それはよく似た記憶の物語
ギャグやほのぼのシーン、熱い展開、ハーレム、要素も有りますが。
生物的表現、専門用語、戦闘、複雑な人間関係、シリアスなシーンも沢山出てきます。
なるべくしっかりと説明は入れるつもりですので、よろしくお願いします。
凄まじい後頭部からの鈍痛と共に、記憶線が、プチっと切れるような気がした。
過去のエピソードから、切れる瞬間も忘れて。考えることも出来ず、何かを思い出すことも出来ず、ただの真っ暗な無の空間を、俺はさまよい続けていたのだろう。
しかし、それは嫌なことではなかった。
でも、嬉しい事でもない。
今になって思う。
それが、俺の望む’’明るい世界’’だったんだ。
泥黎の目覚めが訪れる……。
『……ちゃん……お兄ちゃん……』
『お兄ちゃん!!』
俺は、この人が誰か知らないし、’’会った’’ことも無いって分かる。 多分それは、自分自身が何者なのかを知っているから。
自分の正体が分からなければ、きっと会ったことがあると錯覚して、勝手に想像する。
だから俺は正直に答えた。
『誰だ?……お前……』
当然だが、彼女は哀しそうな顔をする。
もし知っている振りをしても、絶対に後でバレてしまうから。だってそいつは知らない人間だから。 知らないという事実は変わらない。
最初に話した方が、彼女のためにもなるだろうという、俺の勝手な思いやり……いや、思い込みだったのかも知れない。
『そ、……そっか、……忘れちゃったか……』
そんな事を言いつつも、彼女は笑顔を作って、俺に見せてくれた。
これが、俺の初恋の話。
────
滅亡の予言に添い。
その時は訪れる
その寸前まで政府に隠蔽されていた予測事象は
大質量隕石の接近。
人々は恐れるままに星を脱そうとし、残り僅かな余生に目を向ける人間も数多に存在する。
世間で著名とされ勝ち抜いた人間は、生への道を設けられ、経済的有利な頭脳を持った人は、とある希望の道(YEARS)へと導かれた。
貧富の差が生死を分ける。
「また、会えるよね……」
それが、著名人物である筈の妹が最後に放った言葉である……。