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ありすとてれす  作者: 春乃
13/259

13話 競技とペア決め

 てれすとのお昼休みも終わり、5時間目が始まった。

 5時間目は予定通り、球技大会の競技決めだ。


「――――ということなので、みんなでがんばりましょう。じゃあ、あとは最上もがみさん、お願いね」

 

 ささっ、と球技大会について簡単な説明を行った先生がわたしにふってくる。


「はい」


 わたしは席を立ち黒板の前に移動する。

 このクラスの担任の先生は自主制を求めるタイプなので、必然的にクラス委員のわたしの仕事が増える。

 

 クラス委員は大変なのです。

 もちろん、そのぶんやりがいもある。


 前に出たわたしは、一度教室を見渡す。

 あ、てれすが視線だけ向けてくれた。

 外をぼーっ、と眺めていたてれすが、視線だけとはいえ、わたしのほうを向いてくれたので、ちょっと嬉しくなる。


「では、球技大会の競技を決めたいと思います。テニスが5ペア10人、バスケが2チーム10人、バレーが2チーム12人です。」


 言ってから、テニス、バスケ、バレーと黒板に書く。


「人数が多かったところは、あとでじゃんけんとかで決めます。それじゃ、テニスしたい人」


 まずまず手が挙がった。

 それを一人一人数えていく。

 ……えーと、8人?


 じゃないや、よく見たらてれすも小さくではあるけど、手を挙げている。

 わかりにくい……。


 よし、9人ってことはわたしもいいよね?

 これでちょうどになった。それはわたしたちの奇跡。


「えっと、わたしもテニスがいいから、テニスは10人ちょうどってことで。次、バスケがいい人」


 はーい、とこれもまた手が挙がる。

 いち、にー、さん……。

 ありゃ? バスケも人数ぴったしだ。


「バスケもぴったしなので、このメンバーで。あとの人がバレーになります。」


 やったー、とか、がんばろう、とかそんな言葉が聞こえて、わたしはやっと理解した。

 どうやらみんな、先に仲良しグループをつくっていたらしい。

 まぁ、それもそうだよね。そうじゃなきゃ、こんな全部がぴったしなんてあり得ない。


 ……正直助かった。

 てれすはテニス以外は絶対嫌だろうから、テニスの人数がわたしの分余ってくれてよかったよ。


「あとの時間に練習ができるので、各競技のところに行ってください。チーム分けとかは、適当にお願いします」

 

 で、いいんですよね? とわたしは先生を見る。

 先生は頷き、口を開く。


「それじゃ、みんな優勝目指してがんばろう! はい、移動」


 先生の掛け声でみんなが移動を開始する。


 よーし、わたしもてれすと練習だ。

 せめて、足を引っ張らないくらいにはなりたい。

 

 勝つことも大事だけど、生まれて初めてのテニス、楽しくできたらいいなぁー。

 



 

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