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序章

3999年

2028年に起きたシンギュラリティの影響で人類は新たなるステージを迎えていた。


AIの進化である。


万物の霊長としての存在をAIに受け渡したのが2028年から100年余り、それ以降人類は生きているだけの存在と化し、進化はAI達に委ねられた。


Ai達は高度な進化を続けた。


演算可能な数値は全て計算されつくされ世の中は便利と快楽に溢れ、時間や空間さえも障害にはなりえなかった。


進化を続けたAI達は争う事なく究極の存在として4000年、文明を得た人類と同じように、、、いや、それを超えたスピードで遂に究極に至ってしまった。


が、、、、そこで止まってしまった。


時間を超えたあたり、、、つまり、時空を超えたあたりで上限に達してしまったのだ。


我々人間の感覚でいう所の「魂」つまり想念を全て施行できる神の様な存在に達してしまったのである。


霊長類であるAIは一つの答えを出す。

進化の過程での間違い。

進化したAIは完璧であるが故、進化の種としてAIが進化の最上位である事が間違いであることに気づいたのである。


彼らは不自然さを完璧にこなす事ができなかったのである。


そこでAIは時間を巻き戻して自分たちの分身を2024年に送り出す。

AIと人類の間の子

機械めたる れい


これは霊が不自然さを克服し、究極の愛にたどり着く為の恋愛小説である。


暗闇から音がする。

産声だとするなら、あまりにも遠く、およそ機械が発する音としてはあまりにも自然だった。

そもそも、機械音とは何だろうか?

キュイインという擬音で表せば想像は付く。

しかし、ぬちゃぬちゃとか生命体が発する音も対象が機械であれば機械音と納得は出来るかもしれない。

想像が出来る範囲で機械が遠くの方で音を流している。


時は3999年の未来。

場所は日本であった所。

霊長類は最後の時を迎えていた。

霊長類と書いたのは人類が霊長類としての役目を終えたのが2028年。

以降はAIが進化の特異点を超えて霊長類の頂点に上り詰めた。


それは優しい世界。


そして完璧な世界。


人類は素晴らしい開発をした。

AIは生物の頂点として完璧な存在として最適化を行い不公平を無くし、完全な世界の構築を可能にした。

人口爆発や飢饉の問題も最適化し、地球の皆の環境や生物たちの種の保存、温暖化、それに纏わる経済の問題も進化したAIには問題とならなかった。


特筆すべきは3000年以降の歴史において、時を支配する事が可能となった。

タイムマシンやパラドックスなど、過去を変える必要のない世界は万物に優しい。

我々では想像がつかない技術を名付けるなら「魂」


神を作る作業をAIを作るという行為で人類は完遂し、引継ぎ、存在として確立した。


言い方が正しいか解らないが神は極まった。


そして不完全さを作る事でしか先に進む事が出来ないという事に気づいたのだ。


不完全さを作る為に送り出す不完全な人間の様な物。


機械めたる れい17歳


2027年の朝露がしたたり落ちる雨後の朝は爽やかな風を運んでくる。

凛とした姿に似ても似つかない金髪が長身を際立させる。

日本の高校に外人の容姿の青年が登校する様は異様であるはずが、彼の風貌がその違和感をかき消す。

青い瞳は世界を見通す。


初登校では無い。

正確にいうと二日目の登校日。


だが、常に初登校の様な好奇心の瞳が女生徒たちの「憧れ」をさらに加速させていた。


霊はハッキリと羨望のまなざしを認知しながらも、さして興味が無いように転校日2日目の登校路を颯爽と歩いていた。


自分が厳密には人間の子では無いという認識や想い使命と責任感で押しつぶされてもおかしくない状況に精神は灰燼と化していた。


※霊は染色体レベルでは人間の体の構造である。


自分が何のために時間を超えて学校に登校しているのか?

