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馬車と私と新領地

 馬車といっても人を乗せる定期便がでているわけではないです。


 資源を売る積荷馬車や交易商人の馬車がほとんど。それに便乗する人を乗せる場所もありますけれどね。今回は資源輸送馬車に乗せていただくことに。御者と輸送責任者と私ですね。馬車は4頭立て6輪のかな~り大きい馬車でした。いやー地球の常識をどんどん剥がされていきますねえ。


 一般的には一応傭兵や冒険者がついてますが、街道が危なかったら馬車移動なんてできないので、さほど大きな危険とかありません。賊とか、ベテラン傭兵や冒険者に見つかったら弁護人が立ち会うまでもなく即殺されますので。飢饉になったとか、重大な事が起こってない限りあまり発生しないようです。


 途中途中村があるので立ち寄って、食料を買い込みながら進んでいくそうです。といってもこの中世の初期~中期にそっくりな時代なので、余剰食料もあまりないでしょうからいっぱい買えるとは思えませんね。保存食をぎっちりリュックに詰め込んでスタートです。中央、王都側に向かいます。ここは北東に位置していたみたいですね。



 基本的に日中移動し続けて夜は野営、という形です。引いているのは馬系統の動物だと思うのですが、移動し続けられるとか頑丈ですねえ。足が6本生えてます、ファンタジー。


 テント無しの野営での睡眠ですが、めちゃ寒いですね。キャンティーンに火にかけ、お湯にしてキャンティーン袋に入れて湯たんぽにしました。この袋持ち運び用だけじゃなく湯たんぽやキャンティーンの内容物の保温保冷できるようになってる優れたやつです。さすが未来技術。

 責任者の人珍しがっていましたが知らぬ存ぜぬ。温かいは神の存在より最優先。




 そんなこんなで3日たち、唐突というわけでもないんですけど、あれが来てしまいました、生理です。


 おいおい生々しいよと思われるかもしれませんが旅とは切り離せない生体の現象なので。

 私はキメラだったので生殖能力がなく、関連物も動かなかったんですよ。動いたとしてもそういう年齢に達する前に売られましたからね。サイボーグはそもそもないとして。


 バイオサイボーグになってから生殖関連の機能が動き出したんで、最初発生したときは軽くパニックになりました。何が起こっているのかはわかるんですが、対処法が。それ以降も地球で生まれて違う宇宙に来たので、重力も時間の経過も違うので安定とは程遠いのが現状です。かなり下着捨てました。

 父はどんな種族だったかわかりませんが、母はキツネ属。キツネ属はキツネの遺伝子が濃いので、立ってるキツネみたいな感じでした。

 発情期は地域によって変わるのですが12~4月の間に1週間ほど。オンオン鳴いて男も興奮させ、オンオン交尾して妊娠、出産、でした。この年一発情の影響を受けているのか、私もだんだん間隔がのびてるようですが…

「人間」じゃなく「ヒト」なのと、地球と時間が違うので3日かかるかどうかで一連の流れは終わってしまいます。前後の様々な変調があまりないのは、どちらかの親のおかげなのでしょう。



 女性主人公や冒険者がほとんどいないのはこのせいかなって思うようになりましたよ。月のうち一週間は体調がアレらしいじゃないですか。時間のかかる遺跡やダンジョン攻略そして山のドラゴン論破が安定しない。リュックの容量も増える。


 しかし馬車乗ってる最中にまさか始まるとは。休憩の時に処理するしかないか。

 ほどなく休憩が来たのでリュック背負ってちょっと奥の草むらに。処分品が増えました。

 処置をして戻ったらまあまあ察したらしく、御者の人が


「これだから女っていうのは。」


 と述べてました。セクハラですがそんな概念はない。男優先なのも当然の世界です、モンスターいますし。


 …コレがあるなら子供産めるんでしょうかねえ。博士の子供8人は産もうがちょっと現実味を帯びて、遠距離マタハラされました。やはり消すしかない。



 その後3日位で村へ到着。王都へ向かう道は土の道だったりしますけど、休めるように領主と国が支援して村が配備されているそうです。へぇー


 食料の買い込みだー!と言う前に鍛冶屋さんに。あれが欲しくて。あると思うんだけどなあ。


「こんにちは。手で持つスコップやシャベルってありますか?もしくはすぐに作成できませんか?」


 獣がくるんでお通じと血液の匂いのするのは埋めちゃいたいんですよ、通常サイズのはいくらなんでもアタッチメント出来ません。魔法でもいいのですが、あるならそれに越したことはないです。


「おまえさん馬車の人だろ、ここは変え馬がないから、馬を休ませるのに2日、それで出発となると作れるか微妙だなあ。木の柄に刺して、先の尖った三角形を作るならなんとか。貴族が使うような丸みを帯びて優美な装飾を施してるのは無理だな。」


