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闇のカラス・改訂版  作者: 黒田明人
闇烏2
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20

 

 街から郊外向けのバスを待ち、乗り込んで座席に座る。

 この年齢だと単独は何かと注意を引くが、エアピアノで誤魔化すのは習い事の時の習性。

 もちろん教本を手に持っているので、習い事なのだと分かるようになっている。

 知名度の高いクラッシックを鼻歌で歌いながら、エアピアノは絶好調で指を走らせていく。


 ふんふふふーん、ふんふふふーん。


 調子に乗ってエアで弾いていると、妙に注目を浴びてしまう。

 しまった、逆効果だったか、参ったな。

 仕方が無いので教本を仕舞って寝た振りをすると注意がそれる。

 やれやれ、最初からこうしたかったんだけど、あの興奮を表現するのについエアピアノをやっちまっただけの事だ。

 それでも結婚行進曲はちょっと違ったか。


 殺しの後に弾くような曲じゃないよな、クククッ。


 それはともかく、今生初の殺しを思い返すが、緊張と達成感でゾクゾクしたぜ。

 前回は15才だったが、今回は8才か。

 鍛えておいて良かったと思うが、この体格じゃギリギリだったな。

 さすがに実戦経験の差だとは思うが、まさかここまでやるとは思わなかったのが敗因だろう。

 日本人のつもりで相対したのが君達のミスだよ。


 それにしても、かなり持ってたな。


 身分証明とかは足が付くから置いて来たが、日本円を意外と持ってて助かった。

 3人合計で200万近くあるが、これだけあればかなり潜伏は可能だろうが、成人はまだまだ先の話だな。

 一般的に行方不明は7年なので、成人になるか行方不明で死亡扱いになるか、どちらが先か分からないぐらいか。

 どのみち戸籍が無ければ裏をのたくるしかなく、家出人の末路はどのみち裏社会へと辿り着くものだ。

 郊外のコンビニ前で一度バスを降り、トイレを借りた後で保存食やら飲料やらを色々と買い込んでおく。

 こういう店を使うと足が付くのは判るが、食わないと生きれないのが人間なので、開き直ってリュックの中に詰め込んでおく。


 バス待ちの間に買ったパンを食べ、イチゴミルクな飲料を飲んでおく。


 トイレに行く前に2000円前後、出た後で2000円前後、色々物色して2000円前後という風に、小分けして買ったけどカモフラージュになっただろうか? 

 まだまだ足りないが、この年齢ではこれ以上の買い物は記憶に鮮明に残してしまうだろう。

 客の合間のバラ買いで、従業員を違えてみての作戦だけど、所詮はコンビニのレジなので、それぐらいしかやれなかったとも言える。

 理想は過疎の村だが、そう都合良くそんな場所があるはずもない。

 やはり特殊な趣味の奴を利用するしかないか。


 ◇


 次の街の繁華街でバスを降り、茶色と金と銀の毛染スプレーを買う。

 後は女物の服と下着とか色々買う。

 高かったけど金さえ払えば問題あるまい。

 保護者云々という話になったので、仕事中だと答えたうえで、実は付き人なんですけど、うちの姫さんが仕事でトラブって、水浴びになったので着替えを急遽買う事になりまして……こんな話でやれるかな。


 自分と身頃が似ているので、たまにこういう買い物を頼まれるんです。

 もっと有名になってくれると、ボクも嬉しいんですけどねと世間話をする。

 下着まで買う理由として、撮影の時に池に落ちちゃって、下着から何からずぶ濡れになったのでと言って誤魔化してみる。

 そうして支払いは終わって領収書に、あの芸能事務所の名前を書いてもらう。

 調べれば実在の事務所だと判るはずだが、そんな付き人の事まで問い合わせたりは普通しないものだし、名前も知らない付き人の事とかを部外者に簡単に教えるはずもないだろうから、恐らくいけると思うんだけどな。


