装備指定でやらされるゲーム程つまらないものはない
イベントが始まり、今私が周れるフィールドも、沢山のプレイヤーで大賑わいになっていた。
「うーんイベント効果半端ないなぁ……。 まだ色々銃を試し撃ちしたいのに……どうしよっかな。 別の場所開拓しようかな」
メニューを開いてマップを確認し未到達エリアを確認する。
「とりあえず、行ってみるか……コルトも居るみたいだし声かけてみよ」
慣れた手つきでコルトに、メッセージを飛ばすと数秒と経たずに返事が届き、合流する事になったのでフラウは待ち合わせの場所へと歩き出した。
待つ事数分、コルトが眉間に皺を寄せながらこちらに向かって歩いて来るのが見えた。
「ちょっとちょっと顔が怖いんだけど。 なんかあったのコルト」
「聞いてよフラウぅぅ」
わざとらしく両肩に自身の手を乗せ寄りかかるようにして、愚痴を零し出したコルトに苦笑いを浮かべながら背中をポンポンと優しく叩いて宥めるフラウ。
「ってわけなのよぉ」
「なるほどねぇ……」
コルトの愚痴の内容はこうだった。
クランの初心者組数人に、引率で2~3人の中級又は上級者が混ざりそれぞれフィールドに出かけ、モンスターを狩る、ここまではまあ分かる。
だが問題はここからだった。 中級、上級者たちはフィールドでインベントリから武器弾薬を取り出し初心者組にそれらを装備させ、ひたすら指示を出して最高効率だけを考えてフィールドを周回して、ポイントと経験値を稼ぐという事を延々とさせ始めたという話だった。
当然、初心者組の中にはそれに反論して好きな銃で戦いたいと、意見を述べた者も居たようだが効率がどうとか延々と話すものだから、自分の意見を言う気力も無くなり、仕方なく言われた通りに装備してひたすら周回を続ける者と、パーティーから抜けて別行動を取る者、最後にその場でクランから脱退した者も居たようだった。
「私はとりあえず今回のイベントが終わるまで別行動取ることにしたわ。 さすがにあそこまでガチガチに縛られてまでゲームしたくないからさ。 インしても適当に理由作ってすぐログアウトしようと思う」
「それが良いよ。 あ、ていうか私もどうしよう。 装備強制とか面倒だけどゲームはしたいし」
「初心者なりに頑張ってみますみたいな事言ってソロプレイ続けてみたら?」
「うーん試しに言ってみるよ」
その後、道端の立ち話で終わるのも勿体ないということで、喫茶店でお茶を飲みながら他愛のない話をした後コルトは先にログアウトしていった。
「どれ、そんじゃリーダーさんに一言お断りをさせていただいて狩りに行きますかー」
席を立ち、会計を済ませ店を出るとフラウはリーダーであるレオンに、メールで簡潔に今回のイベントでの自分のお気持ちを伝えると、未到達エリアへ歩き出したのだった。
更新止まってすみません。
別作品でのモチベが上がってしまいそっちばかり更新してしまっていました。
不定期ではありますが、こちらも更新していくので、感想、評価、ブクマなどしていただけると嬉しいです。




