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闇のカラス・改訂版  作者: 黒田明人
闇烏1
9/35

 

 勤務地で新人に対する洗礼があったが、オレだけだったから大した事にならなかった。

 気配ありまくりで隠れていた先輩らしき存在を、気付かない振りしたほうが良いのか少し悩み、寝袋丸めてポイッと投げると、それに向かって殴りかかる奴。

 それを冷ややかに眺めてやったんだけど、向かって来るから制圧した。

 そして殺しの経験のままに殺気を以ての尋問に、新人への洗礼と知れた訳だ。

 最初で失敗したので後続はバレバレとなり、なし崩しに洗礼は終了した。


 そして賭けは大穴狙いの隊長が総取り。


 どうにも不真面目そうな隊だが、いざって時に締めるなら問題あるまい。

 でもおっかしいな。なんで空挺部隊なんだろう。しかもここ、まだ訓練所のようなんだけど。

 どうにも正式配属まで時間が掛かるようですな。

 さて、ここで初めて小銃を持つ。重いと思ったけど、5キロに満たない重さ。

 だけど、構えたまま走れと言われると、さすがに腕に来るな。

 朝晩それで往復するのが日課らしく、慣れないとヤバいな。

 そんなこんなでますます専門的な訓練となり、厳しさは日々増していくようだった。


 それにしてもずっと女無しの生活なんだけど、よく皆さん我慢出来るものだ。

 毎晩抜きまくりでの処理もいい加減飽きたんだけど、まだこれ続くの?

 1ヶ月が過ぎた頃、新人歓迎会が隊内で密かに実施された。

 つまり、隊長率いる市街地探索任務で、ある特殊な建物の内部調査という名目で……泡の国への出張となる。

 あくまでも極秘任務なので、他の隊や上の奴らにバレないように集合した。

 なんでもオレの筆下ろしが主目的と言われたが、さすがに中2で捨てたとは言えず、猫を被って殊勝にしていた。

 それでも久しぶりの女である。手練手管を駆使すれば、女はトロトロに蕩けてしまう。


 隊長に何か言われていたようだけど、何かするなら早くしてくれよなと思うが何もやらず、仕方が無いから体力のままに時間まで責め続けた。

 2時間後に出てみれば、半数ぐらいが終わっていた。どうだったかと聞かれたが、久しぶりに楽しめましたと答えてやった。

 それで隊長は作戦のミスを知ったようだが、オレをだしにした今回の作戦がひとまず終わった事を喜んでいた。

 ちなみにと、初回は高校何年だと聞かれたので、中2の秋だと言うと、おいおいマジかよって呆れられた。

 最近の学生は進んでいるって話になり、久しぶりの休暇は終了した。

 けどあの店良いな。あれなら払う価値はあるかも知れない。

 なので今度の休みには延長を足して5時間ぐらい責めてやろうかなと思ってもみたり。

 それはともかく、訓練の日々はきついけど面白く、くたくたになった後の風呂を楽しみに、日々の訓練をこなしていった。


 途中、弁護士さんに連絡し、旅のつもりが何故か自衛隊に入る事になってしまった事を告げ、ここに飽きたら旅に出る予定になったと話す。

 弁護士さんは自衛隊は公務員なので、勤められるのなら続けると良いと言われ、向いていると思うならそのまま続けなさいと言われた。

 ちょっと声のトーンが下がっていたのは気のせいではないと思うけれど。

 それはさておき、女の相手は月に1回という淡白さとなり、毎晩の処理が日課となる。

 その代わりに行けば相手が気絶するまで続けると、オレが行くと相手が居ない有様となる。

 そうやって店を変えながらの勤務も数年が経過し、気付けば周囲は猛者ばかりとなっていた。


 そして成人式を迎え、遂に未成年をクリアする。


 部隊最年少のオレは相変わらずで、新人は今年も来なかったらしい。

 どうやら滅多に補充されない部隊らしく、オレの時は相当に珍しく、なので洗礼やら歓迎会って事になったとか。

 すっかり部隊の訓練にも慣れ、在学中より遥かに鍛えられた感じがする。

 本当は20歳で一度除隊して旅に出ようと思っていたが、新人が来ないから翌年に変更する。

 そうして来ないまま更に1年が過ぎ、とうとう新人が来ないまま除隊の決意を固めた。

 来ないまま継続すると何時まで経っても旅に出られないからだ。

 隊長にその旨を話すが、来年まで待てと言われてしまう。

 なのに来年も新人は来なくて、もう1年待てと……次の年も更に1年待てと……キリが無い予感。


 実は途中で昇格もあったのだが、目的の旅はどうしてもやりたくて、通算10年で除隊すると隊長に報告する。

 旅から戻ったら復隊しろとくどい程に言われたが、さすがに淡白な暮らしはちょっと限界に近いから無理かも知れないとは言えなかった。

 そうして通算10年の自衛隊暮らしをひとまず終わりとし、念願の旅に出る事になる。

 私物を整理して不要品は処分したが、当時のスーツは着れなくなっており、身頃の似た奴に進呈した。

 除隊して町に出て吊るしを購入し、早速着替えて昔のような風体となる。

 27才となったオレの貯金は1億弱。隊の給与が10年で4800万ぐらいで、必要経費で800万ぐらい使った。

 後は元々の2500万と示談金の2500万を合わせた額。月イチのソープ通いがその経費の殆どだったのだが……

 ともかく、これで30才ぐらいまで旅に出る金は出来た訳で。


 いざ往かん欧州へ。


 

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