 ちょいと荷物が増えたが、後で整理するか。

 次に行くのは特殊な趣味の奴向けの店。

 引き篭もりじゃ困るから、来店するような奴が良い。

 人相と相談しながら、いけそうな奴を探す。


 候補を発見してそれとなく接触。


 車を持っているようで、移動の足は確保だけど、交渉に乗ってくれるかどうかは五分五分だろうと、彼の車内で交渉してみる事に決めた。

 まずは財布を落としたから、家まで乗せて帰ってくれないかと頼んでみる。

 それぐらいなら良いよと、軽く受ける奴に好感触。

 走りながら話を聞き、独り暮らしなのを知る。

 年齢は32才で夜勤の多い仕事らしい。

 彼女はと聞くと、居ないよと言われる。


 家に帰る前に1晩泊めてくれないかと聞いてみる。

 ベッドが1つしか無いからなぁと言うが、ソファでも良いからと。

 まあ、何とかしてみるかと、承諾を受けた。

 中々お人好しな感じで、人相学も意外と役に立つ事を知った。


 車は郊外に向かって走る。


 どうやら一軒家に住んでいるらしい。

 新興住宅地に親が建ててくれたらしく、中々裕福なのを知る。

 しかしこいつ、男だと思っているんだろうな。

 あんな店に入るぐらいだし、恐らくオレはストライクゾーンのはずだが、それを知ったらどんな反応を見せるかな。

 風呂を借りて身体を洗い、下着を付けて服を女物に変更。


 リビングに行くと、派手に驚く男。


 やっぱり男と思っていたねと言うと、びっくりしたらしい。

 まあ、今は髪の色も黒に戻ってるし、服も女物だ。

 別人みたいに見えても不思議じゃないが、そう及び腰になるなよな。


 改めて聞こうか。

 ボクの身体、興味無い?


 ゴクリと音が聞こえたが、手を出す勇気は無い様子に、イエス・ロリータ・ノー・タッチかと聞いてみる。

 規則を守る奴か、ますます好都合だ。

 そんなの知るかって奴は、こっちが主導権を握れない。

 手を出さないのを身上にしている奴は、誘惑すれば下僕も可能だ。

 バレなきゃ良いんだよ、バレなきゃな。

 なので、家から出ないのでここに置いてくれと頼んでみる。


 まずは当然断るよな。


 明日には家に送るから、ここで寝てくれと客用の布団。

 今はおとなしく従うが、計画は順調だよ、今のところはね。


 男も風呂に入り、夕食は出来合いの物で済ますらしく、こちらも手持ちがあると言ってそれぞれ食べる。

 どうしてこんな事をしているのかと聞かれたので、モデルになりたいのに親が反対したと正直に話す。

 君ならなれそうなのにねと言われ、仮契約で親の同行を拒否されたんだと話す。

 スカウトを受けたのか、ならもったいないよねと、中々に話を合わせて来る様子。


 顔バレしなければ問題無いから、裏サイトに画像を売る手もあるんだが、やってはくれないかねぇ。

 まあそれは主導権を得てから考えるか。

 色々話してあくびをすると、もう寝るかいと聞かれたので、うん、と答えて服を脱ぐ。

 うわわっと後ろを向くが、減るもんじゃなし、これぐらいはサービスだよと言ってやる。

 おずおずと振り向いて、いきなり竿が屹立する。


 うん、真のロリコンだ。


 それ、鎮めなくて良いの? と聞き、ポーズを取るから鎮めなさいよと。

 我慢出来なくなったのか、そそくさと準備を開始した。

 ティッシュを何枚か用意して、竿を包んでシコシコシコ…………

 こっちを見ながらしなさいよと、下着を外すと途端に痙攣する。


 えらく早いな。


 結局、男は抜き、女はポーズをとる。

 余す所なく見せてやり、自慰はひたすら継続した。

 どう? こんな生活、毎日やりたくない?

 バレたら終わりだからねと、まだまだ勇気が足りないか。

 どのみち結婚は無理そうだし、バレるまで好きに生きたほうがお得でしょと、更なる誘惑をしてみる。


 しばらく考えていたが、それもそうだなぁと、揺れている揺れている。

 実家は隣の隣の県だから、そう簡単にはバレないし、外に出なければ問題無いでしょと言って安心させる。

 それなら何とかなるかも知れないねと、ここに契約が成立した。

 リュックには触らない事を約束させ、オレ用の部屋も用意してくれる。

 そしてノータッチはそのままで、自慰の時のモデルをやる事。


 その代わりにメシは食わせてくれると。


 箸とかを買うと発覚するので、食器はドンブリと割り箸にしてくれと。

 成程、確かにそうだねと、色々と計画の骨子を決めていく。

 とにかく、子供用の用品は絶対に買わない事。

 そして肝心なのが、あの店には時々で良いから行く事。

 いきなり行かなくなったら、需要を他で満たしたって事だから、宣伝しているのと同じだ。

 なので変わらない生活の中に、2人の生活を混ぜようねと。

 計画は決まり、とりあえず初日は別れて眠る。


 これも一種のハニトラなのかな。

 

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