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凪る嵐に光明を  作者: 雪風風兎
凪&嵐編 第肆幕 レッツGo! クエスト受注
35/47

32 霧雪のちラーメン

日本語が変だったら教えてくださると幸いです。



「ここはどこだ?」


 少年は自分の武器、白魔刀を片手に山を見下ろしていた。

 

 雪が吹雪く山の上、兎の毛皮のように白いフードを深く被り雪をしのぐ。

 当然ながら少年の息は白く凍りつく。


 八寒地獄で売られているローブを持っておいて良かった、と少年は心底思っていた。

 そりゃそうだ、ローブがなければ凍死しているレベルの極寒だ。


 あの後、少年は赤黒くなった部屋を出ると四、五十人くらいの大量の敵。

 その敵を振り切りながら出口であろうドアを打ち破り外へ出た。

 すると酸素の薄い山の頂上へと出たらしく、いつもは上に見る雲を見下ろす。

 案の定扉の先にも悪魔数名がいた。

 おそらく見張りをしていた悪魔ひとたちを、銀色の氷を纏わせた刀でぶっ倒す。雪の上に赤黒い血のカーペットが残酷なまでに広がる。

 

 てか……。

 と一言呟いた後ブツブツと愚痴をこぼす。


「コイツらなんも話さないし、寒いしここどこだし」


 ついさっき倒した妖怪を何回揺すってもなんの反応もない、それは少年が気絶させたのが原因だが……。


 腹減った、とお腹を少し鳴らしてそう呟く。

 そりゃそうだ、この少年、江真 雪兎(えま ゆきと)は嵐と凪との下校中に戦闘し、ここに転送させられていたのだから。

 

「たく、嵐達はいないしさぁ、食料はここのをいただいて食うしかないのかぁ」


 夕飯前に連れてかれてこの有様、運動部所属の現役男子高校生には辛い物である。


 「はぁ、腹減った」


 雪兎はそう思いつつ悪魔を倒した時に飛び散っり赤黒く染まった雪の上を歩き敵の基地へと戻る。


 吹雪で閉まったであろう扉を渋々開けると、ちょうど敵が階段を駆け上がって来るところだった。


「いたぞ、雪の英雄だ! 殺せ!!」


 誰が言ったか分からない殺せ!! を筆頭にして雪兎に襲いかかってくる。


「雪の舞 弐ノ型」


空腹を堪えて対集団用の型である弐ノ型を放つ体制へと入る。


霧雪きりゆき


 シンシンと霧のように降り積もっていく雪のように鋭い刃が複数の敵を斬り裂く。


「おいお前ら、俺は腹が減って気分が悪い、だから飯を寄越しやがれ!!」


 斬撃を入れてもまだまだいる敵に苛立ちをぶつける。


「お前なんかにやる飯はねぇ! ここで死んでけ!!」


 誰かがわからないが今の発言にカチンときたようで雪兎は技を出す体制をとる。


(妖力の消費が激しいがしょんない)


 空腹で回らない頭を無理矢理使い手短に終わらせる方法を繰り出す。


「カッチコチに凍りやがれ!」


 刀を鞘にしまい両手をパン! と合わせ妖力を手に凝縮させる。


 側から見たら鋼◯錬金術師みたい、とよく言われる技だが結構使える。


氷虎飛雷(ひょうこひらい)!!」


 技名を叫ぶと床に手のひらを合わせて、白いいかずちがビリビリと周りに散る。

 そして白い雷は虎の姿を模してから敵の集団目掛けて襲いかかる。


 敵のグァーとか悲鳴が聞こえるがただ単に軽く氷に閉じ込めるだけなので雪兎自身罪悪感などないと思われる。


 それよりか雪兎は腹が減ってしょうがない。


「敵はもう居ないかな?」


 雪兎は周りが見る限りこの氷の外にはいないように感じとる。


 階段を降りて食堂と書かれたドアを開ける。


 ガチャとドアを開けた先に人の気配を感じるが、知っている者の気配だとわかり安堵の息を吐く。


「なんだ雪兎か、先週の仕事ぶりだな。まだリミッター付けられてるのか?」


 今問いかけてきたのは黄色混じりの黒髪をした雪兎と同級生、交咲まじさき 雷雨らいう

 雷雨は紅葉組と木葉組このはぐみに属している数少ない祓屋である。


 そんな雷雨は今の雪兎が欲する物を所持していた。


「お、おい、雷雨」


「なんだ、雪兎よ。言ってみるがいぞ」


 グルルルとお腹を少し鳴らして雪兎は痛々しいセリフを時折り吐く雷雨に近づく。


「俺にもラーメン寄越せ!」


 雷雨は食堂(敵の)でジュルジュルと音を鳴らしてラーメンを啜っている。


 雪兎の一言にラーメンを食べていた雷雨はあーハイハイと言いたげな顔をする。

 そして指である方を指してこう言う。


「インスタントラーメンならそっちの厨房にあったぞ」







「プハー、食った食った」


 あれから急いでラーメンをつくって一気に食べほした現在。


 雪兎は食べながら多少雷雨からここの情報をについて聞いていた。


 まず雷雨はこの食堂に雪兎とはまた違う入り口から来たとのこと。

 つまり雪兎が居た施設と違う棟にいたということになる。


 ここが海外(中国とネパール)に跨る世界一高い山、エベレストの霊魔界バージョンだと言うこと。


「……で、雷雨はなんでそこまで情報を知ってるのさ」


 今現在、霊魔フォンは千弦神社に置いてある、ハズっと雪兎は思っていた。

 それはたまたま仕事で来ていた雷雨も例外ではない。

 なぜなら、雪兎と一緒に置いていったはずなのだから。


「え? 雪兎は違ったか?」


 ハテナが雪兎の頭上を覆う。


「俺は捕まった部屋にあったどでかい機械でネットに繋いだらわかったぞ」


 そこに、あ、パスは元々開いてたよと付け足して。


「それよかお前は連絡取らなくていいのか? 俺はもうすでに雷鳥に付けて送ったよ」


 そんな言葉を聞いて雪兎は少し考えた。

 自分の式である奏はなにかやらかしてないか、と。


「俺も奏宛に送っとくか……」

知ってお得、100万倍楽しめ!なぎあら講座☆


現世には政府公認の組織《紅葉組》


そして政府非公認の《木葉組このはぐみ


この二大勢力以外にも魔法組織やSF組織などの団体があるがそれはまたいつか。

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