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お兄ちゃんはシスコンです!

読んでくださってありがとうございます。

少しでも楽しんで貰えると嬉しいです。

私が転生してから早2週間が経ちました。2週間も経てば私が話せるようになったことに驚く人もだいぶん減って、みんな明るくなったメリアにも慣れてくれた。

「ハルー髪触らせてー。」

何変態なこと言ってるんだって思いましたか?まんなが過保護すぎておうちから出れない私が最近ハマってる癒しゲームです。ハルの髪は日本にはないようなリアルな金髪ですごくふわふわなのっ!そう、ポメラニアンみたいな感じ!ハルがよくしゃがんでお話してくれるからどうしても我慢できなくて触ったのが1週間前。ハルはなんやかんや私に甘いらしくて1日1回は許してくれてる。

「はい、わかりました。何度も言うようですけど、男性の髪を触らせてくれって言うのは私だけにしてくださいよ?他の人にするとすごく怖い目にあうのですから。」

こうやって毎回同じセリフをずっと言ってくる。そんな悪い人の髪を触るわけないじゃない。

「ハルだけにしか頼まないよ?ハルしか許してくれないだろうし。」

うぐ、、っと悔しそうな顔をしながらも頭を差し出してくれるあたり、この人もいい人すぎる。こういう人が詐欺に合うんだよーって思いながら優しくなでなで。ハルに心無しかしっぽが見えそうになるのはワンコ属性だからなのかな。

「ほう…。ハルベルト、いいご身分ではないか。」

部屋のドアの方から知らない人の声が聞こえた気がします。まあ、無視しましょう。知らない人に声掛けられても無視しなさいって習ったし。

「ハルー?そっち向いてたら触りづらいからこっち向いてー。」

ハルが声のする方に向くから強制的に動かします。両頬を掴んでグイッと。あ、痛かったかな?いつも髪を撫でさせてもらうお礼にハルのほっぺたをなでなでするのが対価なの。何かお礼させてって言ったらハルが頬を撫でてくださいって珍しく言うから毎回してあげる。これすると嬉しそうに目を細めるんだけど…。

「メ、メリア様!!今はそれはおやめ下さい!」

あれ?いやいや、ってずっと顔を退けようとする。イヤイヤ期??

「なんで?ハルこれ大好きじゃん。いつもみたいに膝に頭乗せてもいいよ?エリーに怒られるまでだけど。」

「メ、メリア様!それ以上は2人の内緒だと言ったではないですか!今、ドアにいらっしゃる人は無視ですか!?」

あ、まだいたんですか?知らない人は知りません。

「ハルベルト、いつも、頬を触ってもらい、膝に頭を乗せていたのか…。ほう…。貴様父上との約束を破ったということか?メリアの気持ちも無視して純粋無垢な我が妹を…!」

あれ?今妹って言った?じゃあもしかして…この人お兄ちゃん!?知らない人じゃなかった…。

「知らない人などではありません!あなたの実の兄、次期当主候補のノワール様です!」

ハルが私のもふもふタイムから逃れて騎士としての忠誠のポーズをする。なんで知ってるかって?あまりにも暇なので図書館の本を読んでるんです。庭にも出してくれないので。

「お兄様…ですか?」

メリアのお兄ちゃん美形だなー。メリアと目元がそっくり。転生して2日目に鏡みてあまりの綺麗さに私夢かと思ったくらいメリアって美人なんだよね。肌もプルプルで真っ白、銀の長い髪は本当に妖精みたいなんだよ。お兄ちゃんは黒髪だからお父さんかお母さんが黒髪なのかな?

「メリア。あんまりこいつに調子を乗らすな。まだ12歳とはいえ、もう後3年で学院に入る歳だ。あまり無防備なのはいただけない。」

え、お兄ちゃん怖っ!めっちゃハルのこと睨んでる…。ずかずかと私のテリトリーへと入ってくるお兄ちゃん。うわー、怒られるっと思って咄嗟に目をつぶった。すると頭にあたたかい物が置かれた。

「メリア…。喋ることができるようになったとお前の侍女から報せが届いた時は嘘かと思ったが本当だったのだな。愛くるしい声をしているではないか。」

なでなで…。なでなで…。あたたかい物は手だったらしい。さっきの顔が嘘みたいに優しく微笑んでこっちを見てる。この人もメリアのことが心配だったんだね。

「お兄様…すみません…。私記憶がなくて…お兄様のことが何も分かりません…。」

これだけは申し訳ない。転生したのにいくら経ってもチート能力はなさそうだし、記憶はないしでこんなに大事にしてくれてるお兄ちゃんのことさえ覚えてないことになる。

「そうか。ストレスによる記憶障害は治ることが難しいとされているものだ。無理せず新しいこととして覚えていく方がいいだろう。無理に思い出さなくても良い。今元気に過ごしている、それだけでこの屋敷は明るくなっている。」

