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東方神魔伝  作者: 甘味処アリス
本格編──最後の戦い編──
18/18

最終話『最終戦6』

今回で完結です!

だいぶ急ぎ足でしたが……。

ちょっと見にくい部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

 磔と絢斗が上位次元者を名乗る者に敗北した。

 彼らは、手も足も上位次元者に出せなかった。──否、正確には出すわけにはいかなかった。


 彼らは、その男の顔を自らを作り出した上位次元者の顔であると認識してしまったのだから。

 彼を殺せば、おそらく自分たちの世界も崩壊するはずだ。

 そもそも。上位次元者を名乗る者に対して霊斗やウロボロス達が叛逆している時点で察しているべきだったのだ。


 上位次元者は「省」などと呼ばれる男ではなかったということを。


 そして、顔を知ってなお絢斗や磔は未だ真理には辿り着いていない。

 それが全てではないのだから。


◇◆◇◆◇


 ファラクとウロボロスの衝突の間に、蘇生された想刃やジェンスに霊斗、霊樹の肉体を持つ刀哉とさっきの5人……計9人が神殿へと辿り着いた。


「ふむ。未だ力の差を理解していないとは……。ウロボロスとファラクが今、衝突している。世界の崩壊は時間の問題だと……そう、思わないかい?」

「知るか。俺たちはお前を止める!」


 霊斗の宣言と共に、真っ先に桜と海斗が駆け出した。

 桜の持つ本当の大剣と真紅の鎧を着た海斗の真紅の槍が男に襲いかかる──ことは、なかった。


「お前……!」


 海斗の槍は桜の剣に防がれ、そして弾き飛ばされる。


「お見事」

「あんた……これ、どういうことよ!」


 桜は激昂しながら武器を捨て、技術もへったくれもない拳を男に振るう。

 男はその力を受け流し、流用し、地面に叩きつけた。


「カハッ!」

「どういうことだ……!?」


 霊斗の驚嘆の声と共に、その人はニヤリと笑う。


「くっ……こいつは私の上位次元者よ……!」

「なに……!? いや、でも確かに俺の時は省だったぞ……!?」

「ふふん。まだ分からないのかい。僕は『上位次元者の集合体』だよ」

「なんだと!? だが、それだとそこにいるシルクの説明がつかないぞ?」


 霊斗が指をさしながら指摘する。その人はそちらの方を向き、ため息をつきながら答えた。


「彼には断られてしまったからねぇ……しょうがない。まあ、そろそろ終わりにしようか。そこにいる諸君。みんなで霊斗を殺せば、君たちの世界だけは助けよう」


 その人のその言葉に、諸君と一括りにされた者たちは一斉に霊斗の方を向く。


「……騙されるな!!」


 その次の瞬間。狐の面を着け、光る翼の生えた男が神殿の天井を突き破り、光と共に降臨した。

 その様子はまさに天使の堕天、あまりの美しさに人々はその視線を釘付けにされる。


「我が名は有栖川。そこなる『偽物』に懲罰を与えるもの。まあ、僕だよね」

「省!?」


 霊斗の言葉に、全員が驚愕を体現するかのような顔をしてそちらを向いた。


「なぜ……なぜなぜなぜ! なぜ貴様が、ここに、この場所にいるのだ!? ここはオレだけの神殿、俺の空間、俺の在り処だぞ!! 貴様に入る権利などない!!」

「そりゃもちろん、俺が呼んだんだ」

「貴様!?」


 有栖川の力によって拘束を抜けた上司が、そう宣言した。


「お前らに挑んだ時には、全部終わってたんだよ」


 有栖川が顕現することによって、偽物の上位次元者は人格が崩壊していく。上位次元者の集合体の幹となる人格が、有栖川という本物の登場で揺さぶられているからだ。


「そんな!? じゃあ、僕の、私の、俺の、君の、僕タチの、キミラの、ガン、努力、は無駄、だったのか!? そんな、嘘だ、だって……僕は、オレは、──スだぞ!」

「一時期の上位次元者気取りは楽しかったかい? 3番目の神、ハデスよ」


 その問いを聞き、霊斗は目を見開いた。


「ハデス……なるほど。そして、お前が上位次元者の塊ってのも嘘だな?」

「ああ。奴には『同類』の気配を一切感じないから、そうだろうね」