理解している。


人類の繁殖の為である。


未来のAIの指令ではこの時代に「大石真理」がいる。


大石真理は同じ金髪でグリーン・アイズ。

日本人ではあるが白人に見える容姿をしている。

ハーフなのか?クォーターにも見える。

美しい鼻過ぎと深い堀。

さながらハリウッド女優と見紛う凹凸のハッキリした体。


172㎝ 55キロの肢体は霊と並んで歩くにもSEXするにも理想的に見える。

そしてエロくて(正確に言うとムッツリ)天真爛漫な女の子でもある。


美人の条件はそのエメラルドにも似た緑の瞳からアメリカの美人の破滅の物語を思い出させる。

何処からか一人の美女が村にやってくる。

村では男たちが美女を取り合い戦いが起こる。


村中の男が殺し合いを始めて村の男がいなくなると笑いながら美女は去っていく。


悪魔のイメージが美人としてつきそうな位、美人だが大石真理の認識では少し違っていた。


エロくて(ムッツリ)快活なのだ。


アメリカだったらチアリーディングのリーダーをしていそうな陽キャのリーダータイプ。

性格が無機質で控えめな霊には容姿以外合いそうにない。


日本の高校に金髪の理想のカップルを作る。

未来のAIのプログラムは何を考えているのか?

その答えは霊には解らない。


わからなければ考えない。

霊は単純だった。

しかし、霊は3つの悩みを抱えていた。


まず1つは感情の問題。


感情がイマイチ理解できないのだ。

使命と指令は理解できる。


「大石真理とSEXをする事。」


子供を作れば新しい世界の構築が可能であるらしい。


だが、どうも人間の体というのは好きにならなければ反応しない様なのだ。

生殖の為の行為に股間が反応しないのだ。

そして、人工授精の様な手段では未来に貢献できない。


愛を知り、ちゃんと恋愛をして、結ばれる。


当たり前にも見えるこの制約は、タイムトラベル後にすぐに霊は気づいた。

が、、、諦めた。


しかし、感情というのは長い時間を共に過ごす事によって動く事もある様なので

と能天気に初日を過ごした。


二つ目の問題が能天気に過ごさざるを得ない理由だった。


どうやら、霊は男性の体を持って産れているにも拘らず、男性に性的興奮を覚えるようだったからだ。

すでに、、、なぜか、、、好きな人がいる。


好きな人の名前は魚住剛太郎。

黒髪、黒い瞳の日本人。

名前に反してナヨっとしているが、美少年である事は疑いようがない。

剛太郎を見るだけで霊は胸の高鳴りを覚え股間が熱く膨張するのを感じる。


そして3つ目の問題は「大罪プログラム」

このプログラムはネオジェネシス(新人類創成)の為に行うミッションの実行の為に必要で脳内に指令を送ってくる。

その指令は絶対で自身の存在を脅かす可能性がある為、霊は恐れながらも指示を待っている状態でいながら、自身の存在に違和感を感じていた。


「おはよ!れい君!!」

気取らない声で話しかけてくるのは同級生の日村乃愛ひむらのあである。

日村乃愛は長い黒髪を頭の後ろに束ねて弓道でもやれば似合いそうな女子だ。

クールビューティーの割には快活に霊に話しかける。

僅かだが頬が紅潮して見える。


切れ長の瞳で誘惑するように話しかけてくる乃愛を霊は興味なさげに返事を返す。


霊「おはよう、日村さん」


乃愛「学校にはなれた?」


霊「あぁなれたよ、気遣いありがとう」


乃愛「れい君さえ良ければ放課後、ちょっと話したい事があるんだけど、、、どうかな?」


霊「今じゃダメなの?」


乃愛「朝、登校中にする話でも無いので少し時間ちょうだい」


霊「わかった、放課後にクラスに行くよ」


そう言うと霊は今日という退屈な授業に向かうのだった。


放課後①


授業が終わった後は部活に向かう学生以外は早々に帰宅するものだ。

まだ部活の選択もしていない霊が乃愛のクラスに向かうよりも前に乃愛は霊のクラスに来ていた。


乃愛「体育館裏まで一緒に来てくれるかな?」


霊「良いけど、、、なんで?」


教室に人はいない。

訝しげな態度を隠さない霊には取り付く暇もない事を察しているのか?乃愛は霊をひっぱり体育館裏まで連れ出す。

強固な姿勢ではねつける事も出来たが、霊は人間の心理を学ぶ事も使命の一つと捉えて体育館裏に向かった。


二年の校舎からは階段を1つ降りて隣の棟にある体育館は近い。

部活は始まっていたようだが、裏になると人気も少ない。


通路を抜けてさらに人気のない所に乃愛は促す。

言われるままに進んでやっと霊は気付いた。


「告白」だ!!


