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ありすとてれす  作者: 春乃
31/259

31話 昨日はいろいろ

 電話の翌日。今日もわたしはいつも通り登校する。

 わたしのいつも通りはやや早い時間なので、当然てれすはまだ来ていない。

 というかてれすは遅刻せずに来るのだろうか。………まずそこからだった。


 まぁ、用事という用事があるわけでもないので、今日も学校に来てくれたらいいや、くらいの気持ちで待つとする。

 しいて言えば、連絡できるアプリの交換をしたいくらいかな。

 電話はお互いのタイミングとか都合とかがあるので、こういったアプリも一応やっておくべきだろう、と昨日電話の後に思った。

 

 お昼休みにでもてれすに言おう。なんて考えていたけど、ただ時計を見つめているのも暇なもので、予習しようと教科書をカバンから引っ張り出す。

 てれすてれすになって、勉強が疎かになったらいけないからね!


 それからちょっとすると、だんだんと教室に生徒が増え始める。

 そして、今日何度目かという教室の扉が開かれると、ふらふらっとてれすが入ってきた。

 

 てれすにしたらすごく早い時間帯である。

 わたしが驚きながらも、珍しいなぁと見ていると、てれすはそのまま自分の席、つまりわたしの隣にやってくる。


「てれす、おはよ」


 わたしのあいさつに、てれすは眠そうながらにわたしを瞳に捉えて返す。


「ええ。あ、昨日はその、いろいろ………」


「うん、いろいろ」


 てれすが言うので思わずそのまま返しちゃったけど、そこまでいろいろというほどのいろいろがあったっけ?

 そう思って、昨日を思い出す。


 そういえば最後の方、電話を切る時に何か言いたそうにしていたような………。

 そのときはわたしが宿題をしていたから、気を遣ってくれたのかもしれない。ちょっと気になるので聞いておくとしよう。


「てれす、昨日の最後の方に何か言おうとしてなかった?」


 てれすは一瞬考えて、わたしから目をそらす。

 そして、すぐさま答えた。


「な、なんでもないわ」


 ほんとかなぁ…………。

 でも、てれすがそう言うなら、わたしは納得するしかない。


「それならいいんだけど…………」


 てれすに限って宿題のことを聞いてきたりはしないだろう。

 それに、てれすは宿題があることを知らないというか、知っててもやらないからなぁ………。

 

 その後の朝のショートホームルームもいつも通りという名の睡眠時間を過ごすてれすだった。

 

 

 







 




 

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