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それからは何も無く、熟睡して翌日の朝。
モーニングを食って、部屋でのんびりしながらおやっさんに連絡。
国際通話になるが、着払いで良いよね、クククッ。
電話主はハト。
闇烏にしたかったけど、生憎と上司のネーミングセンスに任せるしかなく、男装の時の全体的に白い格好からそう名付けられた。
だけどさ、平和の象徴みたいな鳥なのに、実質的には殺し屋の愛称って全然イメージが合わないんだよな。
まあ、カモフラージュにはなったけど。
それはともかく、現地の状況を説明すると、やれると思っていたとか言うんだけど、何かのテストだったのか。
改めて本当の買主の説明を受けるんだけど、どうやら売りと言うのはテストの話で、出向と言うか推薦と言うか。
相手の名前を聞くんだけど、どうにもかつて知ってた奴がよく使う偽名と同じだ。
そいつは日系ドイツ人のクォーターで、確か所属はフランス特務だったはずだが。
今度の職場はフランスかよ。
フランスのマフィアと言えば、長靴に祖を持つ正統派のアレか。
本場物のマフィアかよ。
この頃からダブルスパイやってんのか。
会うのが楽しみだな、クククッ。
フロントに連絡して隣の部屋を1日借りる。
友人に頼まれたと言って。
荷物を持って隣に入り、元の部屋番号を連絡。
コップを壁に当てて盗聴開始。
ドアにスリッパを挟んでおけば、開けて入る音がする。
無人なのでどっかに連絡をしている様子。
ふむ、襲撃とかそんなんじゃなかったか。
ポケットの中のケータイが震えるから。
キングスで話をすると、何故居ないのかと言われる。
ちょっとした用心だと答えて、部屋を出て隣に入る。
妙に感心した雰囲気で、確かに優秀だと言うが、それぐらいの用心は当然だろ。
紹介先の名を相手が告げて、確認は完了した。
ここは何日借りているのかと聞かれ、1ヶ月と答えておく。
それならと、ここで待つ事になった。
どうやら数日、手待ちになるようで、部屋の期限が来るなら改めて借りるつもりだったらしい。
フロントに連絡し、同じ部屋に泊まる事になったと伝えておく。
オレの変装を見て、本当に日本人かと聞くので、日系ドイツ人のクォーターと答えてやる。
お、動揺したか、まだまだ甘いな、クククッ。
以前でも二流ぐらいだったのに、それの15年前になるんだし、甘いのも当然かも知れん。
年齢を聞いてみると25才だと言うが、そいつはサバだろ。
え、18才? と聞き直してやると、またぞろ動揺する。
そう何度も動揺するなよ。
余りに看破するので正直に話す事にしたらしい。
なので生粋の日本人だと答えておく。
どうやらこいつとペアを組む事になるそうで、顔合わせを兼ねての迎えだそうだ。
そう言う事なら肌を合わせておくかと言うと、そんな趣味は無いと後ずさり。
ほおおお……こいつ、アッチの趣味か、クククッ。
お前、男が好きなのかと言ってやる。
違うから近寄るなと、何だか必死だな。
女だと言っても信じようとしないそいつ。
おっかしいな、年齢と性別は伝えたんじゃないのか。
ああ、こいつには内緒になってるんだな。
中々茶目っ気のある上司じゃないの。
巧くやっていけそうだな。
ならばオレも遊ぶとするか。
チャキッと銃を出して、さあ服を脱げと、殺気をわざと出してやる。
首と手を振るばかりなので、スライドさせてチャンバーに送り込んでみる。
諦めて脱ぐようだが、頼むから抱くのは無しにしてくれと懇願する。
下着になってこれで良いだろうと言うので、シャワーを浴びるのにそれで良いのかと言うと、シャワールームに飛び込んで、中で脱ぐようだ。
よし、乱入してやろうな。
マガジンを抜いてスライドさせて弾を落とす。
手間だけどこれをやらないと暴発すると困る。
よし、オレも風呂に入るか。
全裸になって風呂のドアを開けようとすると、中から必死で閉める奴。
良いから開けろと言い、絶対手を出すなとくどい程に言った後、開けて硬直する奴。
本当にこの身体、抱きたくないとか、アッチの趣味なのか、と言ってやる。
嘘だぁぁぁ……パニックかよ、クククッ。
◇
あれ、何を落ち込んでいるんだ。
ブツブツと言っているのを聞くと、初めてだったのにとか、お前、遅いな、それは。
18でまだとか、まるで日本人だぞ。
仕方が無いからやり方のレクチャーをして、何とか再度の行為となる。
少しずつ慣れていけば良いさ。
翌日も朝から行為。
メシは運んでもらってやりっ放し。
覚えると止まらない、若い本能ってか。
まあ、好きなだけするといい。
ゴムは大量にあるからよ。
そんなこんなで数日後、やっと迎えが来るらしい。
シャワーを浴びて男装メイクに男装の服。
そうやるとどう見ても男だせと。
煩い女に付き纏われない方法は、オレと仲良くすれば良い。
アッチの趣味だと思われるから。
そう言うとケラケラ笑って、それは良いなと。
どうやら迫る女が居るらしいが、おばさんか、おばさんなのか。
オレは4つ年下だからちょうど良いだろうと言うと、あれは本当だったのかって、信じてなかったんだな。
でも、気に入られたようで、これから仲良く任務がやれそうで何よりだ。
迎えは渋いおじさんタイプ。
親父って……ううむ、まさか御曹司だったとは。
仲良くなったかと聞かれ、完璧と答えておく。
つまり寝たのかと息子に聞いて、オレの初めてを奪われたって、おいっ、まだ言うのかよ。
豪快に笑って、精々敷いてやれってお墨付きを頂きました。
さあ、行こうか、相棒。
目指すは遠く欧州の地。
何で行くのかと思えば、クルーザーで沖合いまで行って、そこから豪華客船での船旅だそうだ。
つまり、豪華客船で途中下船して、迎えに来たって訳か。
着くまで船でしようか、なあ、相棒?
◇
それはもう、サルの如く、本能のままに。
親公認の仲になったようで、朝から晩まで元気だね。
そんな中、現地で活動するにはフランス語があると良いが、キングスだけなら覚える必要があると言われる。
そう言う事ならと、フランス語に切り替える。
かなり驚いた様子で、それなら文句無しだと。
あれ、お前、フランス語は?
どうやらドイツ語はいけるが、フランス語はカタコトらしい。
仕方が無いので、ドイツ語で対話する事になる。
これは凄いなと感心されて、息子に教えてやって欲しいと頼まれた。
よし、これからビシバシ鍛えてやろうな。
という訳で、現地に着くまでスパルタ語学教室が開催されたのでした。
行為を餌にすると、非常に効率がよろしかったです。




