第3部
前回の次回予告にまで、追いつけなかった…(´Д`|||)。
ごめんよー(◎-◎;)
僕を見下ろす少女は、満面の笑みを浮かべている。
年下に見えるしゃべり方ではあるが、見た目は 僕と同じぐらいの歳だろうか。
真っ白な肌に、ローズピンクの髪が膝ぐらいまで。
雨のせいか、ストレートに伸びている。
真っ白なレースのワンピースは 泥だらけになっていて、頭の先から、爪先の先まで びっしょりだった。
それにしても、あまりにも美少女だったものだから
僕は、一瞬目を逸らしてしまった。
今まで村に住んできたが、初めて見る顔ぶれだった。
ヴェラ「君は、誰? こんなところにいたら、風邪ひ
くよ?」
僕はそう言って、とりあえず立ち上がった。
金色のすんだ瞳がキラキラ光って、雨で濡れている髪は、ツヤめいて見えた。
???「フレイだよー。今ね、散歩してるの!」
満面の笑みは変わらずに、彼女は言った。
ヴェラ「散歩!?
このどしゃぶりの中?」
フレイ「うん!
ねーねー、その怪我どーしたのー?」
僕は、彼女の変わりすぎている性格に戸惑いながら、それでも、島の冷たい人々とは違うな。と感じた。
ヴェラ「この怪我は……。
なんでもないんだ。」
僕は下を向いて答えた。
フレイは少し黙って、僕をまっすぐに見た。
僕は、目を泳がせて顔を真っ赤にした。
フレイ「ふーん。分かった!」
そう言ったと思うと、フレイは急に 自分のワンピースのすそを ビリビリとやぶった。
ヴェラ「何やってるの!?」
ワンピースは、ボロボロになって ほつれた糸が下に垂れていた。
フレイは、やぶりとった細長い布を持つと もう片方の手で、僕の手首を掴んだ。
ヴェラ「……えっ?えっ?」
フレイは、擦りきれた部分に布をあてると 包帯のようにくるくると巻いた。
フレイ「包帯に大変身ー♪」
フレイは、僕を見て笑みを浮かべた。
僕は、包帯が巻かれた手首をじっと見つめる。
ヴェラ「僕のために……。
…………ありがとう。」
僕も笑った。今まで、こんなに嬉しい気持ちになったことはなかった。
フレイ「気にするなー♪
散歩まだ終わってないんだぁー。
ばいばーい。」
ヴェラ「あ、待って!
君の家は何処なの?」
フレイ「家ー? うーん……。
分かんなーいっ。」
ヴェラ「え!? 両親は?」
フレイ「分かんなーいっ。」
迷子の子猫ちゃんか!と、僕はツッコミをいれたくなった。
ヴェラ「待って。
家がないなら……僕と一緒に来てほしい。
せめて、包帯のお礼がしたいんだ。」
フレイは、また僕をまっすぐに見た。
こんどは僕も目を逸らさなかった。
雨はいつのまにか止んでいて、空には虹がかかっていた。
フレイ「うん。分かったーっ。」
フレイが笑って答えたので、僕はホッとした。
僕とフレイは びしょ濡れのまま、虹のかかる空の下を、帰るべき家へ向かって歩いて行った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回予告
冒険の旅が始まるのかーっ?