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お題シリーズ6

死の瞬間

作者: リィズ・ブランディシュカ



 道の真ん中でぼうっと突っ立っていると、頭の中がしんとしてくるような気がする。


 脳内にある荒れた海が少しずつ穏やかになっていって、そして今まで吹いていた風が、動いていた空気が、あらゆるものが止まっていく感覚。


 世界から色が抜け落ちて、情報がすごくシンプルになる。


 私が今感じている世界は、とても両極端。


 白か黒か。


 静か動か。


 生か死か。


 遠くの方で何かが鳴っている。


 おそらく踏切の音だ。


 けれど私はすぐさまそれをシャットアウト。


 私の世界に、それはいらない。


 余計なものは存在させない。


 頭の奥の芯を冴えわたらせて、極限まで感覚を鋭くさせる。


 価値のない、ごみのような世界を知るためじゃない。


 私だけの、私のための世界を知るために。


 そうしていると、だんだんとそれが近づいてくるのがわかる。


 まばゆい光を放つ天使が。


(ああ、やっと迎えにきてくれた)


 私はそれに向かって、手を差し出しす。


 そしてもう、手放す世界の産物、足元の道を踏みしめながら、その場で踊って見せた。


 私が生きる、最後の踊りを。



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