表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲットリッダーズ  作者: 早尾アスカ
第4話 [知らなくていい真実もあるよね。]
34/76

もう逃げたくなるな。 ー潮田大翔ー

「ぐぁぁぁぁぁ!!」


 俺はガードレールに叩きつけられた。

 白い体毛のノゲムは依然として落ち着いた様子でいる。


「くそっ…… 必ず……お前を倒す!!」


 俺は殴りかかった。が、ノゲムの角からいくつもの火球が射出され、俺の体にぶつかる。


「うぁあぁあぁぁぁ!」


 俺はその場に倒れた。


『1minute 1minute 1minute 1minute……』


 制限時間が残り1分であることを伝えるアラームが、チェンジャーから鳴り響く。


 さすがにヤバい。このままだと、制限時間を待たずとも体が崩壊する……


「ファララララララッ!!」


 ノゲムは奇怪な音を出しながら、倒れている俺をひたすらに蹴り続ける。


 俺はどこまでも、どこまでも転がされた。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ぐぁっ!」


 俺は残っている体を動かしてやっと、かろうじてノゲムを蹴りを避けた。


 でもこれ以上は無理だ。アーマーの破片がボロボロこぼれ始め、体中は火傷や打撲で痛い。立つこともできないぐらいだ。


「ファララ! ファララ!」


 ノゲムがゆっくりとこちらに向かってくる。気のせいか、笑っているようにも聞こえる。


「ファラララララララララァァァ!!」


 ノゲムが一番大きな火球を発生させる。火球は俺の視界の全てを覆った。


 もう終わりだ。俺はここで死ぬんだ……


 俺は火球の明かりに目を細めた。

 その瞬間、何者かが俺と火球の間に立ち塞がった。


 最大の火球が“立ち塞がった者”に当たる。当たった瞬間の熱風が俺を吹き飛ばした。辺り一帯に壮大な爆音が響く。


 俺は数メートル先へと転がった。制限時間がきたのか、いつのまにか俺の変身は解除されていた。


 なんとか力を振り絞り、前を見ると、やはりゲットリッダーだろう。火球を受けた何者かがノゲムと戦っている。

 

 信じられない。あんな大きな火球、無傷の状態でもかなりのダメージを負うはずだ。下手したら命も危うい。

 それでも、目の前のゲットリッダーはピンピンしている。なんなら余裕さえ感じる。


「ファラララ! ファラララ!」


「お? どうしたどうした~、アンタの力はそんなもんかなぁ~?」


 ノゲムは同じように火球を繰り出すが、ゲットリッダーは持っている大きな盾で軽々と弾き飛ばす。

 辺りに火球が飛び散り、大量の煙が舞う。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 Iron(アイアン) attack(アタック)


 ゲットリッダーはスキルを発動し、鉄の塊となった盾をノゲムに当てた。

 ノゲムは遠くへ弾き飛ぶ。


「よ~し……じゃあそろそろ終わりにしよっかな~」


 ゲットリッダーはチェンジャーにキーを挿した。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 Style(スタイル) change(チェンジ)


 その瞬間、ゲットリッダーの顔周りに位置する破片が中心に統合、単眼の仮面に変化した。胴体にある鎧は腕と足に分散され、持っている大きな盾も、巨大な剣へと変形する。


「あんたの地獄、ここにきーめた!!」


 ゲットリッダーは下に指を指し、声を弾ませ、スキップしながらゆっくりとノゲムに近づく。


「ファラララァァァ!! ファラララァァァァァァァァァ……!」


 ゲットリッダーは大きな剣でノゲムを一突きする。攻撃を受けたノゲムはすぐに膨れ上がり、爆発した。




 なんてパワーだ。スキルキーで技を繰り出すのではなく、ただの剣の一突きでトドメをさすなんて……




 驚きも束の間、俺の目には更なる驚愕の光景が写った。


 爆炎の中、姿を表したゲットリッダーは、“人間”を、“人”を引きずりながら、こちらへ歩いてくる。


「ちょうどいいやー、そこのあんた。公園の失踪事件について調べてるんだよねぇ? 僕がいいこと教えてあげるよ~」


 ゲットリッダーは変身を解除した。黒いパーカーのフードを被り、白く不気味な仮面をつけている。

 “仮面の人間”は、未だ倒れたままの俺の目の前まで来て、ひきづっている人間を放り投げた。


「この人、さっきのノゲム」


 加工しているような無機質な声が平然と言う。


「はぁ……? 何言ってんだよ……この人が……ノゲムだって……?」


 俺の心に、怒りが込み上がってくるのが分かる。


「またまたぁ~、頭の悪いあんたでも、このことぐらい予想できてんじゃないのー?」


「どういうことだよ! この人は何なんだよ! あの妙なノゲムは……何なんだよっ……!」


 俺の頬に、何か冷たいものが流れてくるのが分かる。


「だからぁ~……こいつも、あんたが朝倒したノゲムも、数日前他のゲットリッダーと協力して倒したノゲムも、初めて倒したノゲムも、ヒトの特徴を持った二足歩行のノゲムはぜーーーんぶ……人がノゲムと融合した怪物だってこぉ~とっ!」


 仮面の人間は平然と、能天気に答える。


「ふざけるな!! 嘘をつくな!! そんなことあるはずが……グハァッ!」


 仮面の人間の足が、俺の顔面を当たる。


「うるっさいなぁ~ちょっとは静かに話してよー 唾が飛ぶじゃん……」


 仮面の人間はハンカチで自分の足元を拭く。


「この人はー、帝頂辺天(ていちょうへんてん)大学生命科の武内智史(たけうちさとし)


 仮面の人間は武内智史という男の写真を出した。


「そして、あんたが朝殺したのが同じ生命科の近藤和夫(こんどうかずお)、その前に殺したのが生命科大学院生の清水由紀子(しみずゆきこ)


 仮面の人間は、被害者の写真を次々と俺の目の前にばらまく。


「そんであんたが最初に殺したのが……同大学、同学科所属の“横常礼人(よこづねらいと)”」


 横常礼人の写真が、ひらひらと、ゆっくりと落ちていく。


 まさか……あのノゲムが…… 俺が最初に倒した……いや、()()()ノゲムが……


 仮面の人間は俺の周りをゆっくり歩き、悠長に話す。


 地面には、死体のそばに3枚の写真。

 

 涙がただひたすらに流れ、当分は止まりそうになかった。

 これにて、第4話終了です。

 次回、第5話。大翔はどうなってしまうのか、ご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