「ちょっと待て、ハデスでなんでなるほどってなるんだ?」


 シルクの言葉に、霊斗が頷く。そんな霊斗に、あまり追いつけていない磔が問いた。


「有栖川は昔、ハデスの肉体を用いて俺の世界にいたんだ。そして……俺の推測が正しければ、奴を構成しているのは上位次元者の『残滓』だ」


「ククッ……アハハハッ! 正解ダ! そウ、オレはヤツの、ヤつラのざンし! 残リかすだ! だガ、作者ノ一部! オれの干渉にハ抗エなカッただロ?」


 その言葉に、総員が再び武器を構えた。しかし、彼に同情を向ける者も少なくない。


「霊斗。剣を振るえ。そうすれば世界は──救われる」

「ああ。世界創世剣、起動」


 霊斗が手にした剣が、霊斗の言葉に呼応して、光を纏う。それは、この宇宙の世界創世剣。真実の剣。


「磔。君の能力……『絆を繋ぐ程度の能力』で、この場にいる全ての、いや、この宇宙の全てと霊斗を繋いでくれ。彼の肉体は、僕と上司で支援しよう」

「ああ……任せてくれ」


 有栖川の言葉に磔が従い、能力を発動する。


『源造兵器、世界創世剣。使用者の認証を開始──全認証オールクリア。終局の存在を確認。抑止力の統合を完了。執行条件認証完了。過程跳躍完了。結果算出──世界創世剣、終局能力の突破確率、100パーセント』

『外部コンテンツ、絆を繋ぐ程度の能力と、接続します──承認。

終始終作〈次元を操る〉〈全てを見る〉

安倍桜 〈ありとあらゆる術を操る〉

博麗海斗〈回転を操る〉

シルク〈歴史の改変が出来る〉

桐月アルマ〈感情を弄ぶ〉

狼〈風の強弱や発生を操る〉

霧裂想刃〈断ち切る〉

刀哉〈刀剣を司る〉

例外として、仮定義します。上司〈根源を司る〉

また、世界を線を越え、全ての絆を力に変換します。──霊符『希望の仁』に適用』

『世界創世剣、能力突破確率──計測不能』

『危険です、危険です、危険です、これ以上は危険です、危険です、これ以上は危険です』

『限界領域突破、世界創世剣、起動』


「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

ヤメろヤめロやメろやメロヤめロ

死にたくない死にたくない死にたくない

止めて止めて止めて止めて止めて止めて

助けて助けて助けて助けて助けて助けて」


「駄目だ。お前は──やりすぎた」


 全ての心を乗せた一撃が。

 全ての力を乗せた一撃が。

 全ての術を乗せた一撃が。

 全ての絆を乗せた一撃が。


 それは、一回限りの絶対奥義。全ての絆を、想い出を、力を、感情を代償とし──ありとあらゆるものを振り払う奥義。


「あぁぁぁぁぁ!!!」


「『その剣は人衛(ひとをまもる)もの

  その剣は創世するもの

  その剣は遊楽のための

  その剣は幻想と現実を繋げるもの

  その剣は遠方より来る者を迎えるもの

  その剣はとある兄妹のもの

  その剣は龍人のもの

  その剣は完璧な人間のもの

  その剣は海のもの

  その剣はとある兎を中心としたもの

  その剣はとある剣客のもの

  その剣は魔弾のもの

  その剣は人と獣と妖と鬼のもの

  その剣はとある魔人のもの』」


「俺たちの一撃を受けよ──『ソード・ビー・サンク』!!」


 霊斗の世界創世剣が巨大なエネルギーによって伸縮する剣となり、ハデスを斬り裂いた。


◇◆◇◆◇


 私は。ただ、会いたかった。それだけだった。君に、会いたかったんだ、霊夢(ペルセポネ)──。


◇◆◇◆◇


「……ここはどこだ? 俺の名前は?」

「あら、あなた迷い人ね? たまにいるのよね、外の世界から紛れ込んでくる人。ここは幻想郷よ。あなた…….記憶喪失? そうね、あなたの名前は私が考えてあげる」


 そう言って、頭に赤く大きなリボンをのせた少女は暫く考え、そしてこう言い放った。


「霊斗。霊斗なんてどうかしら。決まりね。あなたの名前は──博麗霊斗よ」

皆さま、ご協力ありがとうございました!

今回は要望が無ければ後日談は無しです!

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