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海の焦げた跡

最善たる隠蔽

作者: 海之本

これが最後だとすれば

あなたへ告げると思いますか


いいえ


決してそのようなことはないでしょう


傍にいてほしい

だとか

声が聞きたい

のだとか


言ってしまえば

忍んだ想いが

解き放たれることでしょう

待ち焦がれた一瞬

なんという報いでしょうか


しかしそれは

私の側の

利己的で

近視眼的な

愚かさでしかありません


あなたは

必ずや

その手で受けとめることでしょう


そして

どうするのでしょうか

応えますか?甘んじますか?


いいえ


はっきりとした答えが

その口から放たれるでしょう

同時に

木漏れ日のような温かな心を

傷つけ 恐れさせ

悩ませることでしょう


あなたは誠実なる

誠なる人だからです

偽りも 誤魔化しもなく

純真たる心のままに

きっと

私を諌めることでしょう

正しい方向へと

私の手を引き

連れていくあなたの背中に

私はまた想いを深めるのです


ならば

あなたを幸せにするためなら

どんなことでも成し遂げてみせようと

誓ったこの私

この私自身が

あなたを悲しませることがあってよいでしょうか


いいえ


ですから

私はこの想いを

呑み込むのです


あなたの為だとする

私の独善的な最善を

どうか

これからも気づかないでいてください

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