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第24話 奴隷との夕食、そして『魔法の湯』で洗い流す過去

「それで話を戻すが、水浴びはどうしているんだ?」

「貴族様でも水浴びなんて贅沢なことはできないと思います。

 皆たまにタオルを水で濡らして体を吹く程度で精一杯です」

「そうなのか。

 じゃあ、お前も奴隷商館で体を水で拭いていたのか?」

「いえ、商館では用を足した後を拭く位で……体は水で拭かせて貰えませんでした。

 もうずっと……体を拭けていません」

「ほう、なるほどな」


 ニーアが恥ずかしそうに俯いている。

 ずっと体を拭くことが出来ていないらしい。

 匂いがするのは当たり前か。


 話しながらファイアボールを発動して桶の水面に浮かべる。

 俺の炎は水に触れても消えない。

 ファイアボールで桶に張った水を温めていく。


「どれ。こんなもんか。触ってみろ」

「ええ!? 温かい、です」

「俺は飲めるほど綺麗な水で湯を作ることができる」

「こんなことって……ご主人様の力は……」


 ニーアが俺をキラキラした瞳で見つめている。


「よし。ニーア。

 その薄汚れた体を洗え」

「えっ……でも、こんな貴重なお水を……」

「構わん。綺麗さっぱり洗い流せ。

 今までの奴隷生活の垢も、過去のことも、全てだ」

「ご主人様……」

「これからお前は俺の物だ。

 俺色に染めてやる。そのためには綺麗な体でないとな」

「はい……! ありがとうございます」


 ニーアが桶の湯を使って体を洗い始める。

 備え付けの布にお湯を含ませて、丁寧に肌を拭っていく。

 白い肌から汚れが落ちていく。

 湯気が立ち上り、ニーアの頬が紅潮していく。


「気持ちいいか?」

「はい……こんなに温かいお湯で体を洗えるなんて……夢のようです」

「そうか。よく洗えよ」


 ニーアは涙ぐみながら、何度も何度もお湯を肌に滑らせていた。

 やがて洗い終わると、すっきりとした表情で俺の前に立つ。


「ご主人様。綺麗になりました」

「ああ、見違えたな。

 良い匂いだ」

「ありがとうございます」


 ニーアが恥ずかしそうに、でも嬉しそうに微笑んだ。

 湯上りの肌はほんのりとピンク色に染まっている。

 俺は立ち上がり、ニーアの肩に手を置く。


「ニーア。ベッドへ行こうか」

「……はい、ご主人様」


 ニーアが静かに頷く。

 俺は魔法の炎を消した。


 部屋が暗闇に包まれる。

 こうして、俺とニーアの長い夜が始まったのだった。


 ――翌朝。


 6時の鐘でニーアが目を覚ました。

 もっと寝るように言って聞かせる。

 2人で二度寝して、遅めの起床をした。


「ご主人様……おはようございます」

「ん……ああ、おはよう」


 目が覚めてニーアの方を向く。

 2人とも全裸だ。

 彼女は照れ隠しのつもりか、はにかみながら朝の挨拶をしてくれた。

 中出し直後に寝てしまったので、全身汗まみれでベトベト、股間もカピカピだが。


「ゆっくり眠れたか?」

「はい。とっても眠れました」

「それは良かったな」

「ニーアは、幸せです……ご主人様」


 ぴっとりと体を寄せて、嬉しそうに笑顔を浮かべている。


「昨日は湯浴みできなかったからな。

 朝のうちに済ませよう」

「はい、ご主人様。お拭きします」


 魔法で湯を張って、湯浴みを再開する。

 もう流石にいたずらはしない。

 椅子に腰かけて、脚から順に全身を拭いてもらう。

 身体が終わったら、桶の上に頭を突き出して髪を流して貰う。

 石鹸は無いから、お湯で洗うだけだ。


 使い終わった湯はアイテムボックスに捨てて、新しく湯を張る。

 今度はニーアの番だ。

 俺は主人だからな、自分のことは自分でやらせる。


「ご主人様……まさかこんなに綺麗なお湯で湯浴みができるなんて」


 ニーアは涙を流しながら喜んでいる。

 湯浴みなんて生まれて初めての経験だったそうだ。

 普通は少量の水でタオルを濡らして水拭きするだけらしい。

 それすらも家族全員で使い回すようだ。


 湯浴みを終えて2人で食堂へ降りていくと、女将のおばちゃんに声をかけられた。


「お客様、申し上げにくいのですが、もう少し夜の音を下げていただけると……」

「お、ああ。ちょっと響いてしまったかな?」

「お泊りのお客様から深夜まで声が響いていたと苦情がありまして」

「そうか、すまなかった。気を付けるとしよう」


 後ろを振り返ってニーアを見ると、顔を真っ赤に染めて俯いていた。


 食堂で遅い朝食をとってから、部屋に戻ってくる。

 2人とも服を脱いで裸になる。

 部屋では裸の約束だからな。

 腕枕で身体を寄せ合ってベッドに寝転がる。


「ニーア。女将に言われちまったな」

「……ごめんなさい、ご主人様ぁ」


 ニーアが身をよじらせて羞恥に悶えている。

 絶叫に近い大声で喘ぎまくってたからな。

 こんな薄っぺらい壁じゃ丸聞こえってもんだ。

 もしかしたら宿屋中に響き渡ってたかもな。


「こんな薄い壁じゃ仕方ないよな」

「はい……」

「2人にしては部屋も狭いし、そろそろ広い部屋に変えたいな。

 ニーアは良さそうな宿を知らないか?」

「宿、ですか?」

「ああ、宿じゃなくても良いんだが。

 もっと広くて大声出せるようなところ」

「それなら貸し部屋か貸し家なんかはどうですか?」

「おお、良いな。

 どこで借りれるんだ?」

「商人ギルドで仲介していると思います」

「ほう。商人ギルドか。今度行ってみるか」

「はい。ご主人様」

「お前が大声で喘ぎ声を出しても問題ないところな」

「……あうぅ……ご主人様……」


 ニーアは商人やってたらしいからな。

 そういう部屋探しは彼女に頼んだ方が良さそうだ。

 俺は文字が読めないからな。

 これからは色々とニーアの力を借りるとしよう。


「それとニーア。

 お前の服や日用品を買い揃える」

「ええっ……奴隷の私にそんな贅沢なことしなくても」

「いや、いいんだ。

 俺はお前を気に入っている。遠慮するな」

「ありがとうございます……ご主人様」

「ああ。じゃあ一緒に買い物に行くか。

 服屋の場所は分かるか?」

「はい、ご案内します」


 服を着て、買い物に出かける。


【読者の皆様へ】


本作を読んでいただきありがとうございます。


執筆のモチベーションになりますので、もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけたら、ページ下部の【★★★★★】から評価をいただけると嬉しいです!

ブックマーク登録もぜひお願いします。


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※【重要】本作の「R18版(完全版)」について


本作は「ノクターンノベルズ(なろうの大人版)」にて、過激な描写を解禁した

【R18完全版】

を連載中です。


ここではカットされた「リューイチとエルフたちの濃厚な夜」や「より容赦のない展開」は、そちらでお楽しみください。


★探し方★

ノクターンノベルズのサイト内で、

『おっさん異世界物語 ~物理魔法と「鉄の理」。愛欲と硝煙にまみれた男が、やがて神を殺すに至る覇道戦記~』

と検索すると出てきます。

(※作者名:「眠れる森のおっさん」でも検索可能です)

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