02 地獄
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誤字脱字が多々ありますので(自覚あり)お気づきになりましたら誤字報告で報告していただくと幸いです。
駅南にある時計の針がカチッと音を鳴らす。時間は四時四五分を指していた。
冬のこの時期、太陽が山へと沈んだ頃。
ぼくの後ろに聳え立つ富士山は、すでに夜の暗がりへと消えていた。
喉が渇いてきたので水筒の麦茶を飲むことにしたのだけど……。
「げぇ、もうないじゃん」
水筒の麦茶がないことにぼくはちょっとばかし不快感を覚える。
まぁ、自分で飲んだんだけど……。
仕方ないっとボソッと呟いて駅近にあるコンビニ「プチストップ」へと足を向ける。
コンビニに着くとすぐに飲み物の売り場に行き、すぐに棚から緑茶をとり出しレジで会計を済ませた。
「ありがとうございました」と店員さんの声を背にしてコンビニを後にする⋯⋯。
♢♢♢♢
現在
コンビニを後にした訳だけど、ここから先の記憶がない。
思い出そうとするも頭を打ったせいなのかなんなのか分からないけどよく思い出せない。
「痛!!」
打ったと思われるところから目が覚めるような電気が体を駆け巡る。
そこへ「誰かそこに居るのか?」と男の人の声が左側の曲がった先から聞こえる。
誰か来た! そう思いぼくは声を出す。
「ここです! ここ!!」と声のする方へと声を出す。
「おう! ここか!」と男の人と思われる人はヒョコっと壁から顔を出す。
それには、姿こそ人間だが、人間ではありえないものが付いていた。
「お、鬼!!!」
そう目の前には鬼、黒髪にツノを生やし背丈が高校生くらいの少年? が立っていた。
「ふざけるな! 俺様は烏の妖だ!」
そう言うと同時に黒い翼がズバーンと広がる。
……なんだろ、改めて語彙力ないのがわかるよ。
で、でも……。
「なんか……エモい! エモすぎる!」
「お、おう、そのエモい? とは知らんがなんか褒められたようで嬉しい気がする」
この烏の妖と名乗る少年? は飛沫と名乗った。
それと地獄では一応、十二宮という名の知れた妖なのだとか言っていた。
ぼくも自己紹介をしてここに居る経緯を話した。
「そうか、お前は現世から来たのか」
飛沫は困った様な顔をして、こちらを見てくるので、心配になり聞いてみる。てか現世って言い方は……。
「えっと〜、どうしたの? そんな顔をしてさぁ」
「えっとな、今は——」
「じ、地獄!!」
飛沫があらかた説明してくれたので要約すると、此処は地獄で今現在は現世との道を百年に一度の大工事をやっている為に出れないこと等。
「ていうか地獄って、ぼく死んじゃってるの?」
ぼくはオロオロしながら飛沫に聞いてみた。
死んでないよね?
ぼくまだいっぱいやりたいことあったのに等ぼくの頭の中は混乱しかけている。
「いやお前は死んでいない、恐らく空間の歪みかもしくは……何者かに召喚されたかだな」
召喚された? なんか異世界ものみたいな展開、いや地獄だから異世界ものでいいのか?
心の中で疑問に思ってると「あくまで予想だ、そこまで信じなくてもいいが」と飛沫が言う。
「まずは……」
ゴクリと固唾を呑み飛沫の話に耳を傾ける。
もしかしたら閻魔大王の所に行くかもしれない、地獄で1番偉い人だし。
まぁ、そんな単純じゃないとおもうけども。
「閻魔大王の所に行こう」
やっぱり閻魔様のとこいくのね。
「だけど、まずは大焦熱地獄の獄卒が住う町、大炎町に行く必要がある」
「大焦熱地獄ってたしか暑くて熱くて炎の地獄の」
中二、地獄について、というか死後の世界について調べたことがあり、少しだけなら覚えている。
「まぁ、暑いぞその格好だとな」
自分が長袖を持っていることにたいして言っているのだろうか?
そもそも下校時のため、制服だし。
そのまま飛沫は話しを続け、「まぁしょうがないか、現世じゃ今は冬だしな」と言ってから「大炎町に行けば半袖ぐらい売ってるだろ」と言った。
「半袖が売ってればありがたい、この格好じゃ暑くって」
さすがに八大地獄は暑いし、しかも自分は冬服だし。
「てことで大炎町に行こー」
「おー!」とノリに乗ってみた。
こうしてぼくたち二人(人と烏?)は閻魔大王のとこに行く為に大炎町に向かうのであった。
知ってお得!! なぎあらをもっと楽しむためだけの講座☆
実は飛沫は烏と鬼のハーフらしいですよ