イベントのモチベって大事
二日後の夜、所属するクランの会合に顔を出していた。
「やあ来てくれたんだねフラウ。 さ、空いてる席についてくれ」
にこやかに歓迎の言葉をかけてくるクランリーダーのレオン、その爽やかすぎる笑顔に若干引きながら一番後ろの空いてる席に座る。 周りを見渡し席に着いているメンバーを見ていくと、知らない顔ぶれが増えており、この二日間でまたメンバーを増やしたのだろう。
「えー来週のクラン対抗イベントの詳細が発表された。 ルールは簡単。 フィールドにイベント期間限定ナイトメアが出現するのでそれを討伐するとポイントが加算されていくという物で、種類も豊富で装備がまだ整っていない初心者から上級者までがちゃんと討伐できるナイトメアが用意されているようなので安心してイベントに参加してほしい。 もちろんポイントだけでなく通常通りの経験値も加算されるから新規のクランメンバーも増えた事だし親睦を深めるいい機会だと思う。 そして上位入賞クランには様々な特典が用意されている……で、その特典なのだが」
一度間を置き、一旦溜めてからレオンは口を開いた。
「優勝フラッグと賞金……そして来月実装予定のクランルーム及びマイルームの管理NPCの先行配布券だ」
「え!? リーダーそれホントかよ!」
「来月実装予定の例のあれかぁ!」
場が一気に盛り上がる、行ったことはないが居酒屋などでどんちゃん騒ぎし始めるパリピとかこういうノリなのかな?などと思い浮かべながら何処か冷めた目で見つめる。 正直それほど魅力的な報酬とは思えないものだったので、ちょこんと椅子に座って前の席に座っているメンバーの大騒ぎをただただ見つめるのみ。
「そう、なんと優勝すれば僕たちのこのクランルーム、そしてみんなのマイルームにあのNPCがやってくるのだ。 それも他のプレイヤーより早く」
「俺マジで本気だすわ」
「有給使ってぶっ続けでやってやらあ!」
「俺好みの幼女にカスタマイズしてお洋服も……フヒヒ」
メンバーたちがそれぞれ大声で騒ぎ出したのをレオンが鎮めたあと、低レベルプレイヤー及び初心者プレイヤーに中級、上級プレイヤーが引率してポイントを稼ぐ手伝いをする分担を決める会議。
そしてイベント後半では大型ナイトメアがフィールドにランダムで出現し倒す事が出来ればかなりの高ポイントをゲットできるという話もされたのだが、正直報酬に全く興味が湧かなかったので適当な口実を作り、そそくさとログアウトした。
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