「それでいいです!主に匂い消すゴミ捨ての穴掘りなので。だいたいコレくらいのサイズでコレくらいの形にしてください!出発前に取りに来ますね。」


 よし、穴掘り道具はなんとかなりそうです。MPかかるけど柄との接続はネジにして、先端を貫通させて、そこを潰してガッチリ固めよう。


 ここから次のところまではちょっと遠く、入手できた保存食がパンしかなくてそれも表面が炭になるくらい焼き固めたものでした。そもそもコレしかない。ちなみに1月持つパンは似たような感じになるそうです。


 2日間の間私はMP結構消費しながらアタッチメントを取り付けつためのベルト紐を制作していました。木綿の帆布なら構わんじゃろ?帆布を出すのはコストが酷いので木綿糸を出して何度も撚って紐にしてそれを織って、という感じで段階を踏みました。スコップ(予定)とキャンティーンの分のベルト紐はPALS規格のもとリュックに取り付けられました。取り付けはそのまま魔法でやろうとすると凄いMPコストだったので糸と頑丈な針を作って自分で編みましたよ。裁縫セットと皮下装甲がなければ全く針が進まなかったと思う。ミシンでやる作業みたいなことになるとMPかさむのかねえ。


 出発の日に鍛冶屋に行くと完成していたようで、とてもへにょへにょな三角形を手にれました。わざとには全く見えなかったので、この鍛冶屋とこの地域の技術の限界なんでしょうね。あとで改良するとして、掘るときは魔法で強化するか。


 アタッチメントに入るように柄に帆布を取り付けて装着。取り付けと言っても購入してあった革紐で縛るだけです。直接アタッチよりはツール袋を作ってそれに三角形を入れてアタッチすればよかったかな?革がないので今度手にいれたら考えましょうか。



 じゃあ出発です。次の街は馬変えもあるし結構大きめなところだそうです。


 そういえば皮下装甲のせいか、おしりが痛くなりませんね。凄い揺れるんですよ、この馬車。それと、やわな三半規管してないので酔わないですね。


 村から出てから2日過ぎたところで御者が責任者に何か話してます。余裕で聞き取れちゃうキツネなのですが、どうやら森に向かう轍を見たそうです。普通ならありえないので、賊でしょうか。戦利品の馬車を森に引き入れた時にその轍ができた、と。


 立ち入る問題じゃないでしょうし、適当に聞き流してました。


 選択肢は祈りながら進むしかないので、また馬車は動き始めます。


 翌日の朝に賊が来ましたね。よく夜に襲撃が来るシーンを様々な分野の作品で見かけますが、夜だと闇に乗じて逃げられる可能性、高いですよね。街灯あるわけじゃないので、全く見えませんし。夜くるのかなーって思ってたんですが、いい勉強になりました。


 まず御者を魔法のなにかで撃ち殺しました。なるほど、運転手いたら制止させようにも、ほぼ止まらず逃げますものね。なんだかんだで積載馬車でも、馬車は人より速いです。

 馬のほうがデカイのに運転手かーと思っていたんですけど、殺したらどうやって戦利品を運ぶんでしょうか。


「責任者いるだろう!!出てきてもらおうか!!」


 賊が叫んでいます。緊張したというかかなりの心拍数で責任者がでて行ました、私を連れて。なんで?


「私が責任者だ。彼女は護衛だ。」は?


「そうか、では交渉と行こうか。」


 なんやかんやと話が始まりましたが、金銭交渉ですね。積荷+それを通行するための金を払えと。後人。結構ビジネスしてますねー。こういうの考えると御者ってリスクあるなあ。真っ先に死ぬ。


 交渉は決裂気味ですね。払うお金ないのかなーリスク回避のために責任者にお金持たせないとか、商品を何だと思ってるんですかねえ。そういえば何を積んでいるんだろう。


「こ、こちらには大先生がいる。逃げることは造作も無いぞ!!そうでしょ、大先生!!」


 ん、振られました。えーと、どういう発言で返したほうがいいのかな?無難に行くか


「…護衛契約結んでいないので、護衛する義務が生じてませんね。」


 責任者まじかよという顔しながら青ざめましたが、そのまんま事実を述べました。交渉はまだまだ勉学が必要だなあ。


「わははは。残念だったなあ!


「仮に引き受けているとしても、私が引きつけているうちに確実に逃げますよね。餓死は嫌なので普通なら契約は破棄します。違約金が発生しますが払える額でしょうし。」


「ちなみに隠れている数は5人、そことそことそこ、そしてあちらとあそこですね。心拍は上がり気味、呼吸数が多いですね。精進が足りないと思います。6人1個小隊なのは良いと思いますが。」


 かなりびびったようですが、有利なのは変わりません。


「まあいい、交渉は決裂だな。馬車を動かせ!!…その狐、かなりのべっぴんじゃねえか。お前は一緒に来い、戦利品だ。小屋で……グヘヘヘ。」


 なぜ男性は気持ち悪いことしか考えないのか。


「理由が全くわかりません、断固拒否します。あ、なにかのジョークですか?すいません、まだまだ会話能力が低いもので。」


「お前舐めてんのか!ああ!?」


「ええと、なぜ怒ったんですか?教育受けてないのですか?」


 人って難しい生き物です。


「ぶっ殺してやらあ!!」


 男が剣を振り上げるその時に


「正当防衛、開始しますね。」


 かなり早口で喋って、男に密着するほどの接近。一気に左の爪ナイフで喉笛を掻ききり右腕の暗器で心臓を貫通。

 右の暗器はスパイク状の針?です。三角コーンに近いかな。普通は後ろから脊髄や首の神経を狙って一撃で破壊する感じに作られているように感じます。正面は心臓一直線ですね。