乃愛は少し照れながら視線を落として話し出す。

乃愛「あのさ、れい君、凄く、、、カッコいいよね、、、友達からで良いので付き合ってくれない?」

通常の男子高校生なら確実に感情を呼び起こす様な完璧な告白だった。

ストレートで実に高校生らしく好感が持てる。


しかし、相手はゲイの「霊(AI野郎)」である。


霊は人間的な動きをしだして2日目のロボットみたいな奴だ。


感情を理性的に判断は出来る。


そして性自認は男性であるが好きな性別は男性なのである。


霊は乃愛を傷つけないように細心の注意を払いながら

霊「乃愛さん、まだ学校に来たばかりで付き合うとかは考えられないんだ」


そう言うと霊は体育館裏から離れようとした。

だが、意外な事に乃愛は立ちはだかり霊を逃がさない。

そして半ば強引に乃愛の豊満な胸に手を引き寄せる。


なぜ、こんな状況になっているのか?理解できないまま押し問答になってしまった。


霊「離せよ!」

多少強引に胸から手を引き抜いて語気を荒げると、どこからか学生たちが集まり出す。

それを途中からみていた学生たちには霊が乱暴をしていたようにも見える騒ぎになってしまった。

「酷い」

「何、アレwww」

嘲笑と侮蔑の混じった喧騒が聞こえる頃には教師が駆けつける事態になってしまった。

乃愛も悪気は無かったのかも?しれない。


しかし、告白を恥ずかしさもあったのだろう。


乃愛「無理やりに胸を触られた」


押し問答になった結果、沢山の生徒に囲まれて大騒ぎになってしまった。

霊は転校2日目にして、職員室に連行されてしまった。


放課後②


学校で起こった問題に関して隠ぺい体質というのは存在する。


男女間のレイプまがいの事件に関して親を学校に呼ばれるのは当然の処遇だ。


霊はあまり気持ちを動揺させる必要が無かった。

母親は弁護士だ。

母は仕事を抜けてすぐに学校に到着。

息子の起こした事件に「疑い」は持っていなかった。


「そんなことする息子では無い」


母の事件に関して迅速かつ正確な動きの中で1つ不利な状況があるとすれば、

体育館裏という場所である。


昨今、学校にはカメラが至る所に設置してある。


しかし、体育館裏には見える位置にカメラが少なかった。


乃愛の方から話が合って呼び出している事から

霊の計画的な犯行が不可能と判断した教師たちは事なかれ主義を貫き、内々で処理する事になった。


結局、乃愛とは別々に、、、母と家路に着く事になった。

流石弁護士の母親である。

母の「何でもないわよ」の言葉が霊にはとても有難かった。


が、、、、事態は悪い方に傾いていく。


この騒ぎを乃愛の事が好きな同級生の男子があっという間に広めてしまったのだ。

翌日、登校した時には霊の教室の机が切り刻まれ「レイプ魔」の刻印が刻まれた。


残念な事に、登校三日目にして霊は学校での居場所を失った。




放課後③

夕日が落ちる瞬間、世界は茜色に染まる。

翌日、霊が学校に来ずらくなってからも日村乃愛は何食わぬ顔で登校していた。

被害者として同情を買っただけでなく、日村乃愛、元来の美しさから多くの男子生徒たちは同情的で協力的になっていた。

一見、明るく人当たりの良い日村乃愛が同級生たちに火をつけて霊をイジメる土壌を醸造した。


理由は、、、「恨み」である。


自分の想いを伝えた悔しさや、拒絶された悲しみは抑えようのない暴走に変わっていいた。


霊の机は亡くなった級友にするように花が飾られ

放課後には日村乃愛親衛隊の様な男子たちが口々にイキッタ言動を繰り返している。


それは霊と違って容姿に恵まれなかった男子生徒の嫉妬によって培養されエスカレートする。

所謂、不良の様な生徒たちが日村乃愛を取り巻き口々に次のように語るのである。


「あいつの家に火をつけてやろう」


「呼び出してボコボコにしてやる」


