つらいことが終わったとき、どんなことがあっても多少は許せるよね。 ー潮田大翔ー
「でも、ほんとに合格するなんて……合宿前は少し不安だったけど、今の大翔を見てるとなんか安心してきた!」
俺たちは“あのときの公園”のベンチで、ゲットリッダー合格の件の話をしていた。
「それはよかった」
久しぶりに会う麗華のお馴染みの笑顔に、俺は思わず笑みを溢さずにはいられなかった。
「でも、最初は8人だったのに、結局俺とあいつの2人だけになっちゃったんだよな~。まあそれでも、あの6人にもそれぞれ可能性のある未来がある。そんな人たちも守るのが俺たちだからなっ!」
俺は、らしくないセリフに自分で照れながら、辞めていった他のチームメイトのことを考えていた。
短い期間で、多田ほどそこまで関わりがあったわけではないが、みんながみんな合宿が辛くて辞めていったわけではなかった。それに、あの合宿が辛くて辞めていたとしても、それはそれで良い選択なのかもしれないし、それによってまた違う未来がある。このことはずっと、肝に銘じていかなくちゃいけないことだ。ゲットリッダーになった俺たちの方が特別凄いというわけでもないんだ。
「そっか……がんばってね!! 私も、できるだけのことはするからさ!」
「うん……ありがと!」
俺はあまりにも真剣な話をしている自分に少し恥ずかしくなる。誤魔化そうと立ち上がって背伸びをしようとしたそのとき、あの聞き慣れた鬱陶しい声が聞こえてきた。
「おぉい! 潮田大翔ぉ!! お前にこんな可愛い彼女がいたなんてなぁ!! なぜ俺に言わなかったぁ!!」
合宿でいろいろ世話になった多田が遠くの方から全速力で走ってくる。
別に言わなくてもいいだろ。ていうかなんでいるんだよ。
そんなことを心で思いながらも、今だけはこいつのバカさ加減も許してやろうとも思った。
結局、多田の乱入によって、俺たちはかなりの時間を費やした。
多田と話すのも面倒だったが、一難去った今となってはそんなことどうでもいいぐらいに、俺は上機嫌だった。




