28 公衆電話は?
「……霊魔フォン。……あー、忘れてた……!!」
白に俺が来る前のことを教えて貰い、連絡手段に気付く。
「今頃かよ」
どこかで聞いた言葉にギクっとなる。
「今、お前も俺も霊魔フォンを所持してないだろ」
はぁとため息を吐き、呆れた顔をこちらに向けて来る。
「お前、日曜の事忘れたのか?」
「日曜の事? 地獄に来たのが十二月の二日、月曜。 時系列的には一昨日か」
「あぁ、一昨日の夕方な」
一昨日の夕方、確か千弦神社に東京からと身延から、そして静岡から俺たち二人を含めての計七人が呼ばれた。
それぞれの事情で時間が合わず、顔合わせは出来なかったけど。
確かその時、占い系の妖術を使う子浦がなにか助言だかなんだかしたんだよな。なんだっけな?
「はぁ、子浦が言ってたろ?」
早く思い出さないからなのか、白が口を開く。
「子浦が、なんだっけ?」
ここの記憶だけが思い出せない。なんだっけな?
「霊魔フォンを千弦神社に置いていけ。さすれば近々起きる災難から身を守れるだろう、て話しだ」
そういえばそんな話あったな。けども一つ思い当たることがある。
「公衆電話を使えばよくね?」
そう、こんな街中なのだから公衆電話の一つや二……つ。
いやまて、あったけ、電話? ちゃんと見てないからわかんねーなぁ。
このご時世はケータイ使えば連絡取れちゃうからな。
まぁ、紅葉組は伝書鳩ていう超アナログ方式を使ってたりするが……主に圏外などの電波が届かない場所で。
「そんな顔をするってことは電話がないことぐらい気づいたようだな」
そんな顔ってどんな顔してたんだ? 俺。
「とりあえずこんなもんか? 支度し終わったら教えろよ、閻魔丁に向かうからな」
そう言って白は飲みかけのコーヒーを飲み始める。
なんかゲームのクエスト始まる前のセリフだな、これ。
名前 双葉
年齢 不明
性別 男
属性 自然 水
所属 閻魔拾弐星
階級 十二宮
家族構成 兄
好きなもの 100%オレンジジュース・森林浴
嫌いなもの ピーマン・ブロッコリー・納豆




