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泥水のように

作者: さきら天悟

泥水を透明なグラスにすくった。

八分目くらい。

コンクリートの階段に置き、

右手の人差し指で勢いよくかき混ぜる。

グラスの中は灰色の世界。

ぐるぐる、回っている。


かき混ぜるのをやめても、回っている。

ぐるぐると。


その様子を見つめる。

渦は次第に小さくなった。

小石が底にへばりつく。

二個、三個と。

灰色の水は回り続けた。



コーヒーを飲み終え、

グラスのことを思い出した。


透明なうわ水、飲めそう。

グラスはグラデーションを作っていた。


嗚呼、あぁ、

美しい人は先に逝ってしまう。

綺麗なうわ水は天国。

不純な、ごつごつしたモノは、地上にへばりつく。


やりたいこと、

やらねばならなかったこと、

書きたいこと、

書かねばならなかったことを残し。

悔しいだろうなぁ。


寂しいし、悲しい。

家族でもないのに。

他に死んだ人はたくさんいるのに。

でも、やっぱり悲しい。

作品が面白かったから?

新しい作品が読めないから?

良い人だから?

若くして亡くなったから?

でも、そんな人はいっぱいいる。



けれど、やっぱり悲しい。


彼女より1年長く生きている。

無駄に?

書きたいことはいっぱいある。

長編推理小説・・・

乱歩賞ねらって。


旬を過ぎたショートショートネタ、

どんどん沈殿していく。

さくらももこさんへの追悼ショートショート。

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