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ありすとてれす  作者: 春乃
10/259

10話 次の授業は……

 わたしがハンバーグに舌鼓を打っていると、てれすがこっちを見ていることに気づく。


「へれふ? ほーひはの? もぐもぐ」


「ごめんなさい、なんて?」


「ははら、ほーひはの?」


「1回飲み込んでもらえる?」


 てれすがそういうので、もぐもぐごっくんする。

 では、改めて。


「どうしたの? なんか、わたしのこと見てなかった?」


「え? いや、別に大したことは……」


 なにやら言い渋るてれす。

 そう言われると気になるじゃないかよぉ。


「言ってよぉ、気になるぅ」


「そ、その、ハンバーグが好きなんだなぁ、って……。すごく幸せそうに食べてたから」


 なんだ、そんなことか。まぁ、そうだね。ハンバーグを食べることができるこの幸福といったら、最高だよ。

 と、てれすの眉がなにかに気づいたようにピクリと動く。


「ちょっと、動かないでね」


 ? そう言って細い指先をわたしの口元に近づける。

 すっ、と一瞬なでたような触れられた感触。


「ほらこれ、お弁当付いてたわ」


 てれすが指先のご飯粒を見せてくる。

 あまりにハンバーグがおいしいので、全く気づいていなかった。

 気を付けないと……………。

 てれすがいなきゃ、恥ずかしいことになっていた。


「ありがと」


「どういたしまして。いただきます」


 てれすはわたしの感謝の言葉と共にそのご飯粒をぱくっ、と食べた。

 それはもう、なんの迷いもなく。


「えっ!?」


 思わず出たわたしの声に、どうしたの? という視線を送ってくるてれす。

 そうでしたね、てれすさんはこういう子でしたね。


 まだ、おしゃべりするようになって半日も経っていないというのに、わたしは、てれすが何となくわかってきた気がした。

 てれすのパン、わたしのお弁当どちらも一段落したところで、このタイミングをみて、てれすに声をかける。


「てれす、次の授業も出てね?」


 次の授業はちょっと特殊というか、ぜひ出席していただきたい。

 わたしが念を押したことが気になったのかてれすが訊ねてくる。


「次、何かあるの?」


「球技大会の種目決め」 


 

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