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凪る嵐に光明を  作者: 雪風風兎
凪&嵐編 第肆幕 レッツGo! クエスト受注
34/47

31 雪兎は虎の中

視点は一時的に日本の地獄から海外であり別の世界である霊魔界へ


【日本 八大地獄】


主人公=火野凪&氷雨嵐


【ネパール・中国 霊魔界】


雪の英雄=雪兎




 なにやら騒がしい住所不明の謎施設。

 そんな謎施設の中にある研究室で少年が一人、横たわっていた。

 少年は動こうとするが拘束具により手足を拘束をされているため、動けない。

 まぁ、こんなものは雪の型の後継者候補であるがため、昔から嫌でも鍛えられている少年からしたらクソでもなんでもないのだが。


 今この状況下、仰向けに寝させられていてかつ拘束されている銀色混じりの黒髪をした少年は耳を澄ませ周りのことを把握しようとしていた。


 そうして少年はよく耳を澄ませると「なぜコイツを連れてきた! やはり実験体は役立たずだと実感するわ!」とか「コイツは紅葉組もみじぐみにいる雪の英雄とやらではないか!」「紅魔刀の持ち主である月の英雄を連れてこいつっただろこの馬鹿!」等少年の耳へと注がれる。

 社会の上下関係はやはりめんどくさいということを理解するような会話ばかりだが……。


 起きていると悟られていない少年は心の中で愚痴をぐちぐちと呟いていた。

 (はぁ……。周りが実にうるさい。寝起きにたいしてこの仕打ち、許すまじ)


 なんとなくの感覚ではあるものの少年の《アーク》である兎のストラップは取られておらず身に付けていることに心の中で安堵する。

 

 (とりあえず拘束これ外して周りの奴らでも潰すか。)


「おんおんおん、貴様らなにしとんねん。そんなに俺を敵に回したいのか、あぁん!」


 拘束の道具を妖力で生成した氷でガチガチに凍らせてから突き破り敵を見下す姿勢をとる。


(とりあえず不良の番長みたいな言い回しで言ってみたが場違いだったか?)


 少年は一通り見渡しただけだが悪魔と一部日本の妖怪がいることが確認できる。

 奴等は少年に向けて銃やら槍やらを向けてきている。


 少年は辺りを確認して、瞬時に《鍵》を使って白魔刀を召喚する。


 そんな少年にたいしてあの手枷と足枷をつくった博士だろうか? 「白衣着を着ているからという安直な考えだが……。そんな悪魔が「お、おい少年」と少年に向かって問いを飛ばす。


 (まぁいいか、時間稼ぎに話に乗っかろ)


「き、貴様はなぜ対妖術ソーサリーキャンセラーの枷を外せた!」


 (そ、ソーサリー……、なんだっけ? まぁ多分、拘束具のことをいってんだろうなぁ)


 少年はバカなりに考えてから正直に体質のことを明かす。

 リスポーンしてから上司にでも伝えろと言わんばかりに。


「あ、ごめんねぇ、俺にさぁ、対妖術道具はきかんのよね、耐性ついてるし」


 (いやなんだろうねぇ、こう封じ込めた敵が堂々と威圧をかけるのはなんか気持ちい感じがする)


 ちょっとSみ溢れたことを思いつつニマニマした笑みを含んだ鋭い目で博士らしき悪魔を見つめる。


「た、耐性だと!?」


 まぁ、そりゃ驚きますよ……。

 紅葉組でも耐性持ちなんて数えるぐらいしかいないのだから。


 それに、妖術が効かないのが一人居るのだけどね。 

 

(対妖術道具に大空の属性がついてなくてマジ助かった)