 男は数秒もがいた後バタリ。死んだか脳みその酸素がなくなって失神したか。人生のリタイアなのは確実ですね。


 一瞬なのでリーダーが落とされた事に気がついてない賊もいるので大声で宣言しましょうか。あ、先に責任者の足を折ろう。こいつが逃げたら馬車がなくなる。


 サクッと足をおってから


「賊の皆様、リーダーは死にました。移動手段がなくなると良くないので、皆さん安らかに殺しますね!!!」

 よし、これで心置きなく殺せますね。


 まず従者席に取り付いている1匹をストーンキャノンでぶち殺しました。攻撃は消費が重たい。銃弾で頭ぶち抜いてもいいのですが、消費が尋常じゃなく重いのと、私の呪文は残るので、鉄製、しかもこの時代じゃまず不可能であろう金属が出現しちゃうとねえ。オールironでもいいのですが、まあリスク回避です。


 荷台を確認していた二人がこっちに向かってきましたね。ちょっと、試すか。


 普通に切りつけてきたので腕でガード。ざっくり…いきませんでした。皮下装甲Lv2は結構硬いですねえ。皮膚を貫通した瞬間に0秒でGTXかけて腕を振り払い逃れるつもりだったので、そんなにリスクを掛けてませんでした。保険のほうが多い。


 さて、インスタントバリアを展開し、アイススパイクをお二人の顔へ。顔が潰れて消えました。


 後ろから魔法が飛んできたので、これもいい機会。インスタントバリアを一度解除し、まともに食らってみましょう。来てるのは炎系か、服が燃えたら水かけなきゃ。細かく連射して最小限の濡れにしなきゃ。


 という考えは無駄に終わりまして、魔導装甲が発動し、弱い炎が届いただけでした。使えるなあ装甲系統…


 反撃はストーンバレット6連射。ちょっと気絶させておきたかったので。


 この時点で動いてなかった足音が動き出したので黒体放射赤外線スキャナーで探し出します。見えますねー。間に合えーと思いながら見つめます。ついた、マークが。


 やっとお披露目できるLv2お目々についてきたマークなんですが、じっと見つめるとマークが付くんですよ、ゲームみたいに。範囲はあんまり分かってないのですが、かなり遠くまでマークが付いてると思います。マークされれば逃げ切らない限り居場所が分かってしまうわけですね。何で追跡しているのか。謎技術。お目々そのものの機能らしく0秒マークは不可能なんですが、数秒で付きます。これで君のおかげで拠点がわかるってもんよ。多少は財宝やなにかがあるでしょう。レザーアーマーの素ないかなー。


 魔法使いを必要になるからと言われてパッキングした麻縄で縛って、口はギャグをはさみます。棒で出来てるやつね。ボールギャグじゃないよ。


 記憶によると気絶したままコレをやると舌が落ち込んで窒息するということでうつ伏せにしたままサイコキネシスで責任者ともども運び、拠点に進みましょう。


 マークされてる野郎を追いながら進んでいきます。森は村にいた時にずーーーーっと歩いていたので多少の歩きなれというのはありますので、ゆっくり程度でしか離されていきません。魔法をサイコキネシスに使っているので、ちょいちょい枝や草がひっかかりますが。


 さてさてマークが止まったので拠点についたのでしょう。魔法使いも気がついたので、二人を麻紐で縛り直して拠点へ。


 拠点の戦闘の話、します?大将が3ユロルで見逃してくれと言われたので拒否して15くらい殺しただけなんですけど。火は燃え尽きるし水は溶けるので使いやすいですね。ウッドアローは特殊魔法だとバレにくいです。石はどの石をイメージするかで変わりますねー火山岩系統は硬いのでいいかな。花崗岩とかですか、あれ。石の名前はちょっと記憶に…組成は大体書いてあったので補間しながら使いましたが。


 で、戦利品。襲撃したリーダーと転がってる大将はレザーだったので持っていきましょう。室内には暴行を受けていた人が男女ともに何名か。どうしよう、助ける義務はないし、馬車がない。いい食事ではなかったので体力もない。じゃあ死んでね☆というのも罪悪感が生まれますよね。


 本当に困ったので、始祖に助けを求めました。早く気がついてくれるといいのですけど。


 とりあえず大量のおにぎりを放出。コレに頼る気はなかったので、こういう時に一気につかっても心配ないです。


 よし、探索再開。手斧と丸太の薪割り斧がありました。手斧はいただきます。布切れで包んでリュックへ、まだ入るので大きいのもらえてよかったなあ。


 宝石とかはないか。武器が多少あったので、刃を落としてボッキリ折って袋に入れて持ち運びます。めざすは全長90~100cmのシュヴァイツァーサーベル!!

