。
レベルが低く気弱そうな生徒が複数後ろの方にいて、計算外になっていたとしても……だ。
レベル80のモンスターを一瞬で倒してしまったセレス。
一番弱いはずの火玉で倒したということはレベル200以上だろう。
流石王族の血といったところか。
聖王国の王族はなぜか生まれた時から高レベルで生まれるため、ありえない話ではない。
だが、問題はセレスが小さい時からレベル15とレベルを偽装しているところだ。
聖王国の王族は1歳の時にレベルとスキル、所持魔法の鑑定を受ける。
その時出された数値はレベル15で、聖王国の王族としてはレベルがかなり低かったはず。
これは――思ったより秘密の多いお姫様なのかもしれない。
またずいぶんと厄介な相手の護衛になってしまったものだとセディスは心の中でため息をついた。








