冠する山
若葉色と深緑色が
バランス良く配置され
赤や黄色が
点在しながら薄く彩る
季節を冠するに相応しい山
在る事を邪魔されず
無い事を拒めずに
本来の役割と
流れ行く雲を眺めている
存在を冠するに相応しい山
飛行機雲が
白い一本線を描いている
簡単に近づけそうだから
目の前まで行けば
険しさが目立ち
自ら選び進む意味を問う
時間を冠するに相応しい山
晴天の昼空に浮き上がり
月光の夜空に
影なる怪物に成る
口実にも旬があるのだろう
心情を冠するに相応しい山