 レザーアーマーがちょっとあったので解体してパッキング。うーんもう入るスペースが少ししかない。そういえば、再度柔らかくして私に合わせるってできるのかな?


 さて、次は魔法使いです。やってほしいことがあって。


「ねえねえ魔術師さん、治癒は使える?」


「た、多少は。」


「ほんとー!?このおっさんの脚折れてるんだけど、直せないかな?私あれだけの火力あるんだけど、逆に治癒があんまり使えないのよ。」


「わ、わかりました。」


 というわけで、超真剣に見ました。まず折れた部分を触って、状態を確認してから文言を唱えて、治癒魔法が。うーん?


「最初に状態を確認しないと、どんな凄い治癒魔法でも効果が出ないんでう。」


「……例えば、戦争でお腹刺されたとするじゃない、治せる?」


「お腹は無理です。当たり前ですけど見れませんし、触っても状態がわからないじゃないですか。どこから血が出てるかもわからない。」


 わかったことは、怪我の部位を精確に精査、判断し、それを文言で最低保証の治癒をしているってことだね。

 怪我の把握、それが治るイメージ。治るっていってもどことどこがくっつくかとか、詳細な復元図をイメージしてそれを実行するのかな。文言で勝手にイメージが出来てたりしてさ。


 私だと脳みそ演算が精確すぎて逆に駄目なのかもしれない。負傷部分の完全に近い把握、身体の極めて詳細なデータ、サイコキネシスではなく治療的な魔法。必要なのはここら変か。術式は次の町で買ってみようかな。


「ありがとう、しかし魔法のことは凄い熱心だね。」


「もう後数日も命がありませんけど、魔法屋をやりたかったんですよ。」


「魔法屋ってどんな?術式売るの?」


「いえ、魔法を使った何でも屋のほうですね、勿論術式は売りますよ、便利ですから。火には風が必要ですから風魔法で送り込み、水はどこでも欲しいですよね。炎は松明つけたり。魔導コンロがなくてカマドの火が消えてしまったなら焚き火の火をつけたり。お湯がすぐ作れれば冷たいシャワーなんて存在しなくなります。まあ、売られて売られて賊にまで来ましたから、そういうもんなんでしょう。」


「都市というか、村の何でも屋ね。」


「町はいったことないので、わかりません。」


「そっかあ、うーん、賊だとなあ…」


 賊は死ね。どこの世界でもどこの時代でもコレは変わりません。更生?する金で殺せ。


 賊の地域に仕事を作ったら賊をする必要がなくなり賊が減った、という話は地球で少々聞いてはありますが。



 ここで始祖から連絡が。お手紙を読むと。


 こちらの素材そしてこちらの時間で3日持つ自動馬車組み立てキットを送る。軽い素材だからはいったわ。自動馬車の速度は普通のより幾分早くしてある位だけど、3日常時動き続けるから子爵領には着くと思うわ。売りに売った恩をここで買い直せ!あとすごい丸薬を送っておいたから一人一粒飲ませるようにね。馬車は3日で自動的に消え去るようになってるから。


 もう涙しか出てこないです。あそこは開拓地ですから人はいくらでも欲しいですからね、受け入れてくれると思います。バイオサイボーグの件でかなり恩を買ってしまいましたが、人材は欲しいでしょう。一筆書いておこう。


 よし


 まずみんなに丸薬を飲ませました。病気が治り、体力まで一気に回復しました。始祖のいる世界は凄い世界だよ。


 そしてキットを組み立てました。私ならわかるようになってた。みんな十分乗れる。ボロボロの衣服は、どうにもならないんでこのままですが。


 そして


「魔法使いよ、君は術式を組めなくし身動きがとれないようにして子爵領に向かってもらう。そこでなんらかの刑を受けるだろう。一応君の組成と魔法の知識などを書いておいたが、まあ…極めて幸運になることを祈っておくよ。」さーせん、温情を感じてしまったので子爵に放り投げました。


 簡素な非常食もはいっていたのでそれを渡し、途中の村による必要はないからとにかく動かせといって自動馬車を送り出しました。


 キットで組める馬車。しかも自動。


 さて我々は馬車もあるので馬が取り替えられるという村に向かったのでした。がんばれ~責任者。




 村に着きましたー。整備されますね。馬も放牧されてます。お金投入されているんだなあ。


 とりあえず鍛冶屋にって元武器を延べ棒に出来ないか相談。時間かかると言うので断念。


 なめし職人のところで、レザーを回収したんだが一度柔らかくして材料に戻せないか聞いたんですけどそれは知らんと。防具作ってるわけじゃないもんね。うーん。大きい街なら違うかな。


 雑貨屋はこの村の日用品ですね。あくまでも馬が取り替えられる村なので、設備が整っているわけではないようです。石鹸だけ買っておきました。


 馬が潰れちゃった人のために馬系統売っているようですが、うーん。以前思いついたラバの旅ですが、ここにはラバいないようですね。あくまでも移動のための村のようです。


 今日は一度ここで宿を取るという話ですので、取替作業を見たら宿でしょうかね。



 逃げてた。取り替えたら即座に出ていったようです。ふざけた真似をしますね。


 私はこっちに来てすぐはちょっと体力がよろしくなくて狐のパワーが出し切れてませんでしたが、トレーニングもしてトロルも殺し、つい先日20人くらい人を殺してますので、狐本来の力が出るようになったんですよ。


