マネージャー ー安城麗華ー
やっぱりスーツとヒールは慣れない。もう少し動きやすい格好の方がよかったのかもしれない……
私は歩くのに苦労しながら、志治乃木幼稚園までの道を大翔と歩いていた。
「で? なんで麗華も来たの?(笑)」
大翔は私に気を使ってるのか、少し口角をあげ、眉毛も歪めながら聞いてくる。
「だって私ー……大翔のマネージャーだから?」
思いきってぶりっこ気味に言ってみた。
「もー、今回は営業?だから良いけどさ、いざ戦うってときは来るなよ? いくら麗華でも巻き込みたくないんだからさ」
「え……あ、うん……ありがと……」
急に暑くなってきた。柄にもなくぶりっこしたのもあるけど、こうも自然に気を使われると恥ずかしくなってくる。
私は大翔のそういうところが好きだ。周りは大翔のことを普通だとか、どこにでもいるとか言うけど、みんなちっとも分かっていない。大翔は優しいし、ちょっとしたことに気配りができるし、表と裏を分けて人に接しないし、かといって嫌いな人でも分け隔てなく接することができるし。
どんな人にでも素をだせていなかった私にとって、そんな大翔は輝いて見える。初めての彼氏が大翔で良かったと思うし、ほぼ毎日大翔との結婚生活を夢で見てしまうぐらいには好きだ。
だから、ゲットリッダーになった大翔が心配で、こうやって大翔の傍にいるようにしてる。私がいてもどうにもならないと思うけど……なんとなく傍にいる。
「お! あそこだ。すーごいいっぱいいるなぁ~!」
幼稚園の門から、子どもたちと先生が大翔と私を出迎えてくれる。
手を降ってる子、数人ではしゃぎながら大声で大翔を呼んでる子、先生の後ろで恥ずかしそうにしながらも大翔をじっとみてる子。
なんだか大翔が、本当に子どもたちのヒーローになった感じがして、私も嬉しくなってきた。




