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ゲットリッダーズ  作者: 早尾アスカ
第2話 [部活やスポーツクラブの合宿って、1日1日がめちゃくちゃ長く感じるよね。]
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作戦成功って、考える人だけのおかげじゃないよな。 ー潮田大翔ー

 俺は昨日の現場にいた。

 あのときから1日しか経っていないのに、俺の覚悟は昨日までの生半可なものとは違う。

 俺は決めたんだ。人々を守るために戦うと。


「キュルキュルキュルキュルキュル……」


 錆びた鉄が擦れるような、鈍い音がこっちに近づいてくる。


「もう来たのか……よしっ!!」


 俺は軽く準備体操をし、深呼吸を一回してから、チェンジャーを腰に装着。ノゲムキー、スカロプスラッコキーを挿入、回した。


get(ゲット) rid(リッド)!!」


change(チェンジ) Getrider(ゲットリッダー) Union(ユニオン) Scallopsracco(スカロプスラッコ)


 「ディメンションワールド」と呼ばれるノゲムが収容されている世界と、この世界とを繋ぐ“扉”が開き、あのラッコノゲムが現れ、細胞分裂。俺の紺のアンダースーツにアーマーが装着された。


 俺の体は「ゲットリッダー」へと変わった。名前はまだない。


 俺が変身完了したのとほぼ同タイミングで、施設の柵からノゲムが出てきた。3体のギアノゲムの歯形が組み合わさり、連動し合っている。予想通り3体のノゲムが合体していた。「ギアノゲム第2形態」だ。


「キュルキュルキュルッ!!」


 ノゲムがこちらへ迫ってきた。しかし、俺は抵抗しない。それが俺の役目だ。


「キュル……ガァァァ!!」

 

 突如バイクに乗ったゲットリッダーがノゲムに体当たりを食らわす。

 ノゲムは吹き飛び、火花を散らせながら地面に転がる。


weapon(ウェポン) 転送 Swordfishuhorn(ソードフィッシュホーン)


 ノゲムを吹き飛ばした紫のゲットリッダー、ロウルフは武器を召還し、ノゲムに向かって攻撃を開始した。

 転がっていたノゲムは再び浮遊し、ロウルフに襲いかかる。


「おい! “ノゲムを逃がしたバカ”!! 早くやれ!」


「俺は()()()()ですっ!!」


 俺は大声で反論しながら、スキルキー「ランダムビーム」を取り出し、チェンジャーに挿して回した。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)


 すると紫の液体が指先から少し出始めるのが見えた。


「毒のビームだ~ これじゃない!」


 俺はビームを、近くの建物のアスファルトでできた壁に向けて出す。やがてビームが途切れると、俺はもう一度キーを回した。

 

attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)


 次は水がでた。これでもない。もう一度壁に出し続けた。


「おい!! まだか! お前はくじ運もないのか!」


 そう言いながらもロウルフは華麗に攻撃を避けながら、ノゲムと戦う。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)

 

 毒がでた。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)


 冷却ビームがでた。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)


 また水がでた。もう懲り懲りだ。


「早くしろ! もうそろそろお前の活動時間に限界が来るぞ!!」


 そうだ。こんなにキーを使ってれば、エネルギー消費も早い。

 俺はもう一度キーを回した。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)


 その瞬間、手に微量ながらも痺れる痛みを感じた。


「大空さん! きました!!」


 その合図が聞こえたのか、ロウルフは攻撃をよけ続けていたが一転、スキルキーをチェンジャーに挿して回した。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 discharge(ディスチャージ)


 ロウルフは手をかざし、大量の水流をノゲムに当てた。ノゲムは水でびしょびしょになった。


attack(アタック) skill(スキル) 発動 grass(グラス) tie(タイ)


 地面の雑草が伸びるとノゲムに絡み付き、ノゲムの体は地に縛りつけられる。


「今だっ!」


「はい!!」


 俺は手をかざし、ノゲムに電撃の光線を当てた。

 このギアノゲムの細胞は金属でできている。その上全身は水浸しだ。そんなノゲムには電気の攻撃が最有力だった。

 ノゲムは怯む。細かく痙攣し、もはや草を引きちぎる元気もない。


「とどめだ」


 ロウルフは最後のキーをチェンジャーに挿して回した。


final(ファイナル)! High(ハイ) wabe(ウェーブ) horn(ホーン) brake(ブレイク)!』


 ロウルフの足元から突如小さな波が見えた。その波は次第に大きくなり、ロウルフを高く高く上げた。

 ロウルフはその波から地面に向かって跳ぶ。高い位置から身を任せ、そのまま武器である巨大な針を、ノゲムめがけて突き刺した。


「グァルァルァルァァァ!!」


 ノゲムは太い声を上げながら激しく爆発した。


 周囲には金属の細かい破片が飛び散る。


「は……お、終わったぁ……」


 俺は安心するとともに、変身を解除して、地面に座りこんだ。もうこれ以上体は動きそうにないぐらいに緊張した。


「よく成功させたな……まあ、せいぜい残りの日数逃げ出さぬよう頑張るんだな……」


 同じく変身解除した大空さんは俺の肩を優しく叩いてくれた。

 おそらく、100%のやさしさでかけた言葉ではないだろう。それでも、大空さんの言葉は俺の心には何かグッとくるものを与えてくれた。


「おい潮田大翔! よくもまあ作戦を成功させたなぁ! だが、これはお前だけの手柄ではなぁい……この作戦は俺とお前とで考えた作戦だからな! これは俺の手柄でもあるッ!!」


 いきなりあの“鬱陶しいやつ”がおれのもとにきた。

 ほかのみんなと教官もずっと遠くで見てたらしく、多田に次いでわらわらと俺のもとへ来てくれた。


 なんか少し恥ずかしくて、この場から逃げたい気持ちが出てくる。でも、今は作戦を成功させただけで他はどうでもいい。何も言う気力がない。


「はぁぁー良かったぁっ!」


 予想外のトラブルを越え、ホッとしてはいるが、それでもまだ合宿は続く。


 今日をいれてあと6日間。この辛い合宿を突破し、絶対にゲットリッダーになってみせる。

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