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闇のカラス・改訂版  作者: 黒田明人
闇烏2
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23

 

 あれから足取りをわざと少しずつ残しながら北へ北へと移動して、青森で観光をしながら人相学を頼りにお人よしを探した。

 そして見つけた彼と契約をして、長距離フェリーで東京までの同行をしてもらった。

 往復の旅費は車も込みで、それとは別に依頼料も渡す事になっている。


 まずは往復券購入の為に金を渡すが、オレの分は買わない。


 つまり、発覚してもオレはこっそり潜り込んだって事にしてあり、迷惑を掛けない方式として納得を受けてある。

 後部座席には布団を置いてあり、車中で寝るための布団に知らない子が勝手に潜り込んでいたというシナリオ。

 なのでフェリーではうっかり車から降りられず、深夜にこっそりと食事やトイレをする程度で、昼間は車中で過ごした。

 もちろん、バランス栄養食なら車中で摂れるので、特に困る事はなかった。

 後、例の大学生の彼だけど、彼女居ない暦イコール年齢だったので、深夜の車中に呼び出した。

 そうして女の勉強をさせたんだけど、ストライクゾーンが下がったら後の人生がヤバい予感。

 ローションとゴムでとりあえず童貞を捨てさせると、東京観光の目的のひとつが消えたとか言っていたが、タダなんだから文句を言うな。

 てか、非合法ロリとか、普通は味わえると思うなよ。


 そんな訳で依頼料が非合法ロリとの体験でなし崩しとなり、東京到着の夜はモーテルで朝までの行為と相成った。

 すっかりオレの味を覚えた彼は、東京見物の予定を返上し、オレの身体に溺れていく。

 どうやらすっかりストライクゾーンが下がったらしく、養うから青森に連れて帰りたいとダダをこねる。

 どうにも人生狂わしてしまった感のあるお人よしのあんちゃんだけど、そろそろ別れてくんないかな。


 夜の別れ話は物別れに終わり、争いのように見えたのか、裏の方の介入で停止する。


 早い話があんちゃんは脅されて撤退し、オレを戦利品にしようと思ったらしい雑魚に対し、しばらく付き合った先で殲滅したが、その時に雑魚の上司に気に入られ、組織への勧誘を受けたと。


