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闇のカラス・改訂版  作者: 黒田明人
闇烏1
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 中2の夏休み。普通であれば男友達と遊びや女友達とのデート、そういうものに費やすものだろう。

 だがオレは昼間は図書館、夜はバイトをした。

 オレは小学生の頃から老けていると言われ、中学生ぐらいには見られていた。

 それが中学に入って顕著となり、軽いメイクで高校生かそれ以上に見えるようになった。

 そうなれば夜のバイトもやれそうに思え、夜遊びと称して繁華街のある店でバイトする事になる。

 マネージャーはオレの年齢を知って断ろうとしたが、最初は皿洗いからで構わない。バイト額もそれなりで構わない。

 バレたら知らなかったで通してくれと、と強引に頼み込み、試験期間1ヶ月は様子を見ると言う事で、夏休みの間だけの暫定バイトとして納得してくれた。

 幼い頃からの芝居は既に熟練の域。今更バイト如きで崩れるはずもない。

 女の色香に惑う事もなく、ちょっかいも軽やかにかわしていく。それでいて頼みは大抵の事は聞いた。

 タバコを買って来てくれとか、買出しに行ってくれとか、そういう個人的な用事も進んで受けた。

 厨房での仕事も真面目にこなし、料理の作り方も見て覚えた。


 そのうち、夏休みも終わりに近付き、ちょっとしたつまみぐらいは作れるようになった頃、マネージャーはオレの継続を決めた。

 どうやら大人の従業員が来なかったらしい。それにオレの見た目も、スーツを来てうろつけば、それなりに見えるという理由もあったとか。

 秋になって修学旅行の季節になるが、オレは旅行はパスした。旅行に行くと家を出て、そのままバイト先に入り浸ったのだ。

 マネージャーに訳を話し、4日間、仮眠室での寝泊りを許可してもらい、帰る日に何食わぬ顔をして家に戻る。

 当然、教師から連絡が入っており、オレはこっぴどく叱られる事になった。

 そういえば、小学の修学旅行も、行った先で自由行動を勝手にやり、旅館に置手紙を残しての別行動をやらかしたんだった。

 結局、オレは図書館で見つかり、当時の教師達に派手に叱られたのを覚えている。

 それから団体行動になりはしたが、オレはずっと本を読んで過ごした。

 まるで旅行に興味など全く無いと主張するように。

 バスから降りる事もなく、降ろされても本を読みながら名所を巡り、自由行動はバスで本。

 朝からの自由行動は図書館と。


 なので何処に行ったのか覚えていない。

 写真にもオレの姿は殆どなく、本を読んでいるのが数枚あるだけだった。

 そんな物を買う気は全くなく、写真部の奴と険悪になったりもした。

 その時は肖像権の侵害と言ってやったからであるが。

 そんなオレが中学でまともに修学旅行に行こうなどと思うはずが無い。

 すっかりグレたと思い込んだ両親は、その頃から弟に期待するようになったように思う。

 自分に期待が移ったと知った弟は、それを逃すまいと親の期待に答えようとする。

 オレは相変わらずの日々で、ますます弟主体の生活になっていった。


 深夜バイトは割りが良く、数年勤務となれば店の奴らとも馴染みとなる。

 やはりそこでも芝居だったのだが、それを本気に取った女がいた。

 そいつはアラサーのホステスで、ちょっとショタっ気のある女のようで、当時中学だったオレにずっと親切にしてくれていた。

 その下心には気付かぬ振りして過ごしていたが、中2の夏休みに女のマンションにお泊りをした。

 早い話が、泥酔したそいつを抱えて家まで送った時、抱きつかれてそのまま筆下ろしになったという訳だ。


 それから、店には内緒で時々お泊りするようになり、親は友達の家に泊まっていると思っていた。

 あいつは中学の若い身体を存分に味わい、オレはまだ翻弄されるばかりだった。

 それでも中3になる頃にはそれにも慣れ、毎日のトレーニングのせいもあり、逆に翻弄するまでに至る。

 女に教わったテクニックの数々を用い、週末には女を喜ばせる。そんな、世間には言えない関係が続いていた。

 学生は小遣いも少ないだろうと、女はオレに貢ぐようになり、小遣いと称して毎月十数万受け取っていた。

 高校は隣の県の三流高しか狙えない学力に留め、親と教師の面談でもそこしか無理だというお墨付きを得て、その高校に進学する事になる。

 三流高と言ってもそれは学力平均の事であり、学校施設は充実していた。


 少なくない入学金と授業料。


 親は負担すると言ったから素直に出させ、学生マンションを借りると言う事で毎月、生活費と合わせて15万の仕送り。

 バイトが12万、親が15万、女からは18万。つまり、毎月の収入は45万となっていた。

 もちろん住むのは女のマンションであり、そこから高校まで自転車通学をした。

 早朝のトレーニングは自転車通学となり、毎日5時起きで隣の県まで通った。

 女はそこまで自分を好いてくれると思ったのか、毎月の小遣いも高校生だからと上乗せし、オレが家事の真似事をしたりするので25万に増えた。

 女の収入は40万ぐらいなのに、その半分以上をオレに貢いでいたのである。

 オレはその金の殆どを貯金に回し、将来の糧とした。

 学校ではサボりと称して図書館に入り浸り、相変わらずの学識の収集に余念がなかった。

 タバコは好きじゃなかったので、酒の話で誤魔化した。


 女の話は初心な振りしていたのだが、地味な高校生活の中でもやはり友達芝居は続けられ、悪ガキっぽいのが数人出来た。

 ただ、付き合いの悪い奴という評価は仕方が無く、学校が終われば自転車で即座に帰らなければバイトに間に合わないからである。

 朝と夕方の3時間の自転車通学。

 最初の数ヶ月は確かに3時間だったが、3時間を切るようになり、2時間半すら切るようになり、遂に2時間すら切るようになる。

 手足は更に太くなり、スタミナの関係か夜の生活もより濃厚となり、女のほうが先にダウンするようになった。

 女が熟睡した後で、腹筋や腕立てをするようになり、それに深夜のランニングが加わるようになる。

 昼間の授業中の睡眠で保たせるようになり、夜はバイトの後の行為とトレーニングに費やされるようになる。

 学識の向上は休日のみとなり、相変わらず女と外出する事もなかった。

 女はオレが早く成人する事を望んでいたが、オレはそこまで付き合うつもりはなかった。

 

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