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東方神魔伝  作者: 甘味処アリス
前座編──集まる人々、再開の絆──
6/18

第6話『二代目ウロボロスVS根源の色付け役』

更新にございまする!

今回は終作先生の終始終作、面無し先生の上司さんの回です!

「へぇ。あいつか」


 そう言った終作の視線の先には、2人の人物が争っていた。

 1人は終作もよく知る人物、もう1人は今まで終作も見たことのない人物であった。


 その人物は軽やかに舞う茶髪の少女であり、その美貌は人々の理想を体現するかのような美しさであった。

 振袖に身をまとい、その服も彼女の動きに連動して揺れ動く。


「おーっとぉ。なるほど、僕は根源に色付けはできるけど、根源そのものを作られると厄介だネ」

「黙れ! 2度とあの世界を弄らないと誓え!」

「うーん……ちょっとソレは保証できないかな」


 そう言って、十二面体から剣を創り出し、射出した少女の攻撃を神谷零と同じ姿をした男は躱す。


「いやぁ……流石、この世界の根底、根幹。『ウロボロス』の1人だね!」

「黙れっつってんの!」


 少女は光を超え、神速すらも超える速さでその男に膝蹴りを決める。


「クフッ……いいねいいね! 即席とはいえ僕の城に単身で乗り込み、その上で僕を倒さんとするとは!」

「チッ……!」

「あぁ、凄くいい。とてもいい。君のその能力チカラであれば僕だってタダじゃ済まないからネ!」


 そう言いつつも、男は自分の肉体から鎖を発射する。それは少女を『捕らえる』ことに特化したモノ。根源より産み出される干渉力によって、少女を追い詰める。


「ラァァァアア!!」


 しかし。少女は根源を創り出すモノ。『根源二つ分』の干渉力によって、男の鎖は少女を追わず、やがて朽ち果てていく。


「厄介だねェ……」


 そう言いながらも、少女……二代目ウロボロス、アサルト・ウノが根源から創り出した弾幕を、男は危害を与えないモノへと『着色』していく。


 少女は『創り出すモノ』。

 男は『色付けするモノ』。

 二つ揃って初めて真価を発揮するソレは、どちらが強いのか。──そこに、答えなどないのだが。


「そいやっと!」


 男の放つ数々の弾幕を、少女は根源より創り出された盾で防ぐ。

 根源の中の一つ──無効化は、ありとあらゆる攻撃を防ぐ。


「我が恩寵の彼方より来たる魂。全てを統べる数奇なる怪物よ。汝が真名は『ウロボロス』。我、ウロボロスより命ず──『無限の双腕(アン・リミテッド)』」


 それは空間を切り裂き、神を断ち、また神以外の何かを絶つ最強の力。

 孤高にして宇宙(ソラ)を、次元すらも切り裂き、神をも殺す一撃。その名は『龍の左腕(エメラルド)


 孤独にして銀河(ホシ)をも貫き、破壊し、神をも殺す一撃。アガートラムとも見紛うモノ。『神の右腕(クリスタル)


 根源すらも破壊せし根底に住まう無限の龍神(ウロボロス)の双腕。

 それが、光線の壁となって男に迫る。


「あぁ……今のは本気でヤバかった。死ぬかと思ったね、ウン。流石だ──我が友よ」

「誰が友達だ。お前が死んだ途端全部パーになるのが嫌なだけだ。悪いが、二代目ウロボロス……いや、アサルト・ウノ。ここは引いてくれ」


 彼らの戦闘を止めたのは、終始終作。ただし──その姿は少女の攻撃によってボロボロになり、半分が本体である外なる神、もう半分は化身である終作の姿をしている。


「今は便宜上こうしているが、本当なら俺はこの姿になるのすらもキツい。このまま続けるってんなら──世界の終わりだ。どっかの誰かさん時みたいに、お前らの世界を外なる神が囲うことになる」


 それはいわば、世界そのものを人質にとった脅迫と言って差し支えなかった。

 手を引くか、世界が壊れるか──。


「チッ……そこの外道。あ、強いほうね。あんた、こんどこそウチの世界を弄ったら承知しないわよ」

「あぁ、肝に銘じとこう。僕だって死にたく──なくなくなくなくないからね」

「チッ」


 戯けた男の不真面目な回答に、少女は一つ舌打ちをすると、ビシッと指をさした。


「あぁ、あと。アンタに囚われているあの女の子、解放しなさい。あの子は私たちの部下の友達だもの」

「……ああ、それはそうだね。ウチの部下たちの友達でもあるし」


 そう言うと、男は指をパッチンと鳴らした。


「では、また。機会があったら……もう会いたくないけど、便宜上また会おうと言っておこう」

「絶対会いたくないわね」


 少女と男が軽口を叩きあうと、男の創り出した居城は崩壊し、あとに残ったのは少女と終作だけであった。


「……これからどうする?」

「私は元に戻らなきゃ。龍牙(バカ師匠)が戻らない以上、人員が欠けると大変なことになるし。『過程』が頑張ってるのに私がフラフラしてるわけにもいかないから」


 そう言うと、少女は終作に対して「じゃあね」とだけ言ってどこかへと消えていった。


「……俺も戻らなきゃ霊斗に殺されるな。ギヒッ! 殺されようが関係ねーけどな!」


 終作も少女同様に、消えるように元の幻想郷へと戻っていった。

 ──それを見ていた、終局の魔王とシルクハットの男に目もくれずに。

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