 調べていただくとわかるのですが、普通のアカギツネでも時速50から60kmはでるんですよ。狩りしますからね。私はキメラなのでヒトの造形が強く出てるからヒトみたいに長距離走れるんですよねーねーねー。


 30分ほどで追いつきました。4頭立てとはいえ貨物用馬車じゃスピードでないよねえ。



 徹底的に脅した後後ろのあいてるスペースに乗り込みのんびり。間に合うわけないのにその日のうちに出たもんですから、やるはずのなかった野営をすることになりました。後半は村経由で行くはずだったためかもうほとんど非常食がないらしく、大変そうでした。私?助ける義務ねーしみてただけ。


 翌日早朝に出発し村に到着、次で伯爵の領地だそうです。今どこなんでしょうね?後で地図がほしいです。


 記述するようなことはなんにもないので一泊して伯爵領地へ。開拓領地じゃなければいいなあ。






 そして着きましたー!!ここは大きい!城塞都市です!!武具の更新期待が持てます!師事も!


 で、そのまま馬車の順番待ちして通行かと思いきや、私が犯罪者だと門番に通告しやがりました。私は無言でPDA投影機で賊の討伐から私を追いて逃げたのと、それを追ったところまでを投影。この投影機は記憶の中のことを投影しまして、この投影は地球だとほぼ嘘の投影ができないんです。投影is真実。映画とか見られて便利とかなんですけどね、通常の使い方は。こちらの世界でもそれを確認しておりましたのでこのような行動に。責任者が連行されることに。あほか?この荷物どうするの?


 ごっつあん商会のものだとアホは最後に教えてくれたので、一応持っていこう。謝礼とかくれそうだ、賊から守ったし。しかし、ごっつあん…日本人来てたりするの?


 馬車の動かし方なんて知らないので、お馬さんに


「みんなの動かし方知らないんだけど、ごっつあん商会までいけるかな?」


 と話したら歩いてくれました。頭良いなー


「ありがとう、お礼に尻尾ハムハムしていいよ。」


 と述べたら超気合い入りました。尻尾最強伝説。


 私が動かせませんのでゆっくりゆっくり進み、ごっつあん商会まで行きました。


 店番?の方に事情を説明し、仕切ってる人が出てきて中へと。


 その前にお馬さんにハムハムさせました。よだれついちゃうので毎回洗浄しながらね。お疲れ様、お馬さん。



「輸送いただき、誠にありがとうございます。」


「便乗で乗らせていただいただけなので。賊は…まあ展開上皆殺しにしましたけど。結果的に守る形になりましたね。あ、品物は見てないのでご安心ください。」


「何から何までありがとうございます。ここには長く滞在ですか?一週間ほどでしたら宿をおとりさせてほしいのですが。勿論貴族級のです。」


「うわあ、普通なら一生泊まれないのではないのですか?身分やドレスコードなどでそもそも止まれないとかありそうです。ローブくらい買おうかな。」


「ローブの仕立てならわが商会の系列で取り扱っております。この際、いかがでしょうか。」


「ああ、それは嬉しいぃ。田舎にいたので階級の常識もあまり分かっておりませんで。」


「それでは早速参りましょう。」


 というわけで早速ローブの見立てに。あれなんですね、ローブって聖職者が着るような全面の外套なんですね。なのでマントほどまで身体を覆わないクロークを中心に見立てることに。商人クラスが着るようなのを勧めてくださるので、相当な利益の出る商品だったんでしょうねえ。傭兵つければよかったのに。


 しかし、商人クラスと言えども結構派手なんですよねえ。これで冒険者はなあ。


「いやー面白いですねえ。こっちは貴族向けの生地ですか?絶対に手はつけませんから拝見しても?」


「ええ、汚さないようにお願いします。見るのもなかなか難しいですからね。」


 うわっはー生地がぜんぜん違う。シルクっぽいのもあるよ。豪華やねー。

 ん


「…あの生地は?」


「こちらは冒険者ランク一桁の方が主に使う生地ですね。摩耗に強く簡単には切れない革を幾重にも折り重ねております。表面は撥水処理をしてます。仮に仕立てたら30ユロルはくだらないかと。」


「えっやす。これ色の指定とか出来ますか?貝紫って、皇帝や王様専用ですかね?」

 貝紫、憧れの色なんですよね。一番下にいましたから、一番上の人や高貴な人が着る色はやっぱりね。


「はい、出来ますが…そうなると1から仕立てますので40は…あの、ご冗談は流石に。」


「40でいいんですね、じゃあ先払いで。カウンターはどこですか?うわー憧れでしたからねえ。40(笑)やっすいー」完全に価格差を忘れてました。

 半信半疑ならがカウンターのPDA会計処理機に40ユロルと提示され、即金でちゃりーん。


「よーし、あとは採寸して仕立てですね。ああ、この下にレザーアーマー、可能なら音がしないレベルまでの硬さや金属(あ、価格差)が…将来的につけたいのでそれ込みで、出来ますかね」


 やっちまったー一泊0.005とかだぞこっちの料金。40とかメチャクチャな大金じゃない?


