第3話『プロローグ2』
今回めっちゃ短いです。
それは、世界を唯一とする大事業。
その根底に潜むのは、何かを恐れる恐怖心。「人類の為」何かを思い描く期待感。
その名は、人類の持ち得る悪性そのもの。人それを──獣、人類悪と呼ぶ。
本来存在しないはずの、100番目の人類悪。司るは、失望。
自身の期待と、それを裏切られることによる諦観、憤怒。勝手に期待して勝手に失望する、そんな傲慢さは「この世界では」人類悪となった。
自らを人類悪としたくない。
しかし、自らの願いを叶えたい。
もう一度だけ彼女に会いたい。その願いを。そして、人類悪となってなお、ソレは願いを捨てきれなかった。
いつの日か、強欲を孕んだソレは、未だに止まることなく蠢く。
自身の願いを叶える。その一点においては、ソレは一切の妥協を許さない。
ソレは、いつしか微睡みの中にいた。
混濁し、朦朧とする意識の中、彼は本来の自分の願いを失った。
ありとあらゆる抑止力を撃破した。
地球の抑止力も、獣たるその身には通用しなかった。
人理の抑止力も、獣たるその身には通用しなかった。
願いを失ってなお、ソレは願いをもつ者らを蹂躙した。願いを叶える者らを蹂躙した。
故に、ソレは傲慢たるもの。
終局能力を持つものを従える、終局の魔神。
──その名は、傲慢の魔神。