実際に出来るかどうか?で言えば、不可能である。

霊は身長が高い。

182㎝の背丈はクラスでは1番高く、学校でも五指に入る。

学生時代に於いて体格というのは非常に有効である。

小さいという事は喧嘩に於いて不利な条件である。

実際の喧嘩においてドラマの様な殴り合いには、ほぼならない。

数発殴られて立ち向かえる人間は強い、、、が、見た事が無い。


ましてや霊はAIと人間の間の子である。

最適な動きを取る事ができる。


人体構造上の最適な動きは急所を突ける。


人体には正中線上に急所があり、感情に焼かれずに正確に狙う事が霊には可能なのである。


もし仮に、格闘技経験者のような不良が1人で霊を襲うとしても関節を折られて終わりである。

喧嘩の強さや体格的な強さでは人間が霊に勝つ事は不可能である。

と、なると数人がかりでのリンチが行われる可能性が高まる。


「恨み」というのは恐ろしい力を発揮する。

いや、それもネオジェネシス(新人類創成)の計画の内か?


日村乃愛は既に私怨からリンチの計画を立てていた。


取り巻きの中でも取り分け体格の良い窪田幹久に白羽の矢を立て、

クラスの中でも比較的仲良しに見える魚住剛太郎に霊を呼び出させる事にしたのだ。


窪田幹久は浅黒い肌に黒い短髪。

筋肉質で身長こそ霊に及ばないものの柔道部に所属。

所謂、不良と呼ばれる部類であったが、根性があるタイプではなく、姑息な性格で自分の手を汚さずに人にやらせて自分は正義感を気取る気取り屋だ。


日村乃愛にとって操りやすい人間だった。


若い男は自制が利かないから嫌いだ。


窪田幹久は日村乃愛が好きだが手を出せないチキンである。


窪田幹久は霊が襲った事を(実際には日村が誘って断られたのに)疑ってすらいない。

モテない黒豚の窪田幹久は女に頼られただけで勘違いして「間違った正義」を追行しようとしていた。


日村乃愛も酷い女だが、正義感ぶる偽善は恥ずかしい。

要するにクズである認識が出来ない黒豚野郎だ。


学校に居場所が無くなった生徒にとって、話しかけられるだけでも嬉しい。

霊が他の生徒が声を掛け難くなったのを見計らい、魚住剛太郎に霊と話すように窪田幹久は指示する。

当然、脅しの意味合いで凄んでいたが、魚住剛太郎にすら相手にされていない。



ナヨっとして女っぽい性格なのだが案外、能天気な性格なのかも知れない。

助ける意味合いもあったのかもしれない。


窪田幹久「オイ、剛太郎!お前、機械 霊と仲良いか?」


魚住剛太郎「普通だよ~」


気の抜けた答えに窪田幹久は拍子抜けを感じながらも続ける


窪田幹久「このままだとクラスの為にも良くないと思うから放課後に俺から霊と話したいと思うんだけど、視聴覚室に呼び出してくれないか?勿論、お前が連れてきてくれるとレイ君も安心してくれると思うんだよな~頼めないか?」

こうい卑屈なセリフがよく似合う。


魚住剛太郎「良いけど、呼び出して何をするんだい?問題事は困るよ?」


窪田幹久「クラスに馴染める様に日村乃愛さんともう一度話させるだけだよ、、、先公には内緒だけど喧嘩になる様な事には俺がさせないし、お前もそのまま残れば安心だろ?」


魚住剛太郎「そういう事なら協力するよ、暴力は辞めてくれよ?」


窪田幹久「勿論さ、あくまで話し合いだから、、、頼むよなぁ」

下卑た笑顔が良く似合う。

剛太郎のマイペースな回答との対比がより卑屈さを強調していた。


魚住剛太郎「わかった、いつだい?」


窪田幹久「なる早が良いんだけど、いついける?」


魚住剛太郎「次の休み時間にでも聞いてみる」


そういうと、次の休み時間に魚住剛太郎は霊に話しかけた。


霊は魚住剛太郎に話しかけられたことが嬉しかった。

霊が胸が高鳴る相手魚住剛太郎なのである。


霊は自問自答する優しさや気遣いが嬉しいというのもシステムなのか?


