表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/30

第4話 魔法の発動キーは『妄想力』!? 愛する家族に別れを告げ、おっさんは歩き出す

 かなり回復した気がするので、ヒールを止めてみる。

 光の膜がパッと消えた。

 もう一度発動してみよう。


(ヒール!)


 ……あれ、何も起きないぞ。

 なんでだ?

 そういえば、何故いきなり魔法が発動したんだ?


 さっきは風呂に入っているイメージをしていたな。

 念じる言葉は関係ないのか?

 イメージが大事なのか?


 風呂に入っている自分を克明にイメージしてみる。


(風呂は気持ちいいなぁ)


 おお、できた!


 さっきと同じように光の膜が体を覆っている。

 やっぱりイメージか。

 魔法の結果としての現象をリアルにイメージする事が大事なようだ。


 そういえばボックスも4次元ポケットをイメージしたんだった。

 子供の頃からドラ〇モンは見ていたし、大人になってからも割と高次元はあると信じていた。

 たった1つの銀河だけでも何百億個もの惑星があるんだ。

 地球以外にも知的生命体がいるに決まっているし、当然ワープのようなものもあると思う。

 だからリアルにイメージできたのか。


 この世界の魔法はプロセスは大事じゃないのか?

 呪文とか、仕組みを理解しているとか、そういうのは必要ないのか?


 何か他にリアルにイメージできるものは無いか。

 コンロ。コンロならよく使う。

 ガスコンロの火はどうだ?

 目の前にガスコンロのイメージを固めていく。

 よし、固まった。


(カチャ!)


 ガスコンロのスイッチをひねったイメージをすると、目の前の空間に輪っかの形をした炎が出現した。


 おお、やった! できた! 魔法の火だ!


 ――うん?

 

 ひとしきり喜んでいるが、火はそのままつきっぱなしだ。

 この火は消えろと念じないとこのままなのか。


 もう少し強くしてみるか。

 スイッチを捻って火力を最大にするイメージをすると、火が強まった。

 もっと強く、もっと強く、イメージは焚火だ。

 いや、お焚き上げだ。

 年末年始に神社でお札やらを燃やして貰うアレだ。


 おお、どんどん火の勢いが増していく。

 キャンプファイアーのように轟々と燃え盛る火の玉が空中に浮かんでいる。


 うおっ熱い!

 火傷しそうだ!

 どこまで大きくなるんだ!


(消えろ!)


 消えるように念じると、あれほど燃え盛っていた炎がパッと消えた。


 近くにあった木々が焦げている。

 危なかった、山火事になるところだった。

 いや、森火事か?


 ふう、すごいな、魔法。


 ……しまった、汗がダラダラと流れている。

 飲み物が無いのに、暑くて喉が渇く。

 水分を失った。馬鹿か俺は。


 でも何だか涼しくなったな。

 ムワっとした空気が和らいだ感じがする。

 むしろ風が肌寒い。


 ……ん?

 風が冷たい。

 気温が低いのか?

 この感じだと気温20度もないかもしれない。

 東京なら10月か11月くらいの肌寒さじゃないのか。

 結構寒いぞ。


 こんなに肌寒いのにムワっとする空気って、有り得るのか?

 それがキャンプファイヤーをやったら、一瞬ムワっとした感じが薄れた。

 空気の密度が薄くなったというか。

 ……空気に何かあるのか?


 ――魔力。魔力か?


 キャンプファイヤーしたから大気中の魔力が少なくなった?


 そういえば体の中から魔力のような何かが吸い出されたような感じは全くない。

 減ったのは水分位のもんだ。

 大気中の魔力で魔法を使っているとすれば納得がいくか。


 まぁそれは後で考えればいいか。

 とにかく今は時間がない。

 そろそろ歩き出さないと、夜になってしまう。

 俺の命のタイムリミットは刻一刻と近づいているんだ。

 むしろ汗を流して縮まった。


 この世界で目覚めてから半日近く経とうとしている。

 俺はまだ目覚めた場所から一歩も進んでいないが、アイテムボックスとキャンプファイヤーを手にして、進むべき方角を決めたのだった。


 ---

 

 俺が異世界に飛ばされてから半日は経っただろうか。

 アイテムボックスと炎の魔法に目覚めたことは嬉しいが、まだ一歩も進んではいないのだ。

 そろそろ食い物と飲み水を求めて、動き出さなくてはならない。


 右を見ても左を見ても同じような景色。

 同じ場所に戻ってくるのは難しそうだな。


 この場所で目覚めたんだ、この大木の根本で。

 ここと地球が繋がったということなのか。

 それとも何者かによって連れてこられたのだろうか。


 どちらにしても、この場所は手掛かりだ。

 この大木にはアイテムボックスで削った梯子を作ってある。

 ここまで辿り着ければ見間違えようもないだろう。


 問題は辿り着くまでだな。

 目印をつけておくか。


 そうだな、歩きながら近くの樹木にアイテムボックスで傷をつけていこう。

 確か熊も樹木にマーキングするんだったか。

 高い位置に切り込みを入れておくか。

 ちょうど手を伸ばしてギリギリ届くところで高さ2.2メートル位のはずだ。


 高い場所なら原住民が通っても気づかれ難そうだ。

 なるべくこの場所は知られたくない。


 ここが地球に一番近い場所だ。

 行く前に祈っておこう。

 祈りが届くかも知れない。


 ――大木に向かって手を合わせ、目を閉じる。


 祥子、由紀。心配かけて御免な。

 俺はしばらくそっちに戻れそうも無いよ。


 家のローンは生命保険でチャラになるか。

 現金の貯えもそれなりにある。

 生活資金は大丈夫だろう。


 祥子は細かい金の管理が苦手だからな。

 うまくやれるだろうか、心配だ。


 ……もしかすると、もう二度と会えないのかも知れない。


 祥子。大変だろうけど頑張って育ててくれ。

 由紀。優しい人と結婚するんだぞ。どうか幸せになってくれ。

 母さん。親不孝者の俺を許して欲しい。


 みんな……今までありがとう。


 ――よし。行くか。


 先ほど決めた方向に向かって歩き出す。

★【R18完全版】のご案内★


本作は「ノクターンノベルズ」にて、ここには書けない過激な描写(18禁シーン)を全て収録した

『R18完全版(オリジナル版)』

を連載中です。


カットされた「夜の営み」や「リューイチの容赦ない制裁」を楽しみたい方は、ぜひそちらをご覧ください。

激しいシーンを、遠慮なく細部に渡って克明に描写しております。


【探し方】

Web検索、またはノクターンノベルズのサイト内で

『 おっさん異世界物語 』

と検索してください。

(※作者名『眠れる森のおっさん』で検索しても見つかります)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