二度目の出会い 【挿絵】
俺は小さい頃から公園で遊ぶのが嫌いだった。なぜなら遊具で怪我をするからだ。
――ハッ
「どこだここ…?ッ!」
俺は体を起こそうとしたが体を走る痛みによって起こすことは出来なかった。
「まだ無理をしてはいけません!右肩に矢が刺さっていたのですよ!」
「ハハッ、レアもたまには俺の心配してくれるんだな…、…!?」
冗談交じりに話しかけた俺は驚いた。相手がレアじゃなかったからだ。通りで優しいと思った。
「金色の髪…」
思わず口走ってしまうほどその少女の髪は美しかった。
「レアさん?ではなくてごめんなさい。あなたと一緒に警備(?)をされていた女性はそこで休まれていますよ」
目線を向けた先にはソファで熟睡しているレアの姿があった。もしかして俺の介抱を…?
「お疲れだったようで昨晩からずっとあの様子です」
よし、決めた。あとで殴る。
「昨晩は申し訳ありませんでした…。鍵を締め忘れた扉から愛犬が外に出てしまって、私が連れ戻しに行ってしまったばっかりに…」
なるほど、夜にあんなところに居たのはそういうわけか。
「まあよかったよ、君に怪我がなかったみたいで」
「良くはないです!」
身を乗り出して否定する。あまり近づかれると緊張してしまう。
「あなたが…ワタルさんが怪我をしているではありませんか!」
「あれ?なんで俺の名前…」
俺は街であった盗難事件のことを思い出す。
「君はあの時の…」
「はい、自己紹介が遅れて申し訳ありません。私はエレナです。」
確認する必要がないことをあえて確認してしまう。
「ははは…、エレナのお父様ってもしかしてその…」
「はい、私の父はこのアルスター帝国の…」
「国王です」