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「う、美味い!」
さっきまでじゅうじゅうと鉄板の上で焼かれていたハンバーグを口に入れてそう口にした。
「だろ? 大炎町の名物、拳骨ハンバーグはうまいだろ」
まさか地獄まで来てこんなに美味いハンバーグが食べれるなんて、ほっぺが落ちてしまう。
だけど名前は地元で聞いたことの……食べたことのある名前のような気もするが、触れずにおこう。
美味しいし!
ぼく達は今、腹ごしらえのために大炎町が本店のハンバーグの店、爽快に来ていた。
何故名前が爽快なのかと飛沫に聞くと「確か大焦熱地獄の獄卒が気分爽快になるようにだかそんな感じだったはず」と言っていた。
「聞いてた以上に心が爽快になるよ、飛沫」
「食わなきゃ損だぞ、損」
ほんとに頬っぺたが落ちそう。ネットに繋がっていたら間違いなく青い鳥に画像と共に呟いていたであろう。
「飛沫」とぼくは飛沫を呼ぶ。
「なんだよ」と飛沫はぼくの方に向く。
「連れてきてくれてありがと」
嬉しくて笑顔が漏れてしまう。
「当たり前だろ、困っていたら助ける」
飛沫はそう言いながらナイフをぼくの方へ向ける。
いや、危ないんですけど。
冷や汗を掻いちゃったよ、怖いです。ハイ
それと食べなら飛沫にどうやって閻魔大王のところに行くか尋ねてみた。
「ねぇ、ここからさきどうするの乗り物とかあるの?」
「乗り物は乗らねぇ」
「え? なんで?」
乗り物があるのに使わない、確か洞窟を出るときに飛沫は自家用車は持ってないと言っていたし・・・。
「あのな、今なぜか地獄の交通網が全部止まってるからな」
え? 地獄の交通網が止まってる!? なんか嫌な予感がする。
「鉄道が使えないしバスもタクシーも使えない、だから歩く」
予感は当たった、閻魔様がいるんだからこんな地方ではないであろうしね。
「歩くって、どのくらい?」
ぼくは恐る恐るどれくらい歩かされるのか聞いてみた。
「んぁ〜、212キロぐらい」
「聞かなきゃよかったかも」
212キロていったら確か浜松から東京までの距離はある、そんなに歩くなんて昔の東海道歩いていた人ぐらいだよ。多分……。
「まぁそうゆうなって、あそこにある山を超えた先にある焦熱町に貨物駅があってな、そこに友人が働いているから乗せてもらえるかを聞いてみる」
と言ったその直後「俺は飛べるけどな」と1人ごとを言った飛沫。
筒抜けですよ、一人言。
とここで1つ疑問が、
「ねぇ、交通網が止まってるんじゃなかったの?」
さっき言ってたことと矛盾する。
それに答えるように飛沫は「あぁそれか、なぜか知らんが貨物だけは動いてそれ以外は止まっているんだ」と言う。
「じゃぁ、ぼく達はあそこの山にあるトンネルをくぐればいいんだね」
ぼくは飛沫に聞いてみる。
「まぁな、ただあの山は長いからなトンネルの中に休憩所があるくらいだし」
休憩所とはサービスエリアとか道の駅みたいなものなのか、ぼくは少し気になった。
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爽快のモチーフは静岡名物、さわやかのゲンコツハンバーグがモチーフなんだとか。