「そういえばさ、悪魔博士」


 少年は博士らしき悪魔に寝かされていた時に耳にした話しを聞いてみる。


「あ、悪魔博士? わしのことか?」


「そうそう、わしだよ。んでさ、紅魔刀の持ち主連れてこいって、なんだ? お前ら紅魔刀を狙う系の人たちか?」


 刀の先端を悪魔博士に向けて問いかける。

 冷たい圧が悪魔博士にのしかかる。


 まぁ、悪魔博士っていうのは少年が勝手に付けたあだ名なのだけれど。


 (てか昔、……小五くらいだっけ? あいつが死んだばぁちゃんから受け継いでから、ほんと〜によく狙われるなぁ、紅魔刀。天照大神あまてらすおおかみの力が宿ってるからってさぁ)


 「力が欲しい以外になにがあるという! 貴様にはわからんだろ!!」


 悪魔博士は唾を飛ばしながら回答してくれた。


「力が欲しいからってズルしたらつまらないじゃん」


 少年は思ってることを悪魔博士にぶつける、そして一呼吸してから殺気丸出しに話を続ける。

 あ、あと時間稼ぎの方は準備万端らしく少年の足元に線が引かれている。


「まぁ、そんな悪いやつはここで倒さないとねぇ」


 「うるせー!!!」


 少年が話しているのにも関わらず、悪魔らは銃弾の雨を浴びせる。

 周りの連中はこれ以上好き勝手させるかーという勢いで撃ちまくる。


 銃弾の雨が止む、銃弾の雨のせいで辺りいっぺん煙が視界を遮る。

 さっき、少年がいたところより少し離れた場所では「や、やったか?」「この銃弾の中生きてる訳ないよな」と悪魔達はひそひそと話し合っていた。

 けど、そんな言葉はただの死亡フラグにしかならないわけで……。


「なぁ、人が話してる時に攻撃するとか反則じゃんかよぉ」


 煙が引いていき、視界がクリアになる。

 悪魔達の目に見える光景はまさに開いた口が閉まらないといった感じそのもの。


「何故生きている!」


 銃弾を撃っていた悪魔の一人が不思議そうに、ちょっと怯えた表情で問いかける。


「そりゃさ、見てわかんないの?」


「見てわかんないから聞いてるんだろが!」


 少年の回答に一人の妖怪が怒り気味に突っ込む。


「術式を展開してるのもわからないんだね」


 悪魔達はさっきから展開している陣に気づかないでいたようだ。


 “氷虎の陣(ひょうこのじん)


 虎の陣という近距離・・・の防御兼攻撃型の陣を改造した少年オリジナルの遠・中距離対応の陣。


 陣によるカウンターを発動するべく、少年は指をパチンとならす。

 同時に透明になっていた結界が揺らぎだし視覚化される。

 何の変哲もない四角い結界は、やがて水色のような空色のような色合いの虎へと姿を変える。

 そして虎の姿になった結界はガオォー!! と気高く吠えあがる。


 この妖力でつくった陣は敵の攻撃を受け止めてから、その力を倍で跳ね返すカウンター式の陣である。


 敵が先程放った銃弾の雨がただいまーと聞こえんばかりに銀色をした氷を纏いて襲いかかる。

 「グァー」「グァー」と悲鳴をあげながら……。


(こいつら、グァーしか言わないのかよ……)


 いくつかの悪魔は肉体を失って灰になり、いくつかの悪魔は肉体が裂けて血飛沫ちしぶきで部屋を赤黒く染め上げる。


 そう、それはまるで殺害現場のよう。


 肉体を失った悪魔は魂だけになり、壁をすり抜けて世界のどこかに設置してあるスポーン地点へと逃げて行く。


 悪魔に協力していた日本の妖怪はというと銃弾にあたりカチコチに凍っていく。


 時たま「うが」とか「ふが」とか言う妖怪がいてそれを聞いた少年は思わず吹いてしまう。


 「ま、これは全部俺が殺ったことなんだけど」

今回は二本立て! 知ってお得、なぎあらを100倍楽しむための講座☆

雪兎は嵐や白とかにバカバカ言われますがスイッチが入れば冷静に敵を狩れるそうですよ。



そして二つ目は、

悪魔は肉体がやられてもスポーン地点がある基地に魂が戻れば生き返るそうですよ。

因みに魂が消滅すると二度と復活できないそうな。

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