34話 電話の次は
「ごちそうさまでした」
わたしはお昼ご飯のとりからを食べ終えて、てれすも一息ついていることなので、そろそろ本題に入るとする。
お弁当箱を片付けてわたしは携帯を取り出し、連絡アプリMINEを起動させて、その画面をてれすに見せる。
「てれす、これやってる?」
てれすはわたしの携帯を覗き込むと、ええ、とうなずいた。
「やっているわ、一応だけど………」
「じゃ、交換しよ」
てれすがやっていたことは正直意外だったけど、ダウンロードとか手間が省けてよかった。
わたしたちはお互いの携帯を向け合い、さっと交換する。
「よし、これで連絡もばっちり」
MINEにてれすが登録されたのをしっかりと目で確認する。
それから、登録されたばかりの高千穂てれすの文字を探して、わたしは早速一言、あいさつを送った。
『よろしくね!』
すると、すぐさまてれすから返信があった。
『ええ。』
すごくてれすっぽい。文章、それもたった3文字だというのに、この文面から伝わってくるてれすっぽさが半端じゃない。
わたしがてれすはやっぱりてれすだなぁ、と口元を緩めていると着信があった。
画面を見るとてれすからのようだ。
『どうしたの?』
てれすの方を見ると、すぐにてれすと目が合う。
さっきわたしが画面を見てニヤッとしていたことについてだろうけど、なぜにMINE…………。
直接聞いてくればいいのではないでしょうか、目の前にいるんだし。
とりあえず、返事をしておく。
「なんでもないよ」
わたしが言うと、また携帯に着信があった。
『そう?』
だからなぜMINE…………?
本人に聞くのが一番手っ取り早いのでわたしはてれすに訊ねる。
「てれす、なんでMINE? 目の前にいるし、普通に話さない?」
わたしの質問に即答とはいかず、ちょっとだけ考えててれすは再び携帯をポチポチと操作する。
結局MINEなんだ……………。
そしてすぐに着信。
『…………なんでかしら?』
えぇ……………。
本人もわかってないの…………。
これはもう、わたしから頼むとしよう。
「ねぇ、てれす? 普通に話そ?」
わたしの言葉に、てれすはわたしと携帯を一度見て、こくっとうなずく。
「そうね、それが一番よね」
近くにいるのにずっと携帯を使って会話してたら、周りからおかしな2人と思われてしまう。
ま、まぁ、てれすもMINEの使い方とかは大丈夫そうなので安心………かな?
あ、あとは土曜日の予定を立てないと。
待ち合わせの場所とかまだ決まっていないし、当日バタバタしたくはないので相談しなきゃ。
MINEも交換したことだし、ゆっくりてれすと決めることにしよう。




