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我儘令嬢の父と兄・前

今回は短めです。また前後編。

現在思いつき得る、わたくしの今後の方針はこんな感じに決まった。


その1・王子の婚約者にならないように努力する(気に入られなければOK?しかしどうやって??)

その2・マクシミリアンと仲良くする(ボコボコ娼館エンドはイヤだ)

その3・周囲の人々と良好な関係を築く

その4・残り2人の攻略対象について頑張って思い出す

その5・魔法や剣術を含めた勉強を頑張る

その6・ヒロインを虐めない


まだ思い出せていない攻略対象2人経由のエンディングに関しては対処のしようがない。

だから早く思い出したいんだけど…。

何にしてもヒロインを虐めなければ、残り2人の地雷も踏まないはずだ。


国外追放されないように行動せねば、と最初は思っていたものの…。


(国外追放されて…スローライフをするの…とても楽しそうなのよね。

正直貴族生活よりも惹かれるわ)


前世の業からそんな迷いが生じてしまった。


しかしこの身は侯爵令嬢と言うままならぬ身。

例え王子との結婚を免れたとしても、他の貴族に嫁がされるだろう。

国外追放でもされない限り、第一次産業従事者になるのは無理な話なのである。

かと言ってゲームのように主人公を虐めて国外追放を狙う…と言うのはいただけない。

一歩間違えばマクシミリアンルートのボコボコ娼館エンドが口を開けている。

そもそも、争いごとは苦手なのだ。虐めなんて頼まれても無理だ。


(スローライフ…したいなぁ…)


虐めもしないし恋の邪魔もしないから。

国外追放だけして貰える素敵なアイディアは無いだろうか。

心はどんどんスローライフに傾いていく。


準備を入念にし、ある程度の年齢を経たら家出する、と言う手もあるけれど。

理由も無しに家出なんかしたら父様は大捜索をしそうだ…いや、するだろう。

そこまでの迷惑は掛けられないな、とため息をつく。


「いっそ平民の好きな人でも見つけて南国に駆け落ち…?」


思わずぽつり、と思考が口から漏れた。

マクシミリアンに聞こえてないといいけれど。


平民の想い人を作り既成事実を作った上で…それを父様に報告するとか…?

激高した父様が家から追い出してくれればよし、父様が追い出そうとしなくとも身分違いの男との恋に殉ずると言うことで駆け落ちしてしまえばいい。

処女でなくなった上に平民と駆け落ちした貴族社会での結婚の市場価値が大暴落したわたくしならば流石に父様も放置してくれるだろう。

大好きな父様を怒らせるのは悲しいけれど…。


しかしこの新案には前世で出来なかった彼氏を作ると言うハードルが、とても高くそびえている。


…べ…別に前世でモテなかった訳じゃないんだからね!…島の人口が少なすぎただけ…のはず…。

本島の高校も行ってただろうって?な…なんの事かしら?

…今世は絶世の美少女になったのだから入れ食いだと信じたい。


まぁ…何にしても今後の状況次第よね。

わたくしはまだ6歳。

ゲーム開始の学園入学は13歳。ゲーム終了である学園卒業は15歳。

状況は目まぐるしく変わるだろう。


貴族社会で熱烈な恋をし、その人に殉じたいと思うかもしれない。

奥様が畑に立つ事に嫌な顔をしない貴族の婚約者が出来るかもしれない。

女性貴族が働くのを認められている王宮魔法師の職につきたい、なんて思う可能性もある。

スローライフを始められるだけの準備はするけれど、それだけに固執はしないでおきたい…なるべく。

……現時点で、スローライフに大分心は傾いているんですけどね。


「…お嬢様?」


マクシミリアンに怪訝そうな声で呼ばれ、ハッと我に返った。


「な…なんでもありませんわ!おほほ!!!」


我ながら苦しい誤魔化し方だと思うが仕方ない。


「お嬢様は…」


マクシミリアンが何か言おうとした時。

会話を破るように激しく廊下を打ち鳴らす2組の足音が響いた。


(ああ…この足音は…。多分あの2人ね)


バン!!と激しい音を立てて扉が開かれる。


「可愛い娘よ!!!目を覚ましたのか!?」

「天使ちゃん!目を覚ましたんだって!?」


同時に部屋に飛び込んで来たのは、予想した通り父様とお兄様であった。

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