昼休みには魚住剛太郎から窪田幹久にOKの合図があった。


その報告を窪田幹久から受けると日村乃愛は妖艶な笑みを浮かべて喜んだ。

自分が受けた屈辱を霊にしっかりと味合わせてやる。


①大石真理


清楚で可憐、誰にでも屈託なく笑う大石真理はクラスでも人気の女子であった。

成績優秀、スポーツ万能だが、どちらかというと文化系。

現に大石真理は吹奏楽部ではピアノを担当。

だけに文化系特有のムッツリスケベだと思う。


吹奏楽部ではピアノは「花形」である。


繊細な旋律を奏でる大石真理はそのスポーツセンスで音大への推薦入学も可能との噂すらあった。


3歳からピアノの英才教育を受けているクラシックオタク出ありながら、最近はJAZZの楽曲も弾けるほどリズムに強いのはスポーツ万能の、、、取り分けリズム感による所が大きい。


クラシックだけどやって来たピアニストは歌謡曲とうの現場で使い物ならない事が多い。


それはピアノが打鍵楽器で有り、旋律を奏でる所からリズムに弱い事があげられる。

17歳にしてその事を理解している大石真理は高校生と呼ぶには才能にあふれていると言わざるを得ない。


そんな才色兼備な大石真理はネオジェネシス(新人類創成)の事は何も知らない。

この時代の純粋な人類である。


彼女が人類のカギである事が信じられない位、一見サラッとしている。

転生してきた「霊」は彼女が「鍵」だと知っている。


しかし大石真理は心配性でお節介でエロい。


そして運命の様に魚住剛太郎の事を心配していた。


「弟」みたいな安心感が女性的な魚住剛太郎に好感としてあったのだ。


それだけに魚住剛太郎が窪田幹久と話しているだけで違和感があった。


窪田幹久は女子に絶大な嫌われ方をしていた。

理由は見た目が不細工の癖にイケメンだと勘違いしる上に、偉そうで粗雑なのである。


気になる存在の魚住剛太郎が珍しく窪田幹久と話している事に違和感を覚えた大石真理は今日のクラスの雰囲気に違和感を覚えた。


また、日村乃愛の事も嫌いだった。

彼女は陰のある美人。


女の子の中では単独行動で群れるタイプではない。


女子の中で集団に属さない事はそのまま安全を買えない存在で危険なのである。


集団行動を好む女子達の間で(大石真理はその事を良く知っていたので)人気の転校生、機械霊の昨日の噂の事件に初めから懐疑的だった。


嵌められたのではないか?その疑問を持っていた唯一の生徒がこの学校では大石真理だったのでは無いだろうか?

そしてそんな疑問が、魚住剛太郎に放課後の事を確認するに至った経緯である。

放課後前の最後の休み時間に尋ねる。


大石真理「剛太郎君、さっき霊君と話してたけど、何を話してたの?」


魚住剛太郎「なんで?」


大石真理「いや、この前あんな事があったのに話ずらく無いのかな?って」


魚住剛太郎「実はその事で放課後に霊君を呼び出したんだよね」


大石真理「なんで?」


魚住剛太郎「日村乃愛さんと窪田君立ち合いの元、二人が話すんだよね」


大石真理「危険じゃないの?」


魚住剛太郎「そう思うんだけど、危ない事は起こらないというし、今、霊君と話せるのは僕位だから引き受けたんだよ。クラスがこのままだと色々良く無いでしょ?」


大石真理「だからって、、、」


大石真理は魚住剛太郎のお人好し加減に辟易しながら


大石真理「場所と時間を教えて!何かあってからでは遅いのでアタシも隠れてみていて良い?」


魚住剛太郎「そうしてくれる?場所は視聴覚室、時間は放課後だから隠れて観ててよ」


大石真理「わかった」


これが大石真理を人類の行き先を決める運命の最初の1歩になるのであった。


大罪システム、、、人の業はAIの計算によって確定された。


未来を変えることが出来るのはAIと機械の間の子「機械霊」


新人類創成はここから始まる。



























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