成果
上機嫌で新しく手に入れたグレネードランチャーの具合を確かめに向かった私は、さっそくクエストを受注しソロでは2回目の挑戦を開始した。
「この間の三人組の人が使ってたけど……重量はさっき使ったサブマシンガンと違って少し重たいから早めに間合いを取って回避行動に移れるようにしておかないと厳しい感じだなぁ……弾道も……独特だね……よっとっ!」
装備して構えて視界に表示される弾道のラインを見ながら、微調整して敵ナイトメアに発射……ドォンっと豪快な音が鳴り響き体力ゲージをサブマシンガンで削っていた時よりはいくらかダメージが通っているのを確認。
「おおっ! 派手で迫力あるし威力も中々……っと。 やっぱり自分で撃って試してみないとわかんないなこういうのは」
突然の攻撃に驚いたナイトメアが狙いを定め一気に突進を繰り出してきたので、余裕をもって回避、攻撃を外し体勢が崩れたナイトメアに再びグレネードランチャーをお見舞いする。
「ひゃっはー! 吹き飛べえ!」
ご機嫌に連射してみる、だがすぐに弾切れを起こしリロードをしなければならなくなる。
「装弾数が少ないのが辛いかな……ダメージは結構入ってるけど……」
いそいそとリロードを終わらせ距離を取り再び突進を再び回避して再び撃ち込む。 パターンを掴みだしたので、このままダメージを与え続けて押し切ろうと気合を入れてナイトメアを追い込んでいく。
「よっし! イケるイケる! 私一人でもこいつを狩れる!」
喜々として連射し爆発音を轟かせながらナイトメアへ確実なダメージをいれていく。そして体力ゲージはさきほど追い込んだところまで減り、ここからが未踏の領域の始まりである。
「パターンが変わってもこいつで削り切って見せるっ!」
油断してやられてしまっては勿体ないので、冷静さを忘れずに無理に追撃をしようとはせず、動きをしっかり見て隙が大きい攻撃モーションが来た時を狙って確実なダメージを入れていく。
そしてついにラスト数ドットにまで減った体力を丁度残弾の一発で仕留め、ナイトメアは粒子になってきえレベルアップを果たした。
「お、レベル上がったじゃん。 やったね……っともうこんな時間。 落ちよっと」
メニューを開いてレベルアップボーナスのポイントを振り分けようとメニューを開いたが視界の隅に表示されている現実の時刻を見て操作を止め、ログアウトをタップして離脱。
「あ、クランチャットで挨拶するの忘れた……ま、いいか」
ログアウトしてから気づくがわざわざ入り直すほどの事でもないと判断し、食卓に向かって階段を降りていく。
「お母さん今日の夕飯なにー?」
「今日昼にテレビでパスタ特集してるの見ちゃって、どうしてもパスタが食べたくなっちゃったのでパスタにしました!」
「おー、ペペロンチーノにカルボナーラにナポリタン……」
食卓につくと少し大きめの皿に三種のパスタ料理が小分けにされて盛り付けられて用意されていた。
「こんなに食べられるかなー……」
「残ったら明日のお弁当に入れるから気にしないでいいわよ」
「んーお腹結構空いてるから入るかもしんない。 ま、いっか。 いただきまーす!」
テレビを見ながら談笑しつつ結局夕飯を全部平らげ食器を片付け、風呂を済ませ自室に戻り再びログインするために横になった。
「あー美味しかっしお腹も膨れたし満足じゃー」
腹を撫でながら片方の手でVRダイバーを被り銃の世界へ旅立つ。




