再戦と召集と
結論から言うと敵ナイトメアをかなり惜しい所まで追い込む事は出来た……が、やはり私の装備では与えるダメージが少なく、時間だけが過ぎていき、やがて弾薬が尽き集中力も切れた所を怒り状態による特殊攻撃パターンを読み切れず、モロにダメージを食らい即死して拠点へ戻って来ていた。
「いやぁ強かった強かった! でも、もうちょっとだったなぁ……次はどの武器でやってみようかな?」
悔しくないと言えば嘘になるが、それよりもまた今度挑むときは立ち回りをどうしようか? と考える事の方が楽しみになっているフラウの顔は晴れやかだ。
と、そこへ私の視界にメールの着信を知らせる効果音が鳴り、それを確認すると運営からのクランで参加するタイプのイベントが一週間後に始まるという告知メールだった。
「クランで参加するイベントかぁ……」
さきほどまでの晴れやかな気持ちはゆっくりと萎んでいき、何処か困った顔を浮かべるフラウ。 そこへ追い打ちを掛けるようにもう一通のメールが届く。
「ん? あ、リーダーからか」
クランリーダーのレオンからのメールを確認すると、今届いた運営からのイベント告知が来たことで二日後の夕方から夜にかけて作戦会議をしたいといった趣旨のメールだった。
「二日後か、まあ集まるだけだったら良いかな。 顔だけ出しに行きますか」
メニュー画面を閉じて、さきほど失敗したクエストに再挑戦するための武器選びに向かうのであった。
ちなみに、今居る拠点はフラウが設定したままになっている初期拠点なのでNPCショップで売られている銃も種類だけは全種類取り揃えてあるが、攻撃力は低くあくまで銃の体験用といっていいくらいの物しか扱っていない。
「さてさて、あとどの武器試してなかったっけ……んースナイパーライフル……グレネードランチャー……ビームセイバー……てか、あんなでっかいモンスター相手に剣ってバカじゃないの?」
ショップの武器一覧を眺めながら突っ込みを入れつつ、フラウはグレネードランチャーと弾薬を購入し早速装備する。
「おおー、なんかゴツくて格好いいっ! けど装弾数6発……? 少なっ!」
種類だけを見て、詳しいスペックなどは一切見ないで買ってみた武器のステータス画面を見て驚くもすぐに気を取り直して、笑顔を浮かべ歩き出す。
「よーし、時間的にあと一回くらい挑めるしさっそくこいつでリベンジかましてやりますかぁ!」
ウキウキしながら果たしてこのグレネードランチャーは、どんな銃なんだろうと期待に胸を膨らませながら私は歩き出した。