 中卒ぐらいに見えたらしいが、11才と言うと驚いていた。

 そして女と言うのにもな。

 トレーニングのせいか、胸の発育は悪いが、筋肉のせいか少し出ている。

 鳩胸で何とかなりそうなぐらいだけど。

 用心をして夜の友を装着しての行動中、遂にその時が来た。

 痛み止めを飲んでやり過ごしたが、こいつは中々に面倒だな。


 これで遂に狼女になった訳だ。


 月齢に似た周期を持つ、女特有の現象。

 サイトの情報のままに処理をして、経過をノートに記しておく。

 これで安全日が判るというものだ。 

 使用後の品はビニール袋に入れて密封し、纏めて処分の予定。

 これが終わるまでは仕事にならんから、連絡をして数日の休暇を得る。


 6畳1間の部屋だけど、ガス給湯器とコンロがある。

 流し台の下を開けて、分岐させての簡易風呂のようなのを作ってもらってある。

 古いアパートならではの、好き勝手な改装だけど。


 顔隠しでの主に下半身のモデル。


 特殊趣味の奴らは多いようで、そんなのでも需要がかなりあるそうだ。

 1回の撮影で数万になり、たくさん売れたら手当ても出る。

 その代わりに身柄は隠してくれるし、ヤバくなったら西に逃げる手筈もあるとか。

 ここまでになるまでに苦労はしたが、これからは何とかこのままでいけると良いんだが。

 かつてチンピラ5人と幹部を1人潰したが、たくさん稼いで元は取るからな。


 現在の保護者は組織のかなり上の幹部。


 新前の幹部とその手下の、契約未満のやり取りに決裂し、逃がさないとか言うから全員始末してやった。

 その時に上の幹部に気に入られ、現在の状況になったという訳で。

 普段は裏のモデル、いざとなったら暗殺者って訳だ。

 全く殺しに忌避が無く、躊躇いも無い慣れた手つき。


 子供の殺し屋とか、居ても経験年数が違うから、他の奴らとは全然違うらしい。

 大陸には子供の殺し屋とかも居るらしいが、それらと比べても優秀との話だ。

 既に組織の依頼で2人バラしているが、たまの殺しはオレのオアシスだな。


 ◇


 今日は出馬予定の議員候補の殺害の依頼。


 こいつがまたショタらしくて、オレの風貌ならいけるらしい。

 獲物は竹串で構わないらしく、串かつが好物だと伝えてあるらしい。

 本来ならもっと金になるはずが、段取りから何から全てを任せてあるので、取り分は余り多くない。

 料亭の離れでの待ち合わせで、鼻薬はバッチリの様子。

 裏口を開けておくそうで、侵入して顔を見せる。

 すぐさまその気になったようで、覆いかぶさってくるので好都合とばかりに、キスの寸前に耳に串をグサリ。

 ビクンと痙攣して動きが止まったので、座布団を枕にしてあたかも転寝しているかのように転がしておく。

 そして犯行に使った串は専用の処理ケースに収め、串かつを串から抜いて回収しておく。


 残したらもったいないもんね。


 後は速やかに撤収の後、串かつを食べながら帰宅するだけだ。

 うん、料亭の串かつだからさすがに美味いな。

 アパートの部屋で殺しの事を思い出しながら、戦利品の串かつを味わっていく。


 うん、意外と簡単だったな。


 ◇


 数日の休暇の後、裏モデルをやる事になる。


 顔バレ無しでの本番は無理かと聞くので、ゴムさえあれば問題無いと話しておく。

 男優さんとの絡みの開始だ。

 感じているような芝居をやり、ソーセージの中に通した管から練乳が出る玩具を使い、顔に掛けるのが良いらしい。

 いかにも本番をやっているようで、素股なのは内緒だ。

 モザイクの恩恵で、そこら辺りは何とでもなるらしい。

 モデルによっては本当に挿れる場合もあるそうだが、オレは殺しがメインなのでそれはやらないらしい。


 合法ロリの盲腸にも困ったもんだが、代役のほうが人気が出そうとか言われても、オレはメインにはやらないぞ。


 そんなある日の事、合法ロリさんの代役が慢性化する。

 盲腸の手術跡がどうにもネックらしく、表向きはその子で実際はオレという風にするらしい。

 彼女は収入は下がるけどこのままの人気を保持出来るとかで、そこまで不満も無い様子。

 オレは有名になるのは困るので、それはそれでありがたい。

 そして始まる絡みなんだけど、オレの横で感じる芝居をやっている彼女。

 声を出さなくて良いので、オレは楽で助かるよ。

 口パクなオレと喘ぎ声な彼女。

 絶妙なタッグが功を奏し、彼女の人気は下がらなかった。


 こうなると声優だな。


 絶妙なタッグも1年近く続いたが、彼女は田舎に帰る事になった。

 どうやら田舎の声優スクールに入り、本格的に声優の道に進むらしい。

 喘ぎ声をやってるうちにその気になったんだな。

 二十歳の転機とか言ってたが、田舎の親に見合いでも勧められたんじゃないのかねぇ。

 まあそれは他人の事だからどうでも良いが、またしても静止画でのモデルに戻った事になる。

 しばらく地味にやってたが、ある時変な殺しの依頼を請ける。


 そんなのゴルゴルさんの仕事だろって依頼。


 まあ、ゴルゴルさんは架空の存在だから仕方が無いんだろうけど、本当は他の人員の予定だったとか言うけど、ガキに言う前に人員はどうなのかと思ったが、どいつもこいつも腕前以前らしく、どうせ育成するなら若い方が良いとの事で、オレに白羽の矢が立ったのが顛末らしい。

 外部依頼にするには信用出来る狙撃屋が居ないらしいのと、この際だから育成しようという企画もあり、今回の依頼になったとか。

 そんな訳でまずは自由に撃ってみろと言われて1箱渡されたので、昔取った杵柄とばかりに撃っていく。


 習うより慣れろの精神らしい。


 実はこれは全ての組織員に既に行った方策で、どいつもこいつも才能の欠片もなく、唯一ましだった奴が今練習をしているが、300メートル以上先の的にはまともに当たらないらしい。

 ターゲットは500メートル先でしか狙えないので、500メートルでは百発百中が望ましく、念の為に700メートルでの好成績が欲しいとの事。

 そうなって初めて狙撃手としてデビューになるようで、唯一ましだった奴はそれを目指しているらしい。

 しかしな、もう普通に当たるようになったんだけど、依頼はどうすんのかな。


 あれ、そんなに落ち込まなくても……


 たまたま陸自で使っていた狙撃銃だったからさ、すぐに思い出しただけだぞ。

 まあ、風読みは勘とセンスが必要だから、向いてないのかも知れないな。

 そんなこんなで試験と言われ、コンスタントに当たれば合格となり、そのまま本番スタートとなる。

 まさか即日でモノになるとは思わなかったと言われ、こんな事なら最初にやらせておくんだったと言われた。

 どうやら組織員全員の無駄弾がかなりの量だったらしい。

 それはともかく、狙撃場所まで車で連れていかれ、双眼鏡で共にターゲットの確認をする。


 ふむ、あの赤い服を着た女か。


 推定距離は600メートルが近いが、これ以上近くだと逃げ辛いとの事。

 なので身構えて慎重に狙っていくが、どんな相手かは聞かないほうが良いようで、オレも別に知りたくもない。

 さて、風よし、天気よし、心鎮めて、息を吐きながら、滑るように……ワンショットクリア……撤収だ。

 ふうぅぅ……と息を吐けば、ご苦労とねぎらいの言葉。

 そのまま車は高速に乗り、一路組織の根城に向けて走り出す。

 どうやらあれ以上近くで狙う為には、車から降りて近づく必要があり、逃げるのに走って車までとなるので慌しいらしい。

 ともかくも、よくやってくれたとのお褒めの言葉をいただき、特別ボーナスを獲得した。


 今夜はご馳走だな。


 あの時の狙撃銃はオレ専用となり、彼はめでたくも狙撃員をクビになった。

 いくらやっても命中率が上がらず、無駄弾がもったいないかららしい。

 本当ならアドバイスしてやっても良かったんだけど、こんなガキの言葉じゃ信用に足りないと思って言わなかったけど、あいつって撃つ時にやけに殺気を漲らせるんだよな。


 けどさ、狙撃に殺気は邪魔にしかならんよ。


 それが消せないと命中率は上がらないんだけど、教える筋合いは無いよね。

 オレはマネキンの頭を狙うつもりで撃っているんだが、気分は縁日の射的だな。

 変に構えると命中は落ち、リラックスすると上がるって代物だ。

 オリンピック選手が殺気を撒き散らしているかよ。 

 後半年で14才か、この職場もかなり慣れたな。

 このままやれたら良いんだけど、また転職になりそうな予感もある。


 さてどうなるかねぇ。

 

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