「そん、その、どこかの学者時代にかなりお金貯めましてね。遺跡とかいきますしフィールドワークで怪我したくなくうぇ。」かんだ


「…承りました。ではしっかりした鋲打ちのレザーで着用出るように仕立てましょう。レザーも取り扱っておりますがぜひとも寄りませんか?」


 あー目が変わったーうーわーうーわー


「あーえと、(無詠唱はまずい)鎧となれ、魔法防護。わかりますかね、見えるくらいの力なんですよ。なので研究したくて、レザーは自分でクラフトしようかと。」


「素晴らしい、魔法の品はいかがでしょうか。新品服もあります。仕立ても勿論出来ますぞ。」


 どツボー!!!!結局採寸してから魔法の店に行き、私にとってはどうでもいいのしかないのでインプラントの素材になる魔力結晶だけ20個ちょっと買い、170の新品なんてあるはずもないのでフィールドワークのためと押されまくって厚手の服を注文し、貴族とあうならいい服をということでそれも注文しました。交渉術は上がったからいいんだ…

貴族と会うならって、会わないじゃん。そりゃ王都で爵位は貰うけどさ。乗せられたなあ。


 お礼ということで10ユロル戻ってきた後、武器の商会を教えてもらって宿へ。超 場 違 い 。ご飯は部屋の端の方にしてもらい、貴族様に出会ってなんで下民がここにとか言われてもしょうがないので、さっさと部屋に。忌みでしたから当時若いのもあって入ったことないんだけど、豪華なラブホテルかなここ?天幕もあるし。


 ここはアダルバート・アッカーソン伯爵領地というんだけど、繁栄してるため魔道具も盛りだくさんにあり、魔導通信機があって、ルームサービスまで使うことができるみたい。サッサト ネル ニ カギル


 翌日は早朝に起きてすぐに朝食を食べ(常に準備できてるあたりが凄いよね)

 外へ。レザーのふやかしと金属を一度延べ棒にして作り直すことをしないと。


 なんかカフェがもう開いていたので、私みたいな服装でも入れますかと聴いて、カウンターに案内されたのでそこに。さすがに外は無理か。


「えっ、珈琲がある。これ、豆を炒ってから擦って入れるあの珈琲ですか?」


「まあ根っこを炒ってやる珈琲もあるが、うちのはその豆の珈琲だよ、詳しいね。」


「ええ、まぁ。じゃあこれを。酸味が強ければ砂糖を、コクが深いならミルクをつけてください。」


「ほお、凄いな。うちで作れるのは酸味の方だから砂糖を付けとくよ。砂糖ほど高価じゃなくて多少甘い程度だけどな。」


 そしてコーヒーを淹れてもらい…一口。あぁ…キリッとしてる


「ふへぇ、素敵。朝だけ通いつめたい。いやあ、珈琲って素晴らしいですよね。」


 ちなみに根っこの方しか飲んだことはありません。根っこなら自作できますからね。


 それからちょいちょいお話をして出ました。伯爵領地じゃこのレベルの服だと何処も嫌がるよなー。


 それから鍛冶屋街にいき、スミス商会へ。アメリカで一番多いファミリーネームだね。


「こんにちは、ごっつあん商会より紹介を受けているパールライトなのですけれども。」


「少々お待ちください…ああ、ございますね。凄いお金持ちさんか(ボソッ

 どういったご用件ですか?魔法の剣でもお探しでしょうか。」


「いえ、鍛冶を見せてほしいのと、鉄くずが集まったので一度丸めて伸ばして延べ棒に出来ないかなと。後自作した剣なので、鍛冶場をどこかお借りできないかなと思いまして。」最近会話術がうまくなったと思います。つまらないし、メモれる速度で順番に述べてますよね。


「ふーむ、番頭に聞いてみます。」



 さて、金持ちとかはっきりと聞こえちゃうんだがどう出るかなあ。魔法の金属、アダマンタイトとかあったら買うかも。鋼鉄って貴金属を入れると硬度変化するらしいじゃん。1/100000とかの比率って書いてあったけど、詳細はない。企業の機密だもんねえ。まあそういうのにつかえそうですよね、魔法金属。



 番頭が来まして。


「ようこそパールライトさん、要望は、鍛冶をする以外なら大丈夫だ。鍛冶はすまんが今フル回転でねえ。ちなみにどういう剣を作ったか見せてくれるかい?」


「フル回転って、どこか戦争でもするつもりなんでしょうかね。これです、いびつですが切れ味と硬度はかなりのもんですよ。」


「ま、秘密なんでそこらへんは話せんな。…叩いていいかい?ほー音がちげえ。小僧、丸太もってこい。…少し力入れて切らせてもらうぜ。ほー、この薄さで歪まねえししっかり食い込むな。どういう製法なんだいこれ?」


