静かな出会い、逝く永劫
「なぁリアこの世界のはお菓子ってのがあるんだぞ?」
「そんぐらい知ってるよ?私達貧乏人には手が出ないけどね」
そう笑いながらリアはこの世界の硬いパンを頰張る。
僕達の得られるお金なんてこの地リベリオンで微々たる物だ。
「森の大賢者もそうおもうだろ?」
肩に乗るスライムに問いかける。
「森の大賢者と呼ぶな。主が折角つけた名前があるのだからのぉ」
深呼吸とは違う大きく揺れて肩の上のスライムは言う。
「ただ人間は食事を大優先してるからのぉ、わしと違って主たちもちっとばかしいい暮らししていいんじゃないか?」
「この街はギリギリの生活者が多いんだよ。これ以上の豊かさをを求めたら僕達が生きていけないよ」
「たしかにこの街ではな…。」
大賢者は一言漏らすと以降静かになった。
「あ、あの!」
一人の身振りの良さそうな人間が僕達に声をかけ、眼前に立ち尽くしていた。
続けて彼は言う。
「ブラット=ムーン家に来ていただけませんか?報酬はなんでも払います!」
「どういうことですか?」
僕はわけもわからず言葉を返す。
「貴方達は今この街で噂の回復術師ですよね?その力を見込んでお願いがあるのです。」
「噂かどうかわかりませんが、できる限りの事はさせて貰ってます。」
「ならばどうかお願いです。一人の子供、いいえ女性を助けて欲しいのです。」
その懇願を僕達は断ることもできず、高貴そうな馬車に載せられ言うがままにこの街を後にした。