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ありすとてれす  作者: 春乃
40/259

40話 いつでも寝に来ていいからね!

 てれすが起きてから少しして。


「…………そろそろ帰るわ」


 携帯で時間を確認しながら、てれすが言う。

 外を見ると、太陽も傾いて徐々に暗くなっていくころになっている。てれすを起こしたのも、てれすの帰りが心配だったからだ。とはいえ、いざ帰るとなると、なんだかちょっぴり寂しい。


「うん、駅までわたしも行くよ」


 てれすは初めて来た道だし、さっきまでぐっすり眠っていたから心配である。わたしもついていくのが一番だろう。


「い、いや、ありすに悪いわ。わたしは大丈夫よ」


「気にしないで。わたしがしたいだけだから」


 てれすは寝ちゃったことを気にしているのか、遠慮がちに断ろうとする。

 だけどここは譲らない。てれすが心配というのも本当だけど、わたしの心中はそれだけではないのだ。


「………それに、もう少してれすとお話したいなって」


 若干照れつつもわたしがそう言うと、てれすは観念したように息を吐いて微笑んだ。


「…………それじゃあ、お願いするわ」


「うん!」


 それからささっと帰り支度を整える。

 

「お邪魔しました」


 外に出る祭、玄関口でてれすが礼儀正しく言う。

 このあたりはさすてれだなぁ。


「行こっか」


「ええ」


 駅を目指して2人でもと来た道を歩く。

 歩き始めてすぐ、てれすがわたしの顔を見て口を開いた。


「あの………、今日はほんとにごめんなさい」


「全然気にしなくていいよ」


 てれすは気にしすぎだ。…………でもなんとかてれすの気持ちを晴れやかにしたい。

 うーん。どうしたらいいのだろう。

 少し考えて、よしっとてれすの方を向く。


「いつでも寝に来ていいからね!」


 わたしはバッチリウインクをしながら右手でグーポーズをつくる。

 するとてれすは、一瞬驚いたようにしていたけど、くすっと笑ってわたしに言葉を返した。


「さすがに寝るために行ったりはしないわ」


 そうだよね、なに言ってんだろわたし。

 あははと苦笑をすることしかできなかったわたしに、てれすは続けた。


「でも、ありすがよければまた………」


「もちろん!」


 …………ちょっと食いぎみに答えてしまった。

 おかげでてれすが面食らった顔をしている。


 けど、てれすがそういう風に思っててくれて本当によかった。

 もう二度と嫌だ! なんて言われたらどうしようかと、わりと真剣に考えてました。

 

 そんな感じでおしゃべりしつつ歩いていると、目の前に駅が見えてきた。


「ありす、ここでいいわ。ありがとう」


「うん。また、学校で」


「ええ」


 またね、バイバーイと手を振り、それからてれすの姿が駅の中に消えていくのを見て、わたしはくるっと向きを変えた。


 今日は、これはこれでよかった…………のかな?

 微妙なところだけど、よかったと思いたい。

 まぁ、学校生活はまだまだ長いし、なんといってもわたしたちは花の女子高生だからね!


 ………………とりあえず、おうちに帰ることにした。




 


結城天です。こんにちは。

まず、読んでくださった皆様ありがとうございます。


更新がとっても遅くなりました。

申し訳ごさいませんm(__)m


がんばっていきます!

これからもどうぞよろしくお願いします!

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