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ゲットリッダーズ  作者: 早尾アスカ
第3話 [子どもってまじなに考えてんのか分かんないよね。]
21/76

ニュースサイトの言うことは大体信じないことにしたわ。 ー潮田大翔ー

●あらすじ

 前回、正式にゲットリッダーとなるため合宿試験に挑んだ大翔。自分の失態でノゲムを逃がし、一度はヒーローになる夢を諦めそうになるも、ゲットリッダー・ロウルフをはじめとした周りの人たちのサポートにより、ノゲムを撃破することに成功。見事、正式なゲットリッダーとなったが……


●登場人物

潮田(しおた) 大翔(ひろと) ♂

 2009年12月22日生まれの20歳。帝頂辺天大学理学部3年生。才色兼備の彼女はいるが、本人はいたって普通のどこにでもいる大学生。毎日退屈な日々を過ごしていたが、ある日を境にゲットリッダーになる。


安城(あんじょう) 麗華(れいか) ♀️

 2010年2月26日生まれの20歳。大翔と同じく帝頂辺天大学3年生で、大翔の恋人。チアリーディング部に所属しており、部活内での信頼が厚く、容姿端麗でもあるので男子からもモテる、みんなの憧れの存在。基本的に気の強い性格ではあるが、大翔の前では変わった一面を見せる。


大空(おおぞら) 心助(しんすけ) ♂

 ゲットリッダー・ロウルフの変身者。寡黙で、ゲットリッダー同士のつながりを好まない。そんな性格からか、周りからは一匹狼と呼ばれている。


赤西(あかにし) 竜也(たつや) ♂

 志治乃木幼稚園、年長の園児、6歳。生意気な性格で周りの園児とはあまり遊ばない。


渡辺(わたなべ) 陽子(ようこ) ♀️

 志治乃木幼稚園の教諭。たつやのいる、ばら組の教諭。穏やかで心配性な性格。何かとたつやを気にかけている。

 あの合宿試験から2週間が経った。俺は正式にゲットリッダーとなり、ヒーローとしての自覚を持ちながら、自分なりに筋トレだったりランニングだったり、人々を守るための準備をしていた……が。


「はぁー……今日もノゲム退治の出番はなかったなぁー。ま、それぐらい平和ってことか……」


 俺は結構でかめな独り言を呟きながら、1階にあるアパートの部屋の前まで来た。

 今日はランニングをした。部屋を出てすぐの角を曲がると、幅が広く交通量の多い大きな道路がある。この道路沿い、往復約6キロを走るので、生まれて20年特に運動もしてこなかった俺にとって、かなり疲れる距離である。ほぼ毎日やっているので、次第に楽にはなってきたが、それでもこの炎天下だ。今は全身から汗が湧き出ている。


 俺は扉を開け、靴を脱いで玄関に上がり、しっかり手洗いうがいをしてからシャワーを浴び、髪を乾かして、スマホを見る。麗華(れいか)からメッセージが来ていたので、少し考えてから返信し、なんとなくSNSを開く。

 今まではあまり投稿していなかった。ていうか趣味も何もないし、特に投稿することがなかった。大学の知り合いなどがフォロワーになっているが、どいつもこいつもどこどこに遊びに行っただとか、なになにを飲んだとか超個人的なものばかりを投稿してて、正直俺には興味のない投稿ばかりだ。もちろんそんな人たちを否定するわけではないし、それが楽しいと言うのなら勝手にやってくれて構わないが、俺は興味がない。ただそれだけだ。

 そんなこんなで1ヶ月近く放置していたSNSだが、今俺はゲットリッダーという、趣味というか副業というかバイトというか、そんなことをしていて、なんかとりあえずやっておこうと思い、週に3,4回は投稿しようとがんばっている。ただそれも大した理由はなく、他のゲットリッダーはSNSをやっているとよく聞くし、これで誰かしらと繋がれば、アドバイスを貰ったりしてゲットリッダーとしての腕も上がったり、色んな人と仲良くなれば協力して戦ったり、色々便利かなと思ったからだ。


 画面を見ると、手紙のマークの上に赤い丸がついている。なにやらダイレクトメッセージが数件来ているようだ。


『ひろとさん! あなたのこと紹介されてますよ!』


 その内の一件は、ゲットリッダーファンを名乗る人からのメッセージだった。そのメッセージにはリンクがあり、開くとそれは、どこかのニュースサイトのようだ。


『期待の新人ゲットリッダー、潮田大翔(しおたひろと)さん、ゲットリッダーファンの間で話題。その理由は……?』


 所謂どこにでもあるようなネットニュースの見出しに堂々と俺の名前があった。初めての経験に少し戸惑いながらも読み進める


『偶然ノゲムに出くわしその場でゲットリッダーとなったのは世界で初めての事例であり、世界中のゲットリッダーファンから注目されている。(中略)現在、未だ正式にノゲムを倒したことのない「ゲットリッダー・ノーマ」であるが、今後の活躍に期待である』


 基本的にゲットリッダーの名前はゲットリッダーファンの応募というか投票(?)のようなもので決まる。この俺が変身するゲットリッダーの名前、「ノーマ」というのも数件の応募で決まったらしい。

 なにやら「平均の」、「一般並みの」という意味の「normal」が語源で、それは、偶然ノゲムに出くわして、偶然ゲットリッダーとなったという、特に志があったわけでもなく、特に実力があるわけでもないかららしい。麗華はこの名前の由来を知り、少し怒っていたが、俺にとっては特別な、世界に一つだけの名前なので、わりと気に入ってはいる。

 しかし、それはそれとしてこの記事は信用できない。世界中のゲットリッダーファンが注目? そんなわけないだろう。

 実際近所を走っているときも、電車の中でも、1ミリも、誰からも、声はかけられなかったし、フォロワーもそんなに増えていない。しょっちゅうDMで来る人たちも数人だし、その人たちも熱狂的なゲットリッダーファンといった感じで、正直どんなゲットリッダーでもフォローしていたりして、たぶん俺は底辺というか、まだそういう感じの位置にあるのだろう。

 この報道、合宿前の俺だったら跳び跳ねて喜んでいたところだったが、ゲットリッダーとしての自覚をしっかりと持っている今、大した成果を出してもいないのに、良く分からないところを褒められても全然嬉しくない。


 他のダイレクトメッセージを読んだところ、どうやら全てこの記事についてのもののようだ。高校の頃の友達や大学の友達もその中に混ざっている。


「まあいいや。とりあえず寝よっと」


 ランニングに疲れ、一眠りしようとベッドに腰をかけたそのとき……


『ポン、ポンポンポンポロポンポンポンポンポンポンポン……ポン、ポンポンポンポロポンポンポンポンポンポン……』


 持っていたスマホが急に鳴った。


「なんだ? 早速いたずら電話か?」


 画面を見ると03から始まる番号が表示されていた。どうやらいたずら電話ではないっぽいが……


「あ、はい……」


 俺は電話に出た。電話の奥からは、50代ぐらいの女性の声が聞こえる。


『あ、どうもぉ~! 世田輪(せたがわ)区立 志治乃木(しじのき)幼稚園、園長の小室(こむろ)と申しますぅ~。潮田大翔さんのお電話でお間違いないでしょうかぁ~?』


 突然のことで、俺はしばらく硬直してしまった。

 第3話開幕!

 大翔のもとに謎の電話が……

 新たなゲットリッダーに遭遇……!?

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