おう、お兄ちゃんは残念感のないイケメンですか!?これは眼福ですね…。じー…もう少し見とこう。減りそうだから。

「っ。メリア、そんなにこちらを見るな。お前は愛くるしいのだからどうしたらいいかわからなくなる。ああ、そうだ、お前の寝室の方に王都で買った土産を運ばせている。また開けるといい。」

「ありがとうございます。お兄様。また後でエリーとハルと開けさせていただきます。」

「ハルベルト…お前は寝室にまで入っているのか!!お前は私が学院にいってるすきにメリアに懐かれすぎだ!学院から休みをもぎとって帰ってきたと思えばお前が1番大事にされているだと!許さん!」

ハルは寝室には男として入れませんって頑なに言ってたんだけど、私が雷や嵐の日になると寝れてないのバレてたみたいで天気が悪い時だけドアの中で警護してくれてるの。だから当たり前のように言っちゃった。ごめんね、ハル、めっちゃ顔真っ青だし。それに…。

「お、お兄様…こわい…。」

私、優しい顔と厳しい顔の差がある人ってすごい苦手なんです!なんか裏表ありそうで!

「メ、メリア…すまない、怖かったな。大丈夫、もう怒ってないから、、ほら、兄様はいつもメリアの王子様だからな?」

ほえ?なんじゃその歯の浮くような慰め方!この人あれだ、妹大好きお兄ちゃんんだ!うわ、残念だ…。

「お兄様、ハルを怒らないでください。私が雷が怖いからそばにいてくれてるんです…。」

最近気づいたことなんだけど私はJKだったっていう前の記憶と12歳っていう体と精神の差があって時々12歳らしい感情の起伏になっちゃう。今もそう、冷静にそれぐらいで怖がるなよって思ってる自分とお兄ちゃん顔怖いって思ってる自分がいて今は怖いって気持ちで泣きそうになってる。

「兄様が悪かった!だから泣かないでくれ…ほらおいで…?」

「ハル!はりゅ…ぎゅー!ぎゅーしてぇ…」

泣いちゃうととりあえずハルを呼んじゃう。今さっきあった人よりもずっとそばに居てくれるハルを選んじゃうのは当然でしょ?12歳の私を怖がらせた罰だもん。べーだ。

「メリア様!ハルはここにおりますよ。だから泣かないでください。ぎゅーしましょう。……可愛い…可愛い…無理…。」

なんかずっと呟いてるけどハルはいつもそう。ぎゅーってするのは慣れたらしいけど呟いちゃうらしい。それとぎゅーしてくれたあとは絶対目を合わしてくれない。

「ハルベルト…お前…私のメリアから離れろー!!!!」

「お兄様…怖いから嫌いです…」

これくらい言ってもいいよね?だって、ハルにきつく当たる人は嫌いだもん。ぷいっと顔を背けてしまおう。そうしたら少しは反省するはずだ。

「メ、メリア…?兄様のことが嫌いか…?……そうか…怖がらせてすまない……。」

あ、足音聞こえたからいなくなったかな?少しは反省してください。ハルに意地悪しちゃだめだからね。主が従者を守る。これ鉄則。

「メリア様?ぎゅーはまだしますか?」

泣き止んだのにずっとしがみついてるからハルが困ってる。雷の日とかはずっと泣いちゃうからぎゅーしてもらってるんだよね。じゃないと徹夜レベルで寝れないの。小学生の体はすぐに体調くずしちゃうから。

「ありがとう…っ。ハル好きっ!」

「ぅっ…はい!私もずっと大好きですよ。あなたのためならぎゅーという試練も甘いものです!」

ハルは時々よく分からない忠誠をくれるんだよね。内容聞いても未来にわかりますってニコニコイケメンスマイルでかき消されるの。まあ、ハルに隠されるのは嫌な気分だけど、隠し事が未来に絶対わかるって言ってくれるから流されてあげてるの。

「メリア様ーオルトナイツ様ー。今すごい顔色の悪いテンション低い人がこっちの廊下を歩いてたんですが、大丈夫でしたか?あれ誰だったんですかね?」

エリーがお昼ご飯を持ってきてくれた。多分お兄ちゃんであろうその人はだいぶん反省してくれそう。

「メリア様、お医者様が明日から外に出ることも普通のお食事をすることもして良いとおっしゃってました。でも、日光を浴びすぎると体調が優れくなるかもしれないので時間を決めて歩くようにとの事です。」

お粥にすこし味付けされたこのご飯正直言うとまずいけど、普通の食事に戻るまでは我慢だ!……なんて思ってた私は嫌い発言がどれだけ大事になるかなんて考えてなかった。

ノワール様皆さんどうでしたか?だいぶん愛され始めます。また次回を楽しみにしてくれると嬉しいです。

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