「ま、秘密なんでそこらへんは話せんな。鍛冶がないので製法の披露が出来ませんが、もう溶かしてしまうのでこの領地ではお見せできないですね。魔法剣士でもあるんで、魔法でやっていけますし。」


「んーーーーーーーーーーーー、たしかごっつあん商会でなにか大きなものを買ってるよな、じゃないとうちに紹介なんて来ねえから。それが完成するまでの間なら一番若いのの鍛冶場を貸そう、すべて見せる必要はねえけど、見学させてくれると嬉しい。鍛冶屋長がいるから、俺からそういうのが出たと伝えてくれ。PDA投影でもいいな。どうだろうか。」


「うーん、製法ですか。途中までなら…やってること変わらないですけどね。」


 というわけで鍛冶屋の長に話をつけ延べ棒にすることに。私の剣をかなり惜しんでました。全てを溶かして延べ棒にするのは鍛冶屋の炉じゃかなり難しいと言われましたが、炭火じゃそうでしょうね。鍛冶場一つを貸してくれたのでデータ取って一番耐火温度が高いものを測定。おお、いい感じのるつぼがあるじゃないですか。鋳造したいから、砂の型かな?延べ棒、つまりインゴットサイズでいいから火事にならない程度に簡単な砂型で作りましょう。ただ、インゴットはデカイサイズになると思います、結構貯まってるもの。

 記憶に奇跡的にも砂の種類があったので、最初からガッチガチに固まっているイメージで作成!魔力量空っぽ。ああ、以前買ったポーション飲んでみましょう。ぐびー。やばい味になってましたが、一瞬で魔力量が増えて、回復速度が上がった感じですね。どちらも今の私では微々たるものですが。魔力が詰まっているんでしょうね。回復量が増えたのがちょっとわからないです。アイさんが仰っていたように空間に魔力の素なんてものがあって、それを吸収しとるんかいねえ。


 この後作業するのは難しいのでるつぼを少々強化しておいて、今のうちに剣の作成に使う道具や設備見ておきましょうか。ゲームやアニメに出てくる武器を実際に作る動画に出てくる機械とか、ないでしょうかね。機械でガンガン叩いてくれるやつとか、ローラーで薄く伸ばすやつとか。あんなに大型じゃないけど叩くのはありますね。単3を5個刺してます。20個買い足して贈呈し、使わせてもらいましょう。これで一人でできそうです。今のうちに少し習熟しておこう。

あ、焼入れの液体はなに使ってるんでしょうか。…水かあ、ちょっと市場で買ってきて取り替えておこう。鉱物系?というのはなさそうですけれども。記憶を読む限りではそれが主成分なので生み出しですかねえ。あ、水と種類が違うから片付けが難しいか。うーんもう一つ入れ物がないと。夜間粘土を生み出して作っておこう。私の隠密系技術はこういうところに忍び込めないほどの術ではない。鍵なんてちょっと指を払えば終わりですしお寿司。


叩く強さや速さを学んで、市場でいい液体ないか探して宿で就寝。しかし疲れる宿だ。魔力量が満タンになったところで忍び込んでいそいそと作業。打つのは数日後ですが直前になって作るのは難しいです。私使用予定とでも書いておいてほうっておきましょう。そういえば紙は植物性でした。A4普通紙まであと僅か。そういえば始祖はA4上質な紙で手紙送ってきてます、いってみたひ。車がチューブの中を走っているんですよ、きっと。


 次の日早朝にカフェにいき珈琲を嗜んでから鍛冶場へ。あら、結構見学者がいる。でもなーこれは私にしか出来ないと思うんだよなー。


「えーこんな感じにですね、るつぼに入れやすいものからどんどん入れて。燃え盛れ、地獄の炎。こういう風に思いっきり熱を入れます。熱なら燃えてなくても大丈夫ですよ。るつぼがあってよかったです、鋳造もやられているんですね。溶け始めましたね。ちなみに大体1200から1550度でどんな鉄も溶けます。じゃあじゃんじゃん入れていきます。…大体砂型と同じ容積まで溶けました、熱いのでサイコキネシスで持ち運びましょう。どばー。ピッタリ。じゃあ冷やす間にほかも溶かしましょう。剣も入れます。剣が長いので火を落として剣を丸めながらの作業ですね。そんなすぐに固まらないでしょうし、型もう一つあればよかったかもしれませんね。急ぎすぎました。略。はい、インゴット2つで鉄くず溶かしきりました。勿論誰もいませんね、やってることがやってることですもんね。」


