41話 近づく中間テスト!
休日が終わって月曜日。中間テストまであと一週間ということを除けば、いつも通りの学校である。
それはてれすも同じことで、いつものように授業は寝て過ごしていた。もちろん、宿題はやってきていない。これでテストは完璧なのだからもはやさすてれとしか言いようがない。
そして4時間目。わたしの隣ですやすやと気持ち良さそうに眠っているてれすに、先生が黒板の前から注意をする。
「高千穂さん、起きなさい?」
「………………」
が、てれすさ寝ているので先生のその声は届いていない。そんなてれすを見て、わたしは「さすがだなぁ」と苦笑を浮かべる。
先生はまったく反応のないてれすに諦めたのか、ため息をついて授業を再び始める。
それから数分。先生の板書に一区切りつきくと、振り返った先生がいまだ夢の中にいるてれすに目を向け、再び注意した。
普段だったらここまで注意することはないだろうけど、テストが近いとあって、いつもより少し厳しめだ。
「高千穂さーん? テストも近いのよ?」
それでも起きないてれすを、わたしはもはや関心の目で見つめて視線を黒板に戻す。すると、先生と目がばっちり合った。
あ、これはわたしにてれすを起こせと言っている…………。
先生のアイコンタクトによる圧力を受け、わたしはてれすの肩を突っつく。
「おーい、てれすー」
「…………?」
わたしに突っつかれて、もぞもぞとてれすが起き上がる。それから周りの視線が自分に集まっているとこに首をかしげた。
「高千穂さん、顔でも洗ってきなさい」
「…………はーい」
てれすが起きるのを待ってから先生がそう言うと、てれすは素直に立ち上がり、ゆらゆらとおぼつかない足取りで廊下へ向かう。
まだ完全に目覚めていないのか、その背中にちょっと心配になる。
「はぁ…………。それじゃ、授業を続けます」
先生が授業再開を告げ、みんなの目が黒板に向いたそのとき。
ガンッ!
と大きな音がして、一斉に音のほうに振り返った。
もちろんわたしもびっくりして、音がした方を見てみると、そこにはおでこを押さえて痛がるてれすがいた。
「…………高千穂さん、大丈夫?」
先生が少し呆れながら訊ねると、てれすは小さくうなづいて、すぐに教室から出ていく。
…………絶対にあれは痛い。
そんなこともあって若干ざわざわしつつも授業が再開されて、やがててれすが帰ってきた。
「おでこ大丈夫…………?」
まだちょっぴり赤いてれすのおでこを心配して声をかけると、てれすは恥ずかしそうに目を逸らしてうなづく。
おでこだけでなく、ほっぺたもほんのり染まっていた。
「………ええ」
「痛いの痛いの飛んでいけ~ってしてあげよっか?」
「…………遠慮しておくわ」
授業中ということもあってか、さすがにこれは拒否された。
まぁ、やってと言われても困るんだけどね。
このあとは、みんな大好きランチタイム!




