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ゲットリッダーズ  作者: 早尾アスカ
第2話 [部活やスポーツクラブの合宿って、1日1日がめちゃくちゃ長く感じるよね。]
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トラブルメーカーってあいつのためにある言葉だわ。 ー潮田大翔ー

「よし! じゃあ次はぶつかり稽古だ!! 各自、くじを引いてペアを組むように!!」


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 全身は汗だく、足には力が入らない。これでウォーミングアップだ。きつすぎる。

 俺はフラフラになりながらも前にあるくじを引いた。結果は……


「よぉぉし! 潮田大翔! かかってこい!! この多田拓に勝てるかなぁ~?」


 お前かよ。


「よし! じゃあー……初め!!」


 教官が首にかけた笛に口をつけようとしたとき、女性の職員が教官のもとへ駆け寄り、なにやら教官に耳打ちした。


「施設内にノゲムが現れました。一応避難をお願いします」


「なにっ? ノ、ノゲムだと!?」


「はい、『ギアノゲム』です。まだ一体しかいませんが、早く対処しないと、合体して形態変化をする恐れがあります」


「周りにゲットリッダーは?」


「ロウルフさんに声をかけています」


「お、今日も来ているのか……うん、良い機会かもしれんな……」


 教官は俺らに体を向けた。


「よし! 今から大空、ゲットリッダー・ロウルフのノゲム駆除の見学をする! ついてこい!」


 避難しろと言われたろ……まあ、あんな強いゲットリッダーが対処するなら、被害もないか。


 俺は心の中で愚痴を吐きながら、仕方なく教官の後をついていった。




 俺たちが現場に向かうと、既に大空さんはゲットリッダー・ロウルフに変身していて、地面でクルクル回っている何かを今にも殺そうとしていた。掌に収まらないぐらいのサイズ、例えるならMサイズのピザぐらいの、歯車のような形状のノゲムだ。


 俺たちは少し離れたところからその様子を恐る恐る見ていた。


「なんだこの程度か。これなら見学にもならんかもな」


 教官が残念そうに言った。


「ん? なんだこれ」


 横から突然素っ頓狂な声がした。声のした方向を見ると、低木の茂みの側、多田がかがんで何かを手にとっていた。


「教官、これなんでしょ?」


 多田はそれを教官に持ち寄り、緊張感のない声で質問する。

 気のせいか、それは今ロウルフが殺そうとしているノゲムに似た物体だった。しかしそれはまるで壊れてしまった機械の部品のように、一ミリも動いていない。


「お、お前! 早くそれをしまえ!!」


 多田の手のひらにある物体を見た瞬間、突然教官は血相を変えて多田を怒鳴った。


 突然の怒声に俺の体はビクっと動く。何がなんだかさっぱり分からない。


 俺だけでなく、数人のチームメイト、施設の職員、そしてロウルフもこちらに目を向ける。周囲が戸惑っていたとき、ノゲムも同じように多田の手のひらを見た。


「キィィィァアァァァ!!」

 

 突然ノゲムが奇声をあげ、暴れた。


「っ……!」


 ロウルフは少し戸惑ったものの、すぐに落ち着きを取り戻し、ノゲムの腹を、手にはめた大きな針のような武器で突き刺した。

 ノゲムは動かなくなり、多田の持っている物体と同じようになった。


「おい何をしている!」


「え……あ……え……」


 ロウルフも多田に怒鳴り、多田はただただおどおどしている。


「多幾! 見習いを避難させろ! すぐに大群が来る!」


 ロウルフは必死な声を上げる。段々と、今のこの状況の深刻さが分かってきた。

 

「あ、あぁ分かった!! お前ら!! 俺についてこい!」


「は、はいっ!」


 俺たちは急いで現場を離れた。

 必死に走る俺たちの後ろからは、キュルキュルと気味の悪い音が聞こえ、それは次第に大きくなっていった。

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