27 カフェのテラス席で
嵐が降りてくる何分か前。
秋原にて、のちのち白と小悪魔を引きずって来た嵐が合流するカフェ。
レジで買ったコーヒーを飲みながら、ある手紙を読み返していた時だった。
テラス席の一角、白とその目の前に奏という形で座っている。
ピェェ!! 遥か上空から、俺をめがけて隼が飛んで来た。
その隼は羽に傷があり、足には筒が付いていた。
恐らくこれは雪兎の伝書鳩であろう。
何故分かるかって? そりゃ目の前に座っている奏がキラキラした目をしているからだ。
奏はなにげに雪兎の思いなどが判別できるらしい。(本人曰く愛の力)
コーヒーを軽く飲み、隼を俺の腕に乗せる。
「ありがとさん」
隼に感謝しつつ、筒から手紙を取り出す。
「おい白くんや! 早く読まんか!!」
奏が早く本を読んで欲しい子供の様にうずうずして、机をドンと叩く。
「そう焦らすな、今読むから」
△
「そうか、主人様は霊魔界のサガルマタにおられるのか!」
「サガルマタじゃなくてサガルマータだ、世界の頭という意味な」
はぁ、とため息を吐き奏の間違いを訂正する。
気づけば隼は奏の腕へと移っていた。
サガルマータ、世界の頭は現世だとエベレストのこと。霊魔界と呼ばれる地獄や天国と
また別の次元に存在する妖怪の世界。
わかりやすく言えば妖怪ウォ◯チの妖魔界といったところであろう。
「サガルマータとはどこなんだ」
あせあせとせがむ奏を横目にコーヒーを軽く飲む。
「現世と同じだ、エベレストと言えばお前でも分かるか?」
奏はピクッと眉を動かし、言葉をはっする。
「あれだろ? アジアにある世界一大きな山だろ?」
「分かってるならいいが」
「ふん、私は主人様の元に行く!」
そう言うなり奏は黒い大空へと飛んで行く。
まるで水を得た魚のように。
秋原そこは名前の通り、秋の原っぱにある町である。
八寒と八大の間にあり一年中紅葉が見れる地域だ。
そんな過ごしやすい地域にあるカフェの一角。
そのカフェのテラス席で指笛を吹く。
そして俺の伝書鳩である鷹が俺の腕へと掴まり止まる。
そして閻魔宮殿の蒼炎宛に手紙を出す。なんたって今、霊魔フォン(・・・・・)(スマホ)を所持してないからな。
名前 双華
年齢 不明
性別 男
属性 自然 毒
所属 閻魔拾弐星
家族構成 弟
好きなもの チョコ・クッキー ブリ キス 和食
嫌いなもの 兄弟喧嘩 年下扱いされること




