パーティー参加
メニューリストからクランメンバーの総数を確認することは出来るので、現在のメンバーが40人を超えて居ることは知っていたが、実際にその人数が一堂に会するとその人数に圧倒されて気後れしてしまう私とコルト。
そんな私たちをチラチラと伺う男性プレイヤーたちが居た。同じクラン内に女性プレイヤーが居ると言う事に浮足立っているようだった。
「さて、次は今後のクランの目標なのだが来週から始まるクラン対抗イベントに上位入賞することを目指そうと思うんだが、どうだろうか?」
リーダーであるレオンが、ドラム缶の上に立ちメンバーを見渡しながら問いかける。それを取り囲むように並べられた椅子やテーブルに座ってそれを聞いていたメンバーたちから拍手や賛成の声が上がり満足そうに頷くレオン。
「ありがとう。 きっとみんなとならかなり良いところまで行ける気がしてる。 頑張ろう! では第一回集会を終わります。 解散」
レオンの閉会の挨拶と同時にそれぞれレベル上げに出かける者、立ち回りの相談などを高レベルプレイヤーにレクチャーしてもらう者など様々だったが、コルトは大勢と居る事が好きではないのでレオンの挨拶と同時に私にだけ声をかけてログアウトしていった。
「コルトも落ちたし今日は私も落ちようかな」
「あのーもしよかったら俺たちと少し狩りにいきませんか?」
メニューを開き落ちようかと操作し始めた時、後ろから声をかけられ振り返ると全身迷彩柄の上下にボディアーマー、ヘルメットにゴーグル。 銃はゴテゴテにアタッチメント山盛りといったフル装備の男性プレイヤー3人が、ニコニコ笑顔でフラウをパーティーに誘ってきたのだった。
「んー……私そんなにレベル上げてないし、銃もNPCショップで売ってるやつを種類別にもってるだけなんですよ。それに四人のフルパーティー組んだことないので邪魔になるかも知れませんよ?」
とりあえず、パーティーに入って実際に戦闘になってから文句を言われる前に、自分の装備やレベルについてはっきりと伝えて反応を伺う。
「それなら大丈夫ですよ、俺たちがばっちりサポートしますので今のレベルで難しいクエストあるのであれば行っちゃいます? 俺たちなら一瞬で終わりますよ?」
私の反応を聞いて、待ってましたとばかりに笑顔を浮かべ早口で熱心に誘ってくる。内心、ああこれが姫プレイとかいうやつなのかな? 等と感想を述べながら自分の反応を一挙手一投足見逃すまいと見守る3人の姿が疎ましく思えたが、せっかく誘ってもらったのだからと首を縦に振り愛想笑いを浮かべて答える。
「じゃ、一回だけご一緒してもいいですか?」
「はい! よろしくお願いします」
まるで告白して了承を得たかのように3人は飛び上がっており、自分のような何処にでもいる平凡女子プレイヤーと、一回クエスト行くだけでそこまで喜べるなんて幸せだなぁと冷めた目で眺めるのであった。