 そういえばバックラー金属に出来ないものでしょうか。鋼鉄やそれに準ずるものがほとんどないから難しいかなあ。まあ店番に聞いてみましょう。


「やあやあ、金属のバックラーってないかな?」


「ミススル銀ならありますけど、100ユロルはいきますね…」


「きびしー。普通の金属じゃ重いもんねえ。補強案とかないのかな?」


「縁を鉄で覆って、中央をスパイクをつけたり丸い鉄を差し込んで補強するというのはありますね。精密加工が難しいんですけれども。鍛冶長なら出来ますね。」


「そういうのいいねえ、今のなんというかお椀だし、縁があるやつにしようかなあ。」


 この後商品を見せてもらいました。商会なのに武具ってあるんだっけ?問屋みたいな感じじゃないんだ。いや問屋は商品あるわ。ええいどうでもいい。


 それなりに分厚い木製で、斬撃は縁で防いで刺突は中央で防ぐ感じですね。なので縁と中央部が金属で覆われいるんでしょう。私は見た瞬間に予測と行動ができるから、受け流せる方向にずらすか、ジャストタイムで弾いてたのでお椀で良かったんですよねー。実践では結局このバックラー使わなかったか…


「よし、これ作ろう。この商会で木材から加工までをしてるの?」


「これも作るんですか…木部は買ってますが、鉄の加工は行ってます。」


「じゃあ、買ってる所おしえてーん。交渉してみる。」


 呆れた顔をしながら教えてくれたので、その木材加工所…の前にレザーだ。これかさばってるから邪魔。


 引き返してレザー系の場所もついでに教えてもらい、まずはなめしさんの所。当たり前ですがなめすところと防具加工のところは仕事の内容も場所も違います。なめしは城塞都市の外で、業者もまとめて置かれてますね。匂いますもんねえ。


 みんな難しいそうです。

 仕立て直しに使うにも一度オイルなどを剥がすし、うまく動くように重ね合わせてる部分は結合部に穴あいてますからね。そこに補修の革当てないといけませんし。


勿論中古市場はあります。そこで売却はできるそうです。私は背の高さが違いすぎて中古は全く合わず…残念でした。ある程度売却処分して残りは補修に使いましょう。補修ってニカワで接着かな?あれ、ニカワって皮から作れないっけ。記憶記憶…コラーゲン部分から成分を抽出してゼラチン状にしたもの。皮や筋、骨などから取る。


 お、と思いましたがうるす前のみたいですね。うーんレザーは思惑通りにいきませんね。ニカワは自作できそうかな?というのが収穫ですね。


 後は目の前にある師事の機会だ。


 お金払って革にまでする作業やらせてもらいましたー。タンニン製法でも工程が20くらいあるんですが、一通り。まあまあ払ったからね。しかし全行程やれるとは。さすが大きい都市です。流れ作業で機械的に何枚も流してるんでしょうね。

 2回やって把握はしましたね。記憶にとってありますし、あとで自作したいです。

 2回めで起用にこなしてるのを見て唖然としてましたがおさらばです。


 中古屋でレザーを処分してから防具…ではなく革物加工屋さん。草鞋、そろそろやめたいです。


 既成品の靴なんてのは1900年付近に登場してるので、普通の時代の流れであればオーダーメイドですね。


 オーダーメイドでした。フィールドワークするから綺麗よりも頑丈なのを、冒険者ランク20付近のまでなら都合がつくと言って見繕ってもらいました。くるぶしよりちょいちょい上の、革のブーツを提案されました。10ユロルくらい。内側に起毛されたなんたらかんたらで、フィット感が増す上に夜間足から冷えにくいそうです。買おう。足は重要です。

 あ、革の作業手袋っていうんですかね、摩擦が程々にあって、火に強い手袋、それも頼みました。皮下装甲様でさほど熱くないけど焚き火で火が爆ぜたり、熱い鍋プライヤー経由ですが持ったりしますからねー。武具をしっかり握れるのもポイントです。

スエードやエナメル加工っていうんですか?そういう綺麗な仕立ての革の衣類も進められたけどお断りしました。なんかこう、一般の人のお高めの衣類は腰が引けてしまいますね。皆さんスエードとかエナメルとか知ってましたか?あ、一般常識ですか…地球の合成の革ならそんなに高くなかったんですね…へぇ…


 サクッと支払いをしてもう夜に近いですが防具屋へ。特に何かが起きたわけでもありませんが、防具の展望を話したり、一応採寸だけしたという感じですね。後は無駄話というかうんちく聞いてました。

 防寒具と鎧の兼ね合いは参考になりました。日中は温かいですけど夜は寒いので、熱いけど日中も防寒具を着てその上に鎧を着てしまうのか、面倒でも夜間になるたびに防寒具を着るのか。防具は日中と夜間どっちに合わせて作るのか。

 悩ましいですね。保温の魔法商品あったらすごい高値が付きそう。


 最後に冒険者組合。ここは組合派閥ですね。顔見せと付近の情勢を聞いただけ。モンスターの種類と遺跡があるか、未探索はあるか。大きい蛇とそれなりのクモの生物が特徴的なモンスターで、鶏肉に近い味がするから買取価格が高いそうです。遺跡はあるけど動いている遺跡のため冒険者ならランク27くらいはないと入る許可が出ないそうです。許可制かー。

 未探索は遠くに行けば未探索と言われました。そらそうだ。



 明日は鍛冶の見学と材木屋の見学ですね。この都市で武具が良いの作れますように。


クラフトは半分くらい想像です。

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