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ありすとてれす  作者: 春乃
82/259

82話 映画館はどこ?

 駅から出て、わたしとてれすは目の前に見えている大きなショッピングモールへと向かう。ショッピングモールはこの信号を渡ればすぐだ。信号が赤から青に変わるのが待ち遠しい。

 隣のてれすがショッピングモールを見上げながら口を開く。


「でっかいわね……」


「そうだね。あ、青になったよ、いこ?」


「ええ」


 てくてくと信号を渡って、入口へと向かった。さすがに平日なので、駐輪場も空いているように見える。休日だったらものすごいことになっているだろうから、今日がお休みでほんとによかった。きっとてれすはそういったのは好きじゃない。まぁ、人ごみが好きな人はなかなかいないと思うけど。


 自動ドアからモールの中に入る。天井がすごく高い。エスカレーターで上の階に行く人たちがいるけど、わたしもてれすも常連さんではないので、どこに何があって、現在地もわかっていない。だから、とりあえずモールのマップを見ることにした。

 入口の近くにあった全体図を見ながら、わたしは「うーん」と唸る。


「えっと、いまどこ……」


 目を凝らしていると、一緒に見ていたてれすが指を差した。


「ここじゃないかしら」


「あ、ほんとだ」


 現在地がわかったので、続いて映画館の場所を探す。すると、またしてもてれすがさっと指を差した。


「ここじゃない?」


「そうだね。てれすすごーい!」


「い、いえ、別にそんなこと……」


 てれすはほっぺを朱に染めて、照れたように目線をそらす。こんなに早く見つけられるなんて、すごい。さすてれだ。てれすの見つけてくれた映画館は、ここから真逆の方向の4階、対角線上にあった。


「いこっか」


「ええ、そうね」


 すぐ近くにあるエスカレーターに乗って、上の階へと昇っていく。エスカレーターだから、4階まで昇っていると、途中にいろいろなお店が目に入る。洋服屋さんとか雑貨屋さんとか、他にも様々なジャンルのお店があるみたいだった。

 4階にやって昇り、わたしたちが来たところは食べ物屋さんが並んでいるところだった。どうやらこっち側はご飯系のお店で、反対方向に映画館があるらしい。

 その様子を見たてれすが、少しだけ声を弾ませて言う。


「いっぱいあるのね」


「うん。どこで食べるか迷っちゃうね」


 ざっと見ただけでも、10店舗はありそうだ。そうはいっても、今の目的は映画館なので、ご飯屋さんには背中を向けて映画館へと向かう。歩いて少しすると、シネマの文字が見えてきた。薄暗い外観、やっと目的地にたどり着いた。


「やった。着いたね」


「ええ。時間は大丈夫かしら?」


「うん、大丈夫みたい」

 

 スマホを見て、現在の時刻を確認すると11時。入場開始時間を考えると、いい感じの時間に着いた気がする。これもてれすがマップでさすてれしてくれたからだ。


「てれすがいなくてわたし一人だったら、時間に間に合わなかったかもしれないね」


「そんなことないわよ。ありすならきっと大丈夫だったわ」


「そうかなぁ」


「ええ、そうよ」


 てれすがそこまで行ってくれると、なんだか不思議と自信が出てくる。たぶん、わたしは一人だったら適当な店員さんとかに聞いて、映画館まで来たと思う。


「それじゃ、映画にレッツゴー!」


 


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