表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありすとてれす  作者: 春乃
43/259

43話 美月の用事

 教室の外には、後輩の美月みつきちゃんの姿があった。いったい何事だろうか。


「ごめんてれす、ちょっと行ってくるね」


「…………ええ」


 てれすに断りを入れてから、わたしは美月ちゃんのところへ急ぐ。

 わたしが近づくと、美月ちゃんはほっと息をはいて、少しだけ笑顔が戻る。まぁ、先輩の教室ってすごく緊張するよね。


「どうしたの…………?」


 わたしが訊ねると、美月ちゃんはおずおずと口を開く。


「あの、別にすごい用事とかじゃないんですけど…………」


「………?」


「勉強、教えてほしいんです………。テストのところの…………」


 美月ちゃんは申し訳なさそうに小さく言う。

 テスト前だから、復習ってわけね。なんて偉いんだ。


「うん、いいよ」


 特に断る理由もないので、わたしは二つ返事で承諾する。しかし、一つ気になることが。


「でも、なんで今? 放課後とかでもよかったんじゃない?」


 勉強といっても今すぐにするわけではないし、なにより美月ちゃんはお昼ご飯をまだ食べていないはずだ。そんな中、どうしてお昼休みに尋ねてきたのだろう。いや、別に嫌とかそんなんじゃなくて。


 わたしの言葉を受け、美月ちゃんは一瞬ちらっと目線を教室の中に向ける。てれすがいた。


最上もがみ先輩、最近帰るの早いから声をかけられなくて………」


「え…………」


 美月ちゃんに言われて自分でもちょっと驚いてしまったけど、よくよく考えてみると、最近の放課後はすぐに帰っている。

 …………てれすが帰りたい帰りたいと言うからであるのだが。


「それに、休み時間とは話しかけようにも高千穂たかちほ先輩なんだか怖いし………」


「そうでもないんだけどなぁ…………」


 前にも美月ちゃんはてれすが怖いって言ってたなぁ…………。

 話してみると全然怖くなんてなくて、むしろ優しいと言うかおもしろいというか、楽しい。

 まぁ、遠くから見てるとたしかに怖い、近づきがたいというのはあるかもしれない。サボり魔だし。


「最上先輩が仲良くしているから、悪い人ではないってことはわかるんですけど………」


「無理せず、ゆっくりてれすとも仲良くなっていけばいいよ」


 と、いけない。あんまり長いこと話していると美月ちゃんもわたしもお昼ご飯を食べられなくなってしまう。


「じゃあ、美月ちゃん。今日の放課後でいいんだよね?」


「はい、放課後図書室でお願いします!」


 美月ちゃんは大きくうなづく。

 それから、時間がないと気づいたのかペコリとおじぎをして、急ぎ足で自分の教室へと戻っていった。


 わたしもハンバーグととりからの続きを食べようと席に戻ると、すぐさまてれすがわたしに訊ねる。


「…………なんだったの?」


 そういえば、てれすは美月ちゃんと面識はないんだっけ。


「今日の放課後、勉強教えてって」


「…………そう」


「うん」


 ……………?

 なんだろうか。

 なんかてれすの反応にいつもとは違う感じがした。………気のせい?

 うーむ…………。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