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ゲットリッダーズ  作者: 早尾アスカ
第2話 [部活やスポーツクラブの合宿って、1日1日がめちゃくちゃ長く感じるよね。]
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取り返しのつかないミスってこういうことを言うんだな。 ー潮田大翔ー

 俺たちは地下の避難所にいた。施設内の職員らや一般人もそこにいる。


「おい状況はどうなってる! まだ倒せないでいるのか! 援軍は来ないのか!」


 教官が女性の職員に聞いた。職員は緊急事態に戸惑ってるのか、早口になりながらもそれに答える。


「それが、ギアノゲムの大群が増えているようで……倒すにはかなり時間がかかるかと……」


「そうか……」


 教官は少し眉間に皺を寄せ、何か考えごとをしているのか、目を閉じはじめた。


 やがてその目はシャキッと開き、教官は俺の顔をまっすぐに見た。


「よし! 潮田大翔!! お前が行け!」


 え? いまなんて……


 俺はただただ驚き、教官をただ見ることしかできない。


「ほら! お前のチェンジャーだ! これを使ってロウルフのサポートをしろ!」


 教官は、合宿の間預けられていた俺のチェンジャーを前に掲げた。

 俺は少し迷った。しかし、今ここでびびっていれば、これから先ゲットリッダーとしてとてもやっていけないような気がした。


「は、はい! 行ってきます!」


 俺は戸惑いながらもチェンジャーを受け取り、現場に向かって走った。

 ここまで来た道を引き返し、全速力で走る。




 やがてロウルフとノゲムの姿が見える。

 

 ロウルフは数十体いるギアノゲムと戦っていた。

 ギアノゲムは宙を浮きながらロウルフに攻撃している。


「大空さん!! 俺も手伝います!!」


「なにぃ!?」


get(ゲット) rid(リッド)!!」


change(チェンジ) Unin(ユニオン) Scallopsracco(スカロプスラッコ)


 俺は気合いを入れて変身した。こないだよりも発音よく言えた。なんとなく上手くいくような気がする。


「よぉぉし! やってやるぞ!」


weapon(ウェポン) 転送 Hotablade(ホタブレード)


 俺は変身し、ホタブレードを手にした。まずは目の前にいた1体のノゲムに斬りつける。しかし……


カキィィィン……


「えぇ!? 斬れない!?」


 斬擊も虚しく、ノゲムには傷一つつけられない。


「おい! 余計なことをするな見習い! 邪魔だ! 誰の指示で来た!」


 何度もノゲムを斬りつけながらも、俺は質問に答えた。


「多幾教官に指示されました!!」


 ロウルフさんは何も言わなかった。


 うわ、怒ってるよ……そうだよな、俺が来たってことは、自分が信頼されてないって思うのも無理はないよな……

 それでも今、なんとしても、少しでも、戦いに貢献しなくちゃ……


 俺はスキルキー、ランダムビームを選んだ。広範囲で攻撃するならこれが的確だと思った。

 

attack(アタック) skill(スキル) 発動 random(ランダム) beam(ビーム)


「おい! 余計なことをするなと言ったはずだ!! 今すぐ攻撃を中止しろっ!」


「俺でも! ノゲムを倒すことはできます!」


 俺は手をかざし、ビームを出した。ランダムビームは火、水、雷、氷、毒属性のうちランダムの属性のビームが射てる技だ。


ビシャァ……


「キ、キキィ……!」


 結果は……水だった。水の攻撃で相手が怯むのか、少し不安だが、どうやら少し効いているようだ。


 この攻撃が成功だったんだ!

 そう思った瞬間、水流を受けて怯んだはずのノゲムはさらに早く動き始めた。


「え!? ど、どういうこと!?」


「貴様! 余計なことをするな!!」


 いや、確かにダメージは与えたはずだ。しかしノゲムの動きは格段に早くなった。

 俺は焦ってノゲムに斬りかかる。しかしそれは躱され、剣は風を切ってしまう。

 

 戸惑っていたのも束の間、ノゲムたちは俺たちに体当たりをしてきた。


「ぐはぁぁ!」


 俺に当たった3匹のノゲムはすぐに施設外へと逃げていった。

 俺は全身に強い衝撃を受けるとともに、心にひどい自責の念を感じる。

 

「ハァッ!!」


「ギィィ!」 「キィア!」 「キィゥ……」


 ロウルフさんの方は、迫りくるノゲムを次々とよけ、刺突攻撃で一匹一匹着実に倒していった。




 やがて現場にはノゲムの死体だけが残されていった。

 ロウルフは変身を解除した。俺も変身を解除する。


「最悪だ……俺のせいで、3匹のノゲムを……」


「おいお前! なにをしてくれてる! わざわざ『マディストリーム』であいつらの視覚を鈍くさせたというのに……! お前の緩い水流のおかげで! 綺麗に洗い流されたじゃねぇか!」


 大空さんが俺の胸ぐらを掴み、怒鳴った。


「ノゲムを一度逃がすという行いがどういった悲劇を生むのか、習わないと分からないのか!!」


 大空さんは俺を突き飛ばした。


 最悪だ。俺はなんてことをしてしまったんだ。教官に頼られて、調子にのってしまった。完全に自惚れていた。

 

 俺は下を向き、地面に座りこんでいた。

 まもなくして十数人の足音が聞こえてきた。


「おーーーい潮田ー! もう倒したのかー?」


 教官が俺に聞く。


「ふざけるな! お前の教え子はなんなんだ!! ノゲムを興奮させたり、逃がしたり! こんな奴らをゲットリッダーにさせる気か!!」


 大空さんは教官にそう怒鳴り、バイクに乗って去ってしまった。

 辺りはノゲムの死体とともに、重く暗い空気が流れた。


 教官が俺に近寄り、話しかけてくれる。


「潮田、すまない、これは俺の責任だ。今日はもう休んでいい。明日から万全な状態で特訓するぞ。」


「……はい」


 俺は小さい声で返事をした。


「教官、俺はどうすれば……」


 多田が小さい声が聞こえてくる。


「お、お前は……ギアノゲムの生態についてレポートを提出しろ。それまで訓練はなしだ。いいな?」


「え……あ、